飛行機の脚は、飛行中はたいがい引っ込んでいます。単純に折れ曲がってるだけみたいに見えるあの脚も、実はかなり工夫して畳んでいるんです。しかもできるだけ簡単な仕組みで、空間的にはできるだけ複雑に。(たまにおばかさんな例外もありますけど...)かさばらないように。
飛行機の模型を手に持って遊ぶときは、脚は引っ込んでたほうが感じがでるし、机に置いたときは着陸姿勢にできればいいですよね。んなわけで、ぼくは作るキットの足はできるだけ可動にしたいので、いろんな飛行機の脚の畳み方を研究しました。タイプ分けできました。一部完成したものもあります。工作ガイドを作ってみました。良かったらのぞいていって、あなたも脚の折畳みに挑戦してみてください。けっこう簡単ですよ。リューターと真ちゅうパイプがあれば。しかも、まちがって墜落させたときとか、可動だと動いて逃げるので固定しちゃうよりも壊れにくいです。プロペラとかも可動の方がいいですよ。フォッケは二度、零戦は三度以上腰以上の高さから墜落してますが、フォッケは無傷、ゼロはマスバランスがとれたことがあるだけでした。しまっておくときも足を畳んでおくと、自重で折れたりすることがなくていいし。
機種で探す・・・引きこみ方を見たい飛行機の名前をクリック。
フレームが開きます。
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脚柱が引き込む方式で探す・・・脚柱がそのまま内側に、あるいは後ろに、アクチュエータの方式の違いとかも。
※ アクチュエータ:ここでは脚を引き込むために作動する”ウデ”を指しています。通常この”ウデ”はシリンダー式の油圧ジャッキや、減速されたモーター、手動のクランクなどで駆動され、足が出たときの”カンヌキ”も兼ねますが、一部の機体では油圧ジャッキそのものの場合もあります。これらをひっくるめて”アクチュエータ”とよぶのは、厳密にはちがうと思うけど、この言い方が便利なので。
ちなみに、ハードディスクのプラッターの上で磁気ヘッドを動かすサオのこともアクチュエータといいます。って、知ったかぶりしてみたかっただけ...
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てっぺんにストラット |
回転軸より上部に設定された油圧ジャッキが脚柱上部を引っ張ると同時にふたつ折りストラットを折り曲げて脚柱を引きこみます。 |
ドラケンの主脚 |
後ろから押す(1) |
油圧ジャッキが脚柱の支点より上を後ろから押すことで後方に畳みます。 |
メリーランド |
湾曲したスイングアーム |
油圧ジャッキが縮んでスイングアームを回転させ脚を引っぱり上げます。
湾曲したスイングアームは支点がずれるので簡易なロックとなります。
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ドラケンの尾輪 |
後ろから引っ張る |
油圧ジャッキが脚柱の支点より上を後ろから引っ張ることで後方に畳みます。 |
P-51B/D型の尾輪 |
後ろから押す(2) |
油圧ジャッキが脚柱の支点より下を後ろから押すことで前方に畳みます。 |
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ふつうのアクチュエータ(前へ) |
脚柱前方のふたつ折れのアクチュエータが脚を前方へ引っぱり上げます。 |
ドラケンの前脚 |
後ろからひっぱる(1) |
油圧ジャッキが脚柱の支点より上を後ろからひっぱることで後方に畳みます。 |
P-51D型までの尾輪
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後ろからひっぱる(2) |
油圧ジャッキが脚柱の支点より下を後ろからひっぱることで後方に畳みます。 |
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ニセ三角形タイプ |
一見三角形タイプ1に見えますが、実は三角形の上の辺がまんま油圧ジャッキです。 |
流星、He100、ヤコブレフ戦闘機、 |
三角形タイプ1 |
翼側のアクチュエータが三角形のフレームです。三角形の上の頂点が油圧シリンダの作用で回転します。 |
タイフーン、テンペスト、シーフュアリ、Yak-9 |
ダブルウイッシュボーン?タイプ |
脚柱に関節結合されたほぼ平行な二つのスイングアームが、脚柱をほぼ垂直に引き上げます。 |
ウエルキンの尾輪 |
109、スピットファイアタイプ |
外側に引っ込みます。これもアクチュエータは表に出ないので模型的にはけっこう簡単。 |
Bf109、スピットファイア |
三角形タイプ(後ろへ) |
期待側のアクチュエータが三角形のフレームです。三角形の上の頂点が油圧シリンダの作用で回転します。 |
B-25の前脚 |
三角形タイプ2 |
三角形タイプ1と同じアクチュエータで引っ込みますが、主脚柱の回転軸が変な設計になってます。すげえ大変。 |
ハリケーン |
Fw190タイプ |
なぜかこの方式はFw190A~Dのみ。けっこう楽。
・・・紫電とか彗星もそうだった・・・ |
Fw190 、彗星、バックアイの主脚、紫電 |
カモメのつばさ |
カモメがつばさをたたむように脚が引きこみます。ミグ21の親戚っぽい。 |
Mig-23の主脚 |
まんま油圧ジャッキタイプ |
そのままぱたんと引っ込みます。アクチュエータがまんま油圧ジャッキです。けっこう楽。でも、LaGG系の機体はトルクリンクの関係で、いったん脚柱を伸ばしてからじゃないと引き込みません。と思ったけど、伸ばさんでも入るわ・・・ |
He112、MC200、MC202、フィアットG50、G55、Me262、Ta152、LAGG3~5、Mig15~17、ウーラガン、ミステール、ミラージュ、エタンダールなど。 |
テントタイプ |
主脚柱に、2本の作用アームが付き、三角錐のような形を作ります。内側の一本の主翼への取り付け部がスライドして引き込みます。工作はすげえ大変。 |
I-16、He70、ナルディF.N.305 |
C-46タイプ |
「くの字タイプ2」の変形のようです。主脚柱の前後に取り付け軸をずらしてアクチュエータがあり、前後とも単純なスイングアームのようです。(推測)主脚上部はダウンロックの際だけ機体側に捕まえられます。 |
C-46 |
基部が「T」の字 |
「T」の字の部品が横棒を機体の進行方向と平行に縦棒を外翼側につきだして関節結合されているその縦棒を軸に主脚柱が関節結合され、主脚柱後部の緩衝部すぐ上に伸び縮みしないアームが関節結合されています。アームの先は機体と関節結合され、主脚柱についた油圧ジャッキが主脚を前に引っ張ると、このアームが主脚柱を後に引っ張り、主脚柱は「T」の字基部に対して2次元方向にしか回転できないので「T」の字基部が下によじれ、結果、主脚柱はタイヤ側を下に90度ねじれたかたちで収容されます。 A-6といい、90度ひねりにパテントがあったのかな?
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RA-5Cの主脚 |
反転くの字タイプ |
見
た目はベアキャットににていますが、どちらかというとC46に近い方法でしょう。主脚柱の下半分は脚を降ろしたときにその上端が翼内のロック機構に捉まり、脚の上半分は機体側を向いて倒れた状態になっているようです。外翼の、主脚上部が収納される部分の扉は閉まっています。脚が畳まれる際は、主脚柱上部収納扉が開いてから、主脚上部が主脚柱下部の上の部分をほぼ180度外翼側にひっくり返りながら外翼側に引っ張り、主脚柱下部のしたの部分は逆に内翼側のスイングアームに引っ張られて胴体の方へ倒れるものでしょう。冗長なシステムです。反省したのか、P-47ではもっとすっきりしました。 |
P-43 |
くの字タイプ1 |
主脚柱が「く」の字に折れます。アクチュエータがタイヤの軸に付いているので、タイヤは主脚柱の描く円ではなく、アクチュエータの描く円弧に沿って引き込まれます。いいかえれば、主脚に見えるほうがアクチュエータだったりする。 |
DC-3、97重爆、100式重爆、アブロ・アンスン C-123 |
前方に回ってんのに後ろに引っ込む |
回転軸はカルダンで、歯車を使って変なたたみ方をします |
PS-1の主脚 |
紫電タイプ(縮みます1) |
主脚柱がいったん縮んでから、くの字に曲がるアクチュエータによって引き込まれます。あんまりおりこうさんじゃないシステム。 |
紫電 |
C714タイプ(縮みます3) |
油圧ジャッキのアクチュエータによって脚は畳まれます。脚は畳まれる際に油圧で縮みます。 |
コードロン・ルノー714 |
根本だけねじれます |
主
脚柱とほとんど平行な油圧ジャッキが伸びることで主脚をたたみますが、主脚下部の回転部に関節結合された二つ折れストラットはその機体側取り付け部が主脚
軸より機体側にずれているので、そのままではたたまらないはずのところを機体側の取り付け部がカルダン構造なので、主脚がたたまれるとともにストラットが
機体側に逃げて、主脚下部=タイヤ部が90度ひねられます。強引ぽいけどかっこいい。 |
グラマンF-14の主脚、A-6の主脚、F-16の前脚 |
つぶれるヤグラ |
「く」の字タイプですが、二つ折りになる脚柱の関節とスイングアームがこれまた二つ折りになるストラットでむすばれています。 |
C-119の主脚 |
くの字タイプ2 |
主
脚柱が「く」の字に折れるところは「くの字タイプ1」といっしょですが、アクチュエータは主脚柱の下半分中央についているので、タイヤは主脚柱下半分がア
クチュエータに引っ張られながら描く縦長の弧に沿って引き込まれます。ちょっとマジックハンドの動きに似てるかも。主脚上部はダウンロックの際だけ機体側
に捕まえられます。 |
ノラトラ、C-119?、マローダー、B-58の前脚、ベアキャット、サフィールの前脚など |
P-47タイプ(縮みます2) |
主脚柱が畳まれてゆくにつれ、フォークの部分が回転軸をずらしたアームによって引っ張られて縮みながら収まります。
F-84の前脚のアクチュエータは、普通タイプ。
ドーントレスはケーブルで引っ張って縮みます。
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P-47、キー60?、F84の前脚〔後へ)、ドーントレス、デモンの前脚 |
固定されたジャッキ、遊動するリンク |
固定されたアクチュエータが遊動するリンク(バネで規制)を引っ張り斜面をすべらせることで回転させ脚柱を押して折りたたみます。ほんとかな? |
B-47のアウトリガー |
普通のアクチュエータタイプ(外側) |
くの字に曲がるアクチュエータが脚柱を外側へ引っ込めます。 |
B-24の主脚、バンパイア、E.E.ライトニング |
普通のアクチュエータタイプ
(アヴェンジャー) |
くの字に曲がるアクチュエータが脚柱を外側へ引っ込めます。主脚柱は回転軸をずらしたアームによって、やや後ろに引っ張られながら畳まれます。 |
アヴェンジャー、RE2005 |
まんま油圧ジャッキ(後へ) |
油圧ジャッキでそのまま後に引き込みます。3輪車式の飛行機の前脚に多い。 |
Me262の前脚、ダッソーのジェット戦闘機の前脚、カットラスの前脚 |
普通のアクチュエータタイプ (前へ) |
くの字に曲がるアクチュエータが脚柱を前に引っ込めます |
B-17の主脚 B-29の主脚 B-47の主脚 |
後ろへ畳む (ネジ式アクチュエータ2)
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アクチュエータがネジ式のジャッキになっていて、脚を引き込みます。 |
Re2000シリーズの主脚、P-35?、Do17、Do217 |
のびて、まがって・・・ |
くの字に折れるストラットだけど、なんと片側が油圧ジャッキでのびます。
でも、それだけじゃあ脚が引っ込まないので、小細工してます。
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ディファイアント |
でっかい歯車式 |
脚柱根本にでっかい扇がたの歯車が固定されていて、それをピニオンの回転で引き上げます。笑える。 |
Ba65K14 |
くの字、曲がって、 一回転 (ただし、バカではない?) |
二つに折れ曲がる脚柱ですが、その運動は二つ折りのストラットによるもので、おまけに車輪群のついたボギーは槓桿により一回転します。ギアでないから、おばかではない? |
コンベアB58の主脚 |
零戦と隼タイプ(のびます) |
そのままぱたんと引っ込みます。が、自重から開放された主脚柱がのびます。っていうか、トルクリンクが邪魔でそうしないとひっこまないっす。紫電改だけ普通のタイプの折り畳み式アクチュエータが見えます。他の機体では外からは見えません。 |
マスタング、疾風、P-39の主脚、P63、紫電改、九七艦攻 |
後ろへ畳む
(九六陸攻式:元「ネジ式アクチュエータ1」)
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アクチュエータは一本棒ですが、機体への付け根がネジによって後ろへスライドし、脚を引きます。
これ↑はどうも間違いのようです。
このジャンルはないかもしれません。(あった)
九六陸攻は、主脚付け根のギアを、ウォームギアで巻き上げる方式です。
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九六陸攻、マーチンB10 マーチン・バルチモア |
バレリーナのように |
ボギー式のタイヤ部分をバレリーナのようにつま先立ててから90度ひねって引き込みます。アクチュエータは油圧ジャッキ、二つ折れのストラットの複合。 |
XB-70の主脚 |
リンクでひねる |
主脚についたベルクランクが脚柱をねじります |
F-15、E-2デモン |
後ろへ畳む (ネジ式アクチュエータ3)
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九六陸攻と逆に、アクチュエータはDC-3のようにただスイングするだけ。主脚柱付け根がネジによって後ろにスライドして、脚が引き込まれるものと思われます。脚の引き込みは手動クランクだし。とおもったら、ぜんぜんまちがいでした・・・すいません・・・ |
アブロ・アンスン |
後ろへ回転しながら畳む1 (ベベルギア式)
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二つ折り式のアクチュエータによって脚柱が後ろに畳まれるにつれ、脚柱根本に仕込んであるベベルギアによってタイヤが九十度近く後方にねじれて畳まれます。 |
P-36、P-40、ヘルキャット、キー87、マーチンB26の前脚、Re2000シリーズの主脚 |
後ろへ回転しながら畳む3 (天才的なシンプル式)
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二
つ折り式のアクチュエータによって脚柱が後ろに畳まれるにつれ、タイヤが自然に九十度近く後方にねじれて畳まれます。 なんと、脚柱の回転軸の角度設定だ
けでこの動きを実現しています!天才的!F-4Uの主脚は、離陸するといったんのびますが、足を畳むときにP-47のような機構により脚が縮みます。 |
イ-153、F-4U、スカイレイダー、ラファル/Su-27の主脚(前方へ畳みます。)、Mig-29、Me210/410 |
ミーティア式(縮みます3) |
脚柱は中空で、中に緩衝シリンダと、それを機体に接続するリンクが脚柱のそれとはちがう回転軸で回転して結果脚が縮みます。
アクチュエータは油圧ジャッキ。それとは独立した二つ折れストラットをもっています。
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グロスター・ミーティア バッカニア ナット |
垂直に移動 |
長いねじ式のスクリュージャッキによって垂直に引き込まれます。あっけない感じ。 |
C-130の主脚、 |
引っかけて回す |
タイヤはフォークとともに自由に回転します。
脚引きこみの最終段階で、フォークから突き出したフックを、脚収容庫内のフックに引っかけてフォークを90度回します。
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He219の前脚 |
後ろへ回転しながら畳む2 (槓杆式)
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二つ折り式のアクチュエータによって脚柱が後ろに畳まれるにつれ、脚柱根本に仕込んである槓杆によってタイヤが九十度近く後方にねじれて畳まれます。 |
Ju-88、Ju-188、F86の前脚、Ta154の前脚、スカイレイの主脚、ダグラスA/B-26の前脚、Il-28の主脚(前へ) |
直接前に引っぱり上げる |
油圧ジャッキのアクチュエーターが直接脚を前に引っぱり上げます。 |
スカイレイダーの尾輪、ミグ15/17の前脚 |
一式陸攻式 |
モーター駆動によりアクチュエータが回転することで脚柱を引き上げます。珍しい方式。 |
一式陸攻 |
ストラットからのびた小さなリンクで 90度ひねる |
二つ折りストラットの脚柱側が関節部より先に延長されていて、そこにつながったアームがストラットがたたまれて脚柱と角度を付けることにより脚柱回転部を引っ張って90度近ひねります。
↑というのはまちがいで、主脚の脇に、機首寄りに回転軸をずらせて設定されたロッドがあり、主脚がたたまれるとアームがロッドに押されて脚柱回転部を引っ張って90度近ひねります。
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F-15の主脚 |
縮みながら引っぱり上げる |
中空の脚柱内にフォーク部分を引っぱり上げる、脚柱の回転軸とはちがう軸で回転するアームが通っています。引っぱり上げるのは油圧ジャッキ。 |
ハリアーの前脚、 |
スターリング式 |
主脚中間部に脚庫扉がつくという変わったシステムです。DC-3のシステムに、もう一ひねり余計なことをしているシステムです。 |
スターリング |
回転ミジンコ式 |
ストラットはP-38のように最初から二つ折り。カギはストラット基部にある回転するミジンコ型のパーツです。
っていうか短い文章で解説できませんでした・・・
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ツポレフ95/142の主脚 |
F-104式 |
アクチュエータは折り畳み式です。主脚が前方に引き込まれるにつれ、主脚と回転軸をずらせてセットされた槓杆が押され、さらに途中のL字型のてこで、引っ張る動きに反転され、タイヤを上向きに曲げます。タイヤは胴体に沿って収容されます。難しそう。 |
F-104、 |
バトル式 |
主
脚柱に可動するように接続されたアームは、主脚柱付根付近に取り付けられた、長いダブルの油圧ジャッキのシリンダー側の口のところに接続されています。主
脚柱と油圧ジャッキとアームで「A」の字を構成していると思ってください。長い二辺がそれぞれ脚柱と油圧ジャッキです。油圧ジャッキが縮むと、アームが主
脚柱を引き上げる形で、脚が引き込みます。へんなの。 |
バトル |
コーモリガサ式 |
コーモリ傘の骨を対角線上の2本のみ残して、傘の柄を油圧ジャッキに見立てた構造です。1/72では超細かい細工が必要になります。挫折中。 |
MS406 月光の尾輪 |
ファイアフライ式 |
普通の二つ折りアクチュエータで畳まれますが、主脚柱うしろのストラットも槓扞により二つ折りになって主脚柱を後に引っ張り、結果、主脚柱は斜め後に引っ込みます。
いや、なんというか・・・
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フェアリ・ファイアフライ |
MiG21式 |
アクチュエータは単純な油圧ジャッキです。主脚が引き込まれるにつれ、主脚と回転軸をずらせてセットされた槓杆がタイヤを地面と垂直のままの角度に保ちます。タイヤは胴体に垂直に収容されます。もとのアイデアはハインケルらしい。 |
MiG21、Me P1101の計画、He280 |
ギャラクシーの主脚 |
資
料がなくてアクチュエータのしくみは不明ですが、四本ある脚柱はふつうに内側に畳まれます。脚柱にはそれぞれ前に一組、後に2組のタイヤをもつボギーがつ
いていて、脚折畳み時にはこれらボギー部がつま先を内側に90度回転し、脚柱が内側に畳まれても機体と平行の状態を保つので、床下に収まります。 |
C-5の主脚 |
He177式 |
アクチュエータは普通の二つ折れ式ですが、それを作動させるための油圧ジャッキが主脚柱についているのが変態的。主脚は畳まれる際に、縮めてから主翼内におさめられますが、これはサスペンションの空気シリンダのエア位置を逆転させて行うようです。故障は多かったでしょう。
実は主脚柱内の緩衝部の上に、ミーティアとかに見られるロッドがついていて、その先がアクチュエータの回転軸からのびたアームにつながっているので、アクチュエータが畳まれて、主脚柱から見て回転することで緩衝部をひっぱって縮めます。
模型で再現するにはウデがいります。
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He177の主脚 |
F-16式 |
アクチュエータの主脚側がエル字型になっていて、エル字の谷間が主脚に、その先がホイールドラムに連結されているので、アクチュエータが畳まれるとホイールを機体側に引っ張って曲げます。タイヤは胴体に沿って収容されます。難しそう。
↑というのはまちがいで、A-6やF-14みたいに胴体との関節がカルダンのストラットが主脚が折りたたまれることで押しやられ、主脚に回転するように接合されたフォークをひねります。グラマンのよりちょっと部品が多いです。
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F-16の主脚、 |
T-4式 |
F104に似ていますが、中間のテコがL字でなく直線です。 |
川崎T-4 |
垂直に近く |
脚柱から回転軸を離して低く付けることでタイヤ自体は垂直に引きこむように見えます。でも中では結局大きな円運動。 |
B-24の前脚 |
一回転おばかさん式 |
主
脚はDC-3のように途中から折れ曲がるようになっていますが、主脚上部が引っ張られて倒れると、回転軸をずらせて設置してあるプッシュロッドが、主脚関
節近くにあるギア付きのテコを回します。ギア付きテコのギアは、下部主脚の関節回転軸に直結されたテコを回し、主脚下部は主脚上部に対して180度回転す
る形で折れ曲がります。アメリカ人のやり方に比べて、冗長で意味のないシステムです。 |
Ju288 |
ワイルドキャット式 |
前
方から見て、脚柱はそれぞれの角で可動ヒンジ結合された、可動式の垂直方向にほぼ平行な二辺を持つ、台形に近い四角を構成しています。(胴体側の辺のほう
が長い。)外側の辺が下に突きだし、そこにホイールドラムがついています。その辺の上端にサスペンションダンパーが、サスペンションダンパーの上に出し入
れ用油圧ジャッキがヒンジ結合されていて、油圧ジャッキが伸縮することで結合部はロックつきのガイド溝に沿って上下に動き、主脚が出し入れされます。 |
F4F、SBC、PBY-5 |
紫雲のフロート |
これは完全なあて推量なので、自信はないけど、いま紫雲のキットを組むならこう組みます。ありがとうモデルアート様! |
紫雲 |
バラクーダ式 |
くの字型に曲がった主脚が、二つ折りアクチュエータによって上方へ引き込まれます。見た目の奇妙さに比べ、結構普通なアクチュエータです。 |
フェアリ・バラクーダ |
ゴージャスなスペース利用式 |
主脚を変形させずにまんま前方へ畳み込みます。胴体内にはかなりのスペースが主脚のために割かれています。ごうかいさん。 |
F-8, A-3D |
行きはケーブル、帰りは・・・ |
油圧ジャッキでケーブルを引っ張って脚を引き込みます。脚出しはダウンロックを兼ねたストラットの力によります。 |
ゴータ229の主脚 |
ジャッキがのびます |
油圧ジャッキがのびることで脚を折り畳みます。近代ジェット軍用機に多い形式。 |
A-10、その他のジェット軍用機 |
ジャッキがのびます(2) |
油圧ジャッキがのびて、脚柱の回転軸よりも上の部分を前に押し出すので脚柱は後ろに引っこみます。 |
He162の前脚 B-25の主脚 |
収納扉の開閉方式で探す・・・脚収容扉のヒンジの方式で探します。 |
スホーイ7/17 |
ジグソーパズルみたいな機構です。
翼側についた上部脚カバーと、脚柱についたメインカバー、タイヤ緩衝部についた小カバーの三点で脚庫をふさぎます。
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Su-7/17/22 |
ちょうつがい式 |
どこにでもあるちょうつがいを使って扉を畳みます。ドイツ人はエンジンカバーに、ロシア人はフラップにもこの方法を使う。紀元前からある方式。
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鍾馗・疾風・飛燕(甲)・P-47・・C46の尾脚カバー、P-40の各カバー、ソ連のプロペラ爆撃機の各カバー、U-2、スカイレイ、P-80 ちょうつがい可動の再現
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はさみ式 |
開閉ヒンジがはさみのような複雑な複合回転部によってたたまれます。
でも、模型では単純なアーム式に置き換えることをお奨めします。精密エッチングで作ったら可能かも。
それはそれでチャレンジしてみたいですね。 |
ロッキードP38 | |