ノースアメリカンB-25の主脚です。左脚を左(外舷)から見たとこ。進行方向は左。図の右は主脚に連動したタイヤカバーの動きを正面からみたところです。この飛行機はタイヤカバーの開閉連動が、普段カバーが閉じてるタイプの機体には珍しく機械式で、今回そのしくみがわかったような気がしたので図解してみました。比例はいいかげん。(巨大な画像をおわびします)

主脚回転軸の上に関節結合された油圧ジャッキが伸びることで主脚を折り畳みます。

主脚柱上部には外舷側に三角錐のフレーム(図中黄緑)が張りだしていて、その先には紫で示したパイプ様のリンクが関節結合されています。リンクは、主脚真上にある機体の前後方向に平行な回転軸を持つ回転チューブ(図中水色)から張りだしたアームに関節結合され、主脚が折り畳まれるときに件のチューブをおよそ1/4回転させ、また戻すという働きをします。チューブの尾部側には、作り付けの頑丈なレバーが張りだし、このレバーの先端には左右のタイヤカバーをそれぞれ動かすためのリンクが関節結合されます。

主脚が半分畳まれると黄緑色の部分の先端は回転チューブに最接近し、結果リンクはチューブのアームを押しておよそ1/4回転させ、それによってカバーは全開しますが、さらに主脚が畳まれると黄緑部分は今度はチューブから離れていくのでアームを引っ張ってカバーが閉じるのです。

このためこの飛行機のタイヤカバーは地上でも常時「閉」で、ムリに開けるには主脚柱の飛びだしている穴に頭を突っ込んで外舷側カバーのリンクを外します。この状態ならば、内舷側のカバーはリンクとカバーの間にある幽霊のようなかっこうのアームの遊びによって開くことができるようです。

このころのこの会社は、カバー閉じとくデザインが好きなようですね。

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