帝国陸軍にはせいぜい250キロまでしか爆弾がありませんでした。よく、陸軍機は非力なので大型爆弾が積めないという批判を聞きますが、はたしてそうなのでしょうか。

ぼくはそんなことはないと思います。海軍の九七艦攻を見てください。栄エンジン一丁で800キロ爆弾を下げて、空母から飛び立ち、真珠湾を攻撃してるじゃありませんか!ではなぜ?答えは簡単。そんなにたくさん重たい爆弾を用意できなかったからです。

いくら最先端をいっているといっても、しょせんは兵站軽視の帝国陸軍。重たい航空爆弾を運ばせるような輜重部隊の余裕はありません。一部戦線では重爆軽爆が輜重兵の代わりをしたくらいです。重砲部隊の段列でさえ一発20キログラム程度の弾がこなくて困ったくらいなのに、もっと重たい航空爆弾を背中と馬で運んでたら埒が空かないのです。海軍みたいに工廠からすぐに船で運んでそこからトラックなどというわけにも行きません。第一、海軍と予算が同じなのに、食いぶちは数倍多いんですから、トラックに廻す金なんか、持ってない。あっても「工作費」とかで関東軍が飲んじまってるに違いありません。事実、陸軍の重爆部隊は展開後、爆弾の備蓄期間がすごく長くて、余りたくさん作戦していません。そんなわけで、陸軍が重爆の仕様に大量の爆弾搭載を盛り込まなかったのは、実は大型爆弾の必要を感じなかったのではなく、大型爆弾を準備できないという、自軍の段列の能力を心得た、用兵上まことに説得力のある理由からなのではと思う次第なのであります。

でも裏付けはとってないので、ただのたわごとにすぎませんね。おこんないでね。

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