屋外保管
〔スーパーセブンとサイドカー〕


 スーパーセブンを所有するにはガレージが必要だとよく言われますが、確かにガレージがあった方が何かと都合がよい事は事実です。それはセキュリティーの問題とメンテナンスの問題そしてセブンやサイドカーのようにデリケートなクルマを外気にさらして大丈夫か、と言う問題でしょう。

 しかし私のスーパーセブン購入以前のサイドカーの屋外保管の経験、及び他にサイドカーやセブンを屋外保管している人の例を見ると意外と大丈夫なんだなと言う事が分かります。
ガレージはあるに越した事はありませんが是が非でも必要と言う物でもないと思います。

 

猫害対策品

 

盗難といたずら

 先ずセキュリティーの件ですが、セブン以外にもポルシェやジャガーなどセブンより高価なクルマが車体カバーもかけずに屋外駐車している例がいっぱいあります。よほど人家から離れた光の乏しい駐車場でなければ大丈夫のようです。
実際に自動車泥の気持ちになってみればややこしそうなセブンやサイドカーよりすぐカネになりそうなベンツやポルシェのほうがずっと狙い目でしょう。 

 特に最近はBMWやドカチなどのような高価な2輪が高度な技術と機動力を持つ組織犯に狙われており、生半可な防犯対策をしていても数人で来てまるごとバンに積み込んで持って行くそうでオートバイ界では深刻な問題となっています。
セブンやサイドカーをまさかロードローダで持ち去る人はいないでしょうしベンツのように運転して持って行くと言うことも考えられません。
(そもそも深夜にセブンのエンジンをかけたら回り中の人から苦情がその場でくるでしょう)

 従がってセブンやサイドカーの場合は盗まれると言うよりもいたずらが心配なわけですが、駐車場を人気(ひとけ)のある、照明のあるいたずらされにくい所を選ぶべきでしょう。私の現在の駐車場は人気と照明のほかに番犬が付いており夜中に私が近づいてもキャンキャンと吠えますからかなり安心です。
これまで18年でサイドカーやセブンをいたずらされたと言うのは車体カバーに猫におしっこをかけられたのと以前の所で駐車場にごみを置いて行く人がいたくらいです。

 1990年頃でしたか環七内回り高円寺の舗道に車体カバーを掛けた得体の知れない物体が置いてありましたが、良く見るとサイドカーでした。あの頃はバブルで駐車場も3万円くらいでしたが、舗道にサイドカーを置くとは、何と大胆な。
確かにあの辺は深夜まで人通りがありますから安全かつ無料(!)という事になるのでしょうか。

メンテナンス

 ガレージがないとメンテナンスがしにくいと言う事は紛れもない事実です。普通の人は仕事が終わって夕食が済んでからの数時間が1日の内で一番自由になる時間でしょう。
ガレージがあればこの時間を利用して照明の元いろいろといじる事が出来ます。
また休日の雨の日にもガレージに入り浸りという事もあるでしょう。

 ガレージがない場合は休日の昼間で晴天の日しかいじる事は出来ません。
しかも何かを外したら外しっぱなしには出来ませんからその日のうちに元通りにするか、または外した物を室内に持って来なければなりません。こうした事から以前にフジ創販(03‐3931‐3751)のジャバラガレージを駐車場に設置しようとした事がありますが駐車場のオーナーに断られたこともあります。

 現在は小型の物置を設置し工具やウマ、フロアジャッキ、オイルなどを収納しています。この物置はことのほか重宝しています。なお駐車場でのメンテを考えた場合は勿論、セブンを早朝手押しで出す場合には舗装してある事が必須でしょう。

車体カバー

 屋外保管の場合車体カバーが必要になります。車体カバーにとって必要な要件とは先ず雨や埃から車体を守る事ですから防水性の高い物が必要です。さらに重要な事として、どれだけ防水性が高くとも一旦雨が降れば必ず少々の雨漏りがあり、あるいは内部に水蒸気が溜まりますから、雨があがった後速やかに乾くことが重要です。

 私の経験から言えば水が完全に漏れない事よりもむしろ後で早く乾く事の方が重要です。

スーパーセブンの車体カバー

 セブンの車体カバーにはアルカディア(045‐241‐8700)のラッパーズSを使用しています。これは材質がゴアテックスで防水性は4s/cm2と高く、水の分子は通さないが水蒸気は通すという、従がって雨があがった後にすぐに内部が乾くという優れものです。これは縫い目も防水加工してありますから漏れはかなり少ないです。

 よく車体カバーを2枚掛けているという人の話を聞きますが、確かに防水の点からはそれで良いでしょうが、水蒸気をなかに閉じ込めてしまうでしょう。 車体カバーはフロントスクリーンを取りつけ幌を上げた時の形の物ですがレーシングスクリーンで使用しても全く問題はありません。

なおフロントスクリーンを取り付けた状態でカバーを掛ける時には、いちいち幌を上げるのは大変ですから、ロールバーとスクリーンの間に板を渡してカバーを掛けています。
また風に対しても滅法強く今まで風で車体カバーがどうにかなったという事は1度もありません。以上のように優れもののゴアテックスですが少々値段が張るのが玉に傷です。
(13万円でした。2009年現在は割引で約109,000円です) 

ところで車体カバーにセブンのマークを誇らしげに描いてある物がありますが、こうした物は絶対に安全な自宅の敷地内に駐車するのでない以上避けた方が賢明と思います。

 私がセブン及び車体カバーを購入したのは1996年春ですが、2000年の梅雨で、雨の後カバーの中に水が溜まるようになりました。ゴアテックスのカバーは3重構造になっており、真中にゴアテックス層がありますが、表面層とゴアテックス層の間に水が溜まるようになりました。

水の溜まる部分にきりで穴を開けて対応したりしましたが、それでも中に溜まった水が腐って臭いがするようになり、2001年春に普通の防水の物(3,6000円)に買い替えましたが、これは撥水剤による防水だったため防水性に問題があり、2003年春にまたラッパーズSを購入しました。普通の防水のものの時にはメーターのガラスが曇ってしまいましたが、ラッパーズSに戻したら直りました。クルマにとって水蒸気は大敵ですから屋外保管のセブンにとってラッパーズSは必需品だと思います。

サイドカーの車体カバー

 サイドカーの車体カバーはゴアテックスではなく普通の防水の物でサイドカー専用のものです。サイドカーやオートバイは車体カバーの雨が直接掛からない部分に空気抜きの穴をあけておけばかなり風通しが良くなり乾きやすくなります。通常雨の当たらないミラーの下の部分に穴をあけます。

 サイドカーのFPRの塗装は水分に弱く水蒸気がこもった状態で長時間放置されると塗装がはげるなどする事があります。雨が降っている間の短時間だけなら問題ありませんが、ある部分に水分がこもってしまって何日もそのままというのが良くありません。これはFRPへの塗装が少々難しいという事があるからですが、モノによって耐久性が大分違うようです。

 雨が降った後でトノカバーとボディーの取り付け部との間などに水分がこもるような時には対策が必要です。トノカバーの形状はスクリーンの上部を覆うタイプの物の方が水が溜まり難くて良いでしょう。

 車体カバーは風で飛ばされないように紐で車体に固定しますが、側車のノーズがどうしてもカバーでこすれますからそのままでは塗装がはげてしまいます。そこでこすれる部分に幅広の(電工用の)ビニールテープを貼って車体を養生します。このビニールテープの粘着力のために塗装がはがれる事がありますから、テープを毛糸のセーターに何度も貼ったりはがしたりして粘着力を少なくしておきます。
 ただしこれは裏ボア付きのカバーの場合には必要ありません。

猫害

 何年か前にオートバイへの猫害の事で別冊MC誌上で愛車派と動物愛護派との間でホットな論争が展開された事があります。私もカバーを掛けっぱなしにしていたホンダDAXに悪さをされた事があります。

猫よけとしてこれまでジョンソンの「犬猫立ち入り禁止」やクレゾール液などいろいろなものを試して見ました。クレゾール液が一番効果があって安いですが臭いがします。

現在は近所のマツモトキヨシで購入したシマダ商事のものを使ってます。
これは持続時間が2ヶ月と長く猫専用なので都合がいいです。600円くらいで2袋入っています。

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