ぼくのパパは陸上自衛隊でいろいろやってた人で、迫撃砲の話とかさせるとノリノリでした。自衛隊での迫撃砲話はもちろん、ソ連軍のもノリノリでした。「ソ連軍の120ミリ迫撃砲は底板が丸いからぐるっと回せていいアイデアだよな」とか、「ソ連軍の迫撃砲とかはドイツ軍のより口径が1ミリずつ大きいんだよ。弾をぶんどられても敵は使えないけど、ソ連軍はぶんどった敵の弾使えるからな」とか言ってたことがたまに頭に湧いてくるのです。
イタレリがズベズダ金型の野砲やら戦車やらのキットを連発したのは、ソ連崩壊直後だった記憶。12榴とか、今回紹介するこの迫撃砲とか、ぼくは喜んで買ってたのでした。
この迫撃砲はたぶん1938年型で、これを大量に鹵獲したドイツ軍が「12cm グラナートヴェルファー42(378r)とか名付けてついにはコピー生産までしちゃった傑作です。
ドイツ陸軍や日本陸軍は、予算確保の必要からか、それともカタログ厨的な頭の硬さからか、迫撃砲やロケット弾のような軽便かつ簡易な兵器を軽んじる傾向があって、自前で迫撃砲を調達するにしても、無駄な機構の多い、重たくて高コストの迫撃砲を作っていたわけですが、東部戦線やシナ大陸の戦場で、安くて単純な迫撃砲の数の論理に悩まされるに至って、ようやく恥を忍んでデッドコピー品を整備して、それが自前の、プライドのある重厚かつ立派なカタログデータの砲兵兵器より活躍してしまうという、なんだかせつない歴史を紡ぐのでした。百発百中の一門なんか、百発一中の百門に圧倒されちゃうわけですよ。
迫撃砲のキットというと、1/35程度では小火器と同じくフィギュアのおまけ的な扱いになってしまうのですが、それがイヤで、可動部分を作り込んでみました。
脚とか可動にした。
このキットにはトレーラーもついてます。初期型かな?ドラゴンの120ミリ迫撃砲にはついてないっぽいので、ズベズダ偉い!
ツルハシとシャベル、洗棹と属品箱がつくらしい。
このトレーラーがまたアイデアグッズで、迫撃砲の後ろからこう入れ込んで・・・
底板のフックにフレームを引っ掛けて持ち上げて後ろに倒して・・・
脚を固縛して砲身をクリップしたら牽引状態に!父ちゃんはこれは教えてくれなかったというか知らなかったろうけど、すごくいいアイデアです!ロシア人は頭いいよやっぱ。
ぱっとみ迫撃砲に見えないw
トレーラーも時期によってバリエーションがあるようです。キットのは古いやつかも。その分時代的なつぶしがきいていいよね。
砲身をクリップする機構を可動にした。戦車とかのトラベリングロック的な。実物がチェーンとかじゃなかったのはありがたかったです。
迫撃砲というと固定撃針で、砲口から弾を落とし込むと即発射というイメージがありますが、この砲は我が帝国陸軍の擲弾筒のような発射機構を備えていて、撃針固定モードの他に、弾を落としておいて、任意のタイミングで拉縄を引っ張って発射という芸当もおこなえました。
砲尾の玉状の部分に瞬間接着剤を盛って太らせ、底板のはまり込む部分は内側をリュータでえぐってハメコミ可動にしたよ。いわゆるボールジョイント。
迫撃砲ったら、上下左右をスクリュージャッキで調整するわけですが、この大砲のは実物はかなりぞんざいな大味なピッチのスクリューになってます。なんで、ステンレス棒に焼きなましの洋白線巻いてはんだ付けで再現。写真だと何故か真っ黒ですが、じっさいは半田の銀色です。
スライドさせて左右も仰角も動かして遊べるですよ。
脚はまるごと作り直し。鎖で開脚の幅を一定に決めてるという・・・つ~かすごく可動にするの苦労しました。
トレーラーのアクセサリー。
トレーラーの砲身固定部。実物は、レバーの曲がったとこを伸ばすとロックが緩むとかみたい。作例では伸びましぇん。負けです。
トレーラーのタイヤは回転させます。止めるナットはキットのを削り落としてから真鍮釘の頭を六角形に削ったやつを差し込みました。
木製の弾薬箱が2つついてきます。でも砲弾が二発しかついてこないし、この箱小さくてうまく入らない・・・
しょうがないからフタを可動にしてみた。
迫撃砲兄弟たち。1992年としては素晴らしく良くできてます。
肘と膝につぎあてのあたった服とか芸コマです。ブーツは、実物ではレギンス的な部分がつや消しで靴的な部分が艶有りという構成のようです。ブーツも細かくモールドされてて素敵。
ツヤをもっと消すのだったよ・・・写真だと余計テカテカに見える・・・
一番しびれたのが、この、電話する分隊長。
電話するからってじゃまになるヘルメットをずらしてかぶってるとことかかっこよすぎです。あご紐はヘルメットの上によけてるし芸コマ! 今流行りの3-Dスキャナによるフィギュアよりいきいきしてると思う。
あと、図嚢を広げてるキットはこれだけかもしれない。この図嚢は実物は二つ折りの内側がセルロイドの窓になってて、その中に地図が入るというちょっとアヴァンギャルドな一品です。
野戦電話機も表情も素晴らしい!受話器の線を追加しました。
野戦電話機も調べると結構種類があるみたいです。箱も木製やらベークライトやらいろいろ。色もいろいろ。ここでは木製のシャーシのにしてみました。ついでにアース線とかやってみたかったけどめんどくさくなったのでやめ。
付属の小銃は1938年型のモシンナガンカービン。ボルトハンドルが別部品で感動です。グラスノスチパワーを感じます。鉛線で負い革つけてみました。この銃の負い革は、木製ストックに開けられてる細長い穴に通すというもので、金具とかはないみたい。革と言いながら綿のベルトです。銃への取付部のみ革の小さいベルトが縫い付けられてます。戦時中のソ連とかドイツの繊維の調達ってとうなってたんだろう・・・大規模な農業があったのかな?ソ連はレンドリースかな?
PPSh41はどっかの武器セットからのスカウト品。絵になる銃なので撮影用に置いてみた。小火器は今回塗料が乾く時間とかに各国のをいっぱい作りました。これがモデルガンだったらいいのにって思いながら。