なぜこういうことが起きるのか、今後起きないためにはどうしたらいいかについて書いてみたいと思います。

ヤフーオークションでは車両の状態が良く分かるように写真も多用しました。
もちろん写真ですべて分かるわけではなく、ブレーキペダルなど金属部分には錆びもありましたが、１０数年で４万キロ乗ったオートバイですから、ある程度の錆などがあることは当然だと思ってました。シートのひび割れのことは書いておきました。

エンジンやギヤ、クラッチなどは全く問題なく、フロントスクリーンは新品でしたから年式のわりにはいい状態だったと自負してました。

ところが落札後落札者は車両に対する疑問を言い出し、購入するかどうか態度を保留しました。
そして「正式に手順を踏んで手続きをおこなうことが、今後のトラブル防ぎ、気持ちのよい取引ができる」などと言い、「購入のための確認」と称して６項目の質問をしてきました。

この中には「雨の日に走ったことはないか」とか「エンジン塗装の劣化はあるか」などというものもありました。私は一応答えはしましたが、何よりもなぜ落札した後になってこういう質問をしてくるのか理解に苦しみました。雨の日も乗っていた、と答えたら今から落札をキャンセルするつもりなんでしょうか。
一体この先どうなるんだろうかと思いました。

落札から９日後にやっと「購入する」ということとなり、代金の支払いもあって運送屋への引渡しも済みました。このトラブルのことは忘れようと思ってました。ところが。

引渡しからしばらく経って落札者から手紙が届きました。それによるとシートにひび割れがあり、ヘッドカバーの塗装も劣化してるからどちらも交換する、さらにブレーキペダルなど金属部分に錆が多いからそれらの修理費用を負担してほしいというものでした。

私は信じられない思いでした。シートのひび割れのことは言ってあるし、１０数年で４万キロ走ったオートバイですから、エンジン塗装の劣化や錆などはある程度あって当たり前です。何よりも私は車を見たい人にはお見せしているわけですから、そうしたことが気になる人は車を見にくればよかったはずです。また錆びについて質問することだって出来たはずです。落札者は質問一つしませんでした。実際に車を見に来た方で落札価格より１０００円安い価格で入札した方もいます。

幸い私は売買契約書を結んでおり、引渡し後において私は責任を負わないこととなってましたから、これを盾にお断りしました。オークションでも「中古車ですから現状渡しと言う事でノークレームでお願いします」と書いておきました。

こういうことが起きる理由はなんでしょうか。

オークションというものについて十分に理解していない人がいるということではないでしょうか。落札するということはその状態のものを可として購入を決める、ということですから、落札した後で態度を保留するということは出来ません。落札者は「私はオートバイは素人だから」と言いましたが、素人だから許されるのはいろいろ調べるのに時間がかかって入札の決心がつかないとか、いろいろ質問する、などのことです。

一旦落札したら、例えその後で疑問が沸いてきたとしても、もう目をつぶって買う以外にありません。また引渡しが済んだ後は、よほど重大な欠陥（例えばエンジンがまるっきり壊れていたなど）があった場合を除いて修理代の請求などは出来ません。

もしこういう請求が出来るならばそもそもオークションなどというものは成立しないこととなります。ですから錆などが気になる人は実車を見に行くべきだと思います。見に行かないで落札するということはある程度自分の予想よりも悪くても我慢するという判断をしたこととなります。

よくオークションで「神経質すぎる方は入札ご遠慮ください」などと書いてあるのがありますが、私などあそこまで書かなくてもいいのに、などと感じてましたが、自分がこういう目に遭うとそうしたことを書く人の気持ちが良く分かります。

オークションを利用してオートバイやサイドカーあるいはクルマの売買を予定の方は十分ご注意の上で行ってください。できるだけ実車を見てから入札してください。なお売買契約書は必ず締結したほうがいいと思います。参考までに私が今回使ったものはこちらです。実車を見せないものは入札しないほうがいいと思います。

なお、雨の日でも走るということはオートバイ乗りにとって美徳だと私は思います。
サイドカークラブの中には雨降りツーリングを励行しているクラブもあります。「雨の日に走ったことはないか」という質問はすべきではないと思いますが、いかがでしょうか。

トラブルとなると売った側も買った側も大変に嫌な思いをします。トラブルのない売買が出来ますよう、よろしくお願いします。