歳時記時の移ろい

       正月  睦月

東寺詣で      仏はとわにまします ほほえみて
                       春をことほぐ 古き都に


慌しい年末年始もようやく落ち着いた正月三日、京都九条真言宗の古刹 東寺 へお参りしました。
新幹線の車窓からも見える大きな五重塔に導かれ、門をくぐり、寺域に歩を進めるとそこは既に現世と隔絶された 平安密教の極楽浄土の世界。
華やかな池泉を配した花園に高い堂塔が並び立ち、さながら天女が舞うが如く青空に幡がはためき、心の安らぎと美への憧憬を満たしてくれます。
あざやかな朱の大きな日傘の下、庭園の茶店で 抹茶と菓子、甘酒をいただき、折から公開されていた五重の塔を拝観しました。
大きな金堂、講堂の内にも御仏達が慈悲深く並び、いにしえの栄華が偲ばれます。
夕食は七草粥のかわりに京野菜の会席料理をいただき、無病息災を祈り、束の間の正月を楽しみました。
人にとって現世の極楽とは 身近な自分の家庭であることを認識した旅でした。
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