二月ほど前に、タミヤの3.7cm FLAF37を完成させた時、掲示板に、『でも単装の2センチ FLAK 30 のシリーズはハンドルが砲身と照準器を別々に動かすようで、絶望的です。』と書いたわけですが、FLAK 30 はちゃんと砲身と照準器がわかりやすくリンクでつながってるので大ポカであり、ここでいいたかったのはFLAK 38 のことだったわけですが、書いた後で、「ほんとにそうなのかな?」という疑問が出てきたわけですよ。上の書き込みの根拠といえば、小学生の時ににタミヤからFLAK 38 が出たのを作ったときに、照準器を動かすロッドが砲身とまったく関係なさそうなとこから飛び出ていて、どう考えても砲身とリンクしていなそうだったからであって、その後この件は「ハンドルが砲身と照準器を別々に動かすようで、」ってことで納得したまま、40年近くそういうものだと思いこんでいたわけですよ。
で、今更ながら調べたら、ちゃんと砲身がリンクで照準器を連動させてました(顔真っ赤)!
こうして知った新事実をもってタミヤのキットをリベンジするために買いに行ったんですが、ドラゴンのしか売ってなくて、まあドラゴンでいいやって。
キットはそのまま作ったらなにも可動しません。こういう志のない糞キットを無理やり可動にするのが楽しみではあります。
ドラゴンは確かこのキットを出した当時、他メーカの新製品と同じアイテムをわざわざダブって開発して潰しにかかるという汚ぇメーカーだったので、このキットは買ったことがなかった。ぶつけた相手は確かトライスター。
トライスターは日本の代理店の人が嫌いだったんで触りもしなかったんだけど、実はトライスターのFLAK 38 は照準器と砲身のリンクが再現されているという大変志の高いキットだったようです。トライスター、日本代理店のチョイスを含め、色々惜しいメーカーでした。食わず嫌いでごめんね・・・
可動部分無しといったけど、この部分だけは一応ライブです。
砲とトレーラーを結合するカンヌキね。でもプラだと折れそうなんで真鍮線に変えた。
ちなみに実物は、基部は板金の折り曲げです。
放列姿勢になった38。
youtubeとかで実射シーンを見るとダッダッダ!って感じでゆっくりした発射速度ですが、冷却の問題とかあるから早くするつもりもなかったのでしょう。
オープンボルトサイクルのようですが、遊底を引っ張ってコックする方法は、砲身後上部にある「T」字ハンドルを引っ張ると、繋がったチェーンによって行われるようですが、仕組みはそれ以上はよく知らない。
1弾倉撃ち終わって弾倉交換する時、ボルトストップとかあったんでしょうか、それとも撃ち終わる都度コッキングハンドルひっぱってたんでしょうか。
射手の座席は、実物ではトレーラーに載せるときにじゃまにならないように畳めるんで可動にしました。
背もたれはバネで射手がのけぞるのに合わせて体重でリクライニングするんだろうけど、そんな再現はしない。つーかできないよう。
念願の砲身と照準器連動です!キットのデフォルトだと連結ロッドの長さが違う部品が
4つはいってて、0°、20°、40°、60°の固定を選べるようになってる。イラネ!
リンクと平衡機の設定ミスで、実物みたいに90°までの仰角をとれない出来になったのは負けた気分・・・
タミヤのFLAK 37 じゃトラベリングロックがデフォルトで可動になってたんで、当然このキットにも可動を強要します。言うことを聞け!このスベタ!
矢印の部分がトラベリングロック部分。
砲架にはスイングする、上っかわが開いたパイプの付いたアームがあって、射撃時は前に倒れています。砲身側にはアゴのとこにレバーで回転する横方向のシャフトが設けられていて、砲架側のアームの切込みに入り込めるように棒を薄く削り込んで「l」断面になっています。
アームを起こして、砲身を下げていくと、砲身アゴのシャフトがアーム上部のパイプの切れ込みに入り込んだらレバーを回すと、「l」が「-」になってパイプから抜け出せなくなるという簡単な仕組みです。
トラベリングロック機構としては、ほかにも設けられていて、これはねじ込みクランプと思われるハンドル群で、台座に3箇所、高低照準器(旋回俯仰ハンドルね)基部にそれぞれひとつづつ付いてます。
ゾンダーアンハンガー51(っていうの?)の牽引部分を可動に。牽引車から切り離したときのスタンドも可動にしてみた。
スタンドは、飛行機の脚みたいな二つ折れストラットです。
可動にすると楽しい。スタンド接地部さきっぽの切込み部分には、トレーラー本体のアップロックが食い込むようですが無視。
ここから工作自慢。
これが問題のリンクであります。リンクはなんと、砲右舷のフレーム内に内蔵された巨大な変則形ベルクランクを介して、砲身の角度を反転させて照準器へ導くのでした!
ネットで見つかる写真とにらめっこしてこの謎が解けたときは、アルキメデスが風呂入って比重を利用することを思いついたときのような喜びでしたが、その後でトライスターのキットの画像を見つけて顔が赤くなりました。orz
ドラゴンのキットの右舷フレームのリンクが通る部分ををリューターで薄く肉抜きして、透明プラバンを当ててマーカーでなぞって作った型紙を使ってビール缶を切り抜いたフタで塞ぎました。
ちなみに、キットの照準器取付基部の位置は間違いで、じっさいは照準器のアームが砲架右舷のパネルと一直線になるよう、キットの位置より内側に設定されていて、照準器と俯仰旋回システム間に介入する機械式コンピュータ?の箱はもっと左右に狭いようです。っていうか今回作ったタイプだとそのシステムは簡略化されてて、前期型だと計器盤がついてる部分がメクラ蓋になってます。幅縮めたんでフタを自作した。
砲架内部には、砲身を俯仰させる力を軽くするためのシリンダー状の平衡器が入ってるので可動に。
キットの設定だと仰角がほぼ取れないので、砲側の取付基部の位置を切り取って後ろへ移動させました。でも、実物はこの基部はキットのような無垢の三角山じゃなくて、単純な2つ折れの板金製で、もっと背が高いです。作ってから写真見つけた・・・orz
トラベリングロックのアームを作った記念撮影。ビール缶二つ折りにして瞬間接着剤で固めたのから削り出した。実物もキットのようなパイプっぽいのではなくて、板の両側にパイプをくつけたものっぽい。
スタンドと二つ折れストラット。ストラット上部はキットの部品にノコギリで切込みを入れた。
ストラット下部は真鍮パイプと真鍮板のはんだ付けで新造。
トレーラー本体側の取付基部はランナーを四角く削ったものを接着して作ってます。
動くと楽しいです。二つ折れストラットはちゃんと機能したんで、ドラゴンの採寸はこの部分は正確っぽい。
タイヤは真鍮釘と真鍮パイプ二組の組み合わせで回転するようにしました。回らないタイヤなんか死んじゃえ!
この間作った37ミリFLAK36/37と。36/37かっこいいね!
2cm FLAK も宇宙船・・・着陸船みたいでかっこいい!
防盾はキットのエッチング見たらめまいがしたのでプラスチックのパーツです。
防盾付けると砲の操作が重くなったろうな・・・
ゾンダーアンハンガー(っていうの?)並べて楽しみます。
おまけ。10発弾倉箱はトライスターのやつだったと思う。ジャンク箱にはsd.kfz.250/9 を作ったときに集めた2cm砲関係グッズが結構貯まってます。
ところで、手前の「バイラル・ジン」みたいな物体は一体何?説明書には一切説明がないんでわかりませんでした(恥)。