東南アジアのカモ、フィンランドの空飛ぶ真珠。米海軍初の単葉引込脚全金属製戦闘機の脚は、三角形で機を支えるという点で、ちょっとだけFw190ににています。前から見るとWの字に見えますな。

この飛行機のタイヤは、それまでのアメリカの折畳み脚飛行機と同じポジション(胴体の斜め下)に収まりますが、その折畳み機構はもっと近代的です。機体側に二つ折になるアクチュエータがあって、これが折れ曲ることで主脚が畳まれます。アクチュエータは、その基部についたロッドによって動作するものと思われますが、確信は持てません。すいません。

とおもったら、

 

決め手はかば◎さんの「河馬之巣」からリンクしている「Brewster model 239 BW-372 discovered」の写真から。

まんまバルクヘッドの写真がありました。

くだんのロッドは、バルクヘッド〔主翼前桁とつらいち)に上向きに固定された油圧ジャッキのピストン先端に結合され、一つのピストンで左右同時に引き上げられます。

おどろいたことに、アクチュエータの胴体側回転軸も左右共通ですから、主脚は本当に前から見て「W」の字に見えます。

こうしてみると、バッファローの主脚がこんな感じなのは、重量軽減のためとも言えそうです。

しかし、脚柱だけで考えるなら、見てわかるとおり、わざわざ脚柱を斜めにすることで主脚が長く大きくなってしまっています。翼から真直ぐにおろすようにしたなら、もっと短く、軽く、轍間距離もかせげたはずですが、油圧ジャッキ1本分より軽くなったのでしょうか・・・・?

と、おもったらどっこい、MILK32+ さんからお寄せいただいた情報(http://heninen.net/brewster/english.htm )から、より鮮明な写真をみることができたのですが、その写真にはてっきりアクチュエータの共通軸と思っていた部分の左右斜め下に、ピンが!あああああ!
けっきょく、こういうことのようですね・・・

「W」字は、少し間延びしてます。

で、「W」字型にした理由の半分は今までと同じ位置ということで海軍の人を安心させたかったのでしょうか?

ところで、脚柱に固定された脚カバーは当時の行き方としては珍しく、1枚でピッタリと主翼下面の収容穴をふさぐようにできています。そのために、脚の回転軸は中心線よりもわずかに外側です。この方式はこの飛行機にしか見られない珍しいものです。

欠点として、この、カバーが外にでる方式では、Fw190等の方式と違い、脚の角度を90度に近づけるにつれて回転軸が細く、しかもきゃしゃになっていってしまうので、角度的にはこの飛行機くらいが限度だということです。

けっきょく、重量軽減とかとは関係なしに、案外、この脚の角度の決定は脚カバーによって決められたのかも・・・ううむ、そうだとすると、いっそうトホホぶりが際立つのですが・・・

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