錦秋京都の晴れ舞台楽しむ
 
  公務員 田中正一 35

錦秋の美しい自然に囲まれた
京都に住む喜びを感じる時期に
なった。

 もちろん、春の桜が美しくき
れいなことは言うまでもない。

桜は出会いや出発、そして芽生
えを予感させる前向きの花だと
思う。
 そして紅葉は、これから冬に
向かう別れにも似た雰囲気の状
態かもしれない。事実、桜が終
わると青々とした新芽が出てく
るが、紅葉の後は枯れ葉となり
散ってしまう。

 ところが私には、桜が花びら
の散る別れのイメージに、秋の
紅葉は「これでもか」と、真っ
赤や黄色に染まる木々が主張す
る晴れ舞台のイメージになるの
だ。
そして冬を越し、やがて来
る春に向かって新しい芽が生え
る準備をするのだ、と思う。
 さぁ、今年もこの大自然の贈
り物を思い存分、楽しませてい
ただきましょう。

      (京都市下京区)


産経新聞(04.11.30「談話室」欄
東京本社版15面・
大阪本社版17面 掲載)

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