五木の子守歌 

歌詞です。完全な肥後弁です。九州人の私(KOZOU)にはそのままじんと来ますが、そうでないとわかりにくいと思います。不幸な娘の望郷の念と諦念が胸を打ちます。

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おどま盆ぎり盆ぎり 盆から先きゃおらんと 盆が早よくりゃ早よもどる
(子守奉公も盆で年季が明け 恋しい父母がいる古里に帰れる日が待ち遠しい。)

おどんが打っ 死 ( ち ) んだちゅうて だいが泣いてくりゅうか うらの松山蝉が鳴く
(遠く離れた所に子守奉公にきて私が死んでも だれも悲しまない ただ蝉が鳴くだけでさびしい。)

おどんが打っ 死 ( ち ) んだら  住環 ( みち ) ばちゃ 埋 ( い ) けろ 通るひと 毎 ( ご ) ち 花あぐる
(私が死んでも墓参りなどしてくれないだろう それならば人通りがある道端に埋葬してもらったほうが誰かが花でもあげてもらえるだろう。)

花はなんの花 ツンツン椿 水は天からもらい水
(あげてもらう花は何でもいいが 道端にたくさんある椿でよい 水がなくても雨が降ってくるから。)

おどんがお父っつあんは あん 山 ( やみゃ ) おらす おらすともえば いこごたる
(私の父は遠くに見えるあの山で仕事をしているだろう 又あの山の裾に古里があり早く帰りたい気持ちが増々大きくなる。)

おどまいやいや 泣く子の守にゃ 泣くと言われて憎まれる
(子守にとっては泣きやまぬ子はどうしようもなく どんなにあやしても泣きやまない 子守の仕方が悪いと叱られる。)

ねんねした子の 可愛さむぞさ おきて泣く子のつらにくさ
(子守背中ですぐ寝る子は 子守にとって楽であるが いつまでも泣いて寝ない子は 普段は可愛いけれど 憎らしい。)

KOZOUさんのコメント

私も改めて何度も聞きました。曲と歌詞、今さらながら心を打ちます。これは正調「五木の子守歌」で歌詞は外にいくつもあるそうです。 正調にはありませんが、私の小さな頃聴いた歌詞が一つあります。☆☆「おどま勧進、勧進 あん人達ゃ良か衆 良か衆 良か帯 良か着物(きもん)」☆☆勧進はご承知のように、乞食という意味。何とも哀れな娘心です。”経済大国”日本もほんの半世紀前までは、こんな悲しい風景がどこにもあったはずです。

五木の子守歌 この歌は生前の母が大好きな歌だったようです。shyooが幼い頃よく唄ってくれました。そのせいか、この歌を聴くと母のことが懐かしく、甘く切なく想い出します。この話を九州にお住まいの、ネットのお友達サイト「KOZOUの新世紀」の管理人KOZOUさんにお話しましたら、わかり易く標準語の訳とMIDIを付けて母に送って頂きました。皆さんにも是非聞いて欲しくて、ここに掲載しました。MIDIは題名を♪KOZOUさんHPへはサイト名をクリックして下さいね♪

KOZOUさん、ありがとうございました。 shyoo

五木の子守歌2