早起きで心の余裕を
少し早起きして街を歩いてみよう。いま、京の街は鮮やかに錦を織りなしている。
こんな素敵な時季に、全国から多くの人がわざわざ観光に来るような素晴らしい景色を見過ごすのはもったいない。社寺の拝観をしなくても公園やちょっとした通りでも様々な木々が色づいていて、街がかなり明るくなっている。山がまだらに美しくなっている。
それなのに、うつむいて急いで通学や出勤していると気づかなかったりする。あ〜もったいない。ゆっくりと少し顔をあげて周りを見渡そう、山を見よう、大きく深呼吸しよう、そして美味しい空気を味わおう。
朝日を浴びた木々はきらきらと鮮やかに輝いて、心を癒してくれる。
いま、木々は「これでもか」って言いたげに色づいている。自分にも言い聞かせたい、
忙しく毎日を過ごして、せかせか、イライラしている気持ちに
「自然の恵みをしっかり感じなさい」と。少し早起きするだけで心に余裕が出て、
一日しっかりがんばれる気持ちになる。
なにより観光客が訪れない静かな時間に景色を独り占めするのは気持ちがいい。
こんな身近に自然が優しく我々をつつんでくれる山紫水明の素晴らしい街に
住んでいる悦びを感じる瞬間だ。
京都新聞（06.11.28掲載分）へ
