傑作機、Fw190の尾輪です。

機首は左の方。

ピンクで示した「H」の字型のスイングアームと濃いオレンジ部分のレールが両側からはさむ形で脚柱を支える構造で、脚柱上部のレールにかかる部分は大きなローラーがつき、小さなスイングアームがこれも先端に小ローラーをつけてブラブラの状態で先の大ローラーと同軸で関節結合されています。小ローラーには引っ張りバネ(図中黄色で表示)で常に下向きの力が加わっています。ので、脚上部の二つのローラーがレール下部の靴下の先みたいなかたちの部分に嵌まり、脚柱を下から持ち上げようとしても無理な状態にロックしています。(だからバネで尾輪を支えているわけではありません)機関銃の閉鎖機構のローラーロッキングをちょっとだけ連想させますね。

小ローラーのついたスイングアーム先端にはワイヤー(図中赤で表示)がつながり、いくつかの滑車を経て右主脚のアクチュエータの上部中ほどにつながっています。

右主脚が畳まれるとアクチュエータはこのワイヤーを機首方向に引っ張り、尾翼桁部分の滑車をへてワイヤーが尾脚柱上部の小ローラーをバネに逆らって上に持ち上げます。(つまり、尾輪の作動動力は右主脚と共通なのです。)

小ローラーが引っぱり上げられて靴下のカカトから出るとロックが外れることになり、脚柱が機内に収容されるのです。

この飛行機は主輪カバーや尾輪、アンテナの空中線と、ワイヤーを使ったおもしろいアイデアが意外に多いですね。

主脚
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