父親 |
「今日はお前と話し合いたいことがある」……
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息子 |
「ぼくはないけど」 |
父親 |
「また成績が下がったそうじゃないか」 |
息子 |
「ああ、そのことね」 |
父親 |
「そのことね、じゃないだろう。どうしてこういうことになるんだ?」…… |
息子 |
「どうしてって、どういこと?」 |
父親
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「だから、テスト前にあれほど勉強しろと言ったのに、どうしてこういう成績になるのかって聞いてるんだ。勉強が大事だなんてことは、小学生でも知っていることだろ? なんでそんなに遊んでばかりいられるのか、そこを父さんは聞いているんだ」 |
息子 |
「そんなこと、ぼく、知らないよ。知っているなら教えて」…… |
父親
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「知っているなら教えて? え? お前はそういう言いかたしかできんのか?、前から思っていたが、お父さんはお前のそういうところが気に入らん。そういうところが好きになれん」 |
息子
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「好きになれない? 好きになれないってどういうこと? そもそも、こういうこと好き嫌いで話せることなの? ぼくの大事なこと好き嫌いで言われちゃかなわないよ」 |
父親 |
「お父さんは好き嫌いで言っているんじゃない」…… |
息子
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「今、そういうところが好きじゃないって言ったじゃない。もう忘れたの? お父さんの話はいつもそうじゃないか。言ったことを次々に忘れちゃうんじゃ話にならないよ。そういう一貫性のなさが子どもを非行に走らせるってテレビで言ってたよ」…… |
父親
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「・・・・・・分かった、それは謝る。しかしそのことはまた後で話すとして、勉強しないことについてはどう思ってるんだ?
」…… |
息子
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「どう思うってそんなこと急に言われても困っちゃうな。勉強しなくていいなんて誰も言っていないのに」 |
父親
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「勉強しなくちゃいけないってことは分かってるんだな。それが分かっているなら、なぜできないんだ」 |
息子
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「あ、なんだァ、つまりそのことを話し合いたいわけね。ウン、それならぼくにも分かるよ・・・・・ホント、分かっているのになぜできないんだろう? お父さん教えて? タバコは身体に悪いって分かっているのに、なぜ止められないの?」 |
父親 |
「今はそんな話をしてるんじゃないだろ」 |
息子 |
「アッ、逃げた」 |
父親 |
「逃げたわけじゃない!」 |
息子 |
「だってタバコの話はどうなったの」 |
父親 |
「今はお前の話をしてるんだろ!」 |
息子 |
「分かっているのにできないのはなぜかっていう話をしてるんだと思うけど」 |
父親 |
「じゃあ、どこからタバコの話が出てくるんだ」 |
息子
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「だから、ぼくの勉強の話と、お父さんのタバコの問題を一緒に考えようって言ってるんでしょ!
『共に考え合おう』って、いつもお父さんの言ってるだろ?」 |
父親 |
「お前とは話にならん!!どうでもいいから、明日から毎日3時間ずつ勉強しろ!」…… |
息子 |
「ナニわけのわからんこと言ってるの? 話をしようと言ったのはお父さんだよ」 |
父親 |
「ふざけるのもいいかげんにしろ!困るのは結局お前なんだぞ!」…… |
息子 |
「困るのがぼくだけなら何の問題もないじゃないか」 |
父親 |
「何だその言いぐさは!」 |
息子 |
「イテッ! あ〜、殴ったなァ!! 暴力親父!!」…… |
母親 |
「お父さん、そこまでしなくてもいいじゃないですか・・・・・・!!」…… |