京に大自然の贈り物
桜の季節がやってきた。これまで春の新しい
出会いのイメージと言うよりは、
花びらがちらちらと散る様子から、
何となく寂しいイメージを持っていた。
三山に囲まれた国際観光都市の京都に
住まう者として、こんな風に思っているのは、
もったいない。
そう、世界に誇れる美しい桜たちが
ほんの身近に咲き乱れる、同じ観光地に
行っても、まるでスポットライトを
あてたように、全く別の場所にいるかのように
景色を変えてくれる。
街全体を明るく華やかにしてくれる期間限定の
大自然の贈り物なのだ。
4000万人を超える京都観光に訪れる多くの人が
この春のシーズンと、秋の紅葉の季節に集中する。
1200年におよぶ悠久の歴史を持つ日本人の心の
ふるさと「京都」の街に大自然が力を
貸してくれるからこそ、これだけ魅力が
あふれるのだろう。こんな街を本当に誇りに思う。
さぁ、今年は心を明るくさせてくれる、
そして元気にさせてくれるこの贈り物を大切に、
大切に感じさせてもらいましょう。
毎日新聞（05.4.8掲載分）へ
