イギリス空軍でボーファイターやモスキートを飛ばしていたJ・H・ウイリアムズはその回想で、

1945年3月28日
Me110で初飛行。航空日誌にはこう記しておいた。「この型での最初の飛行。すばらしい飛行」Me110はむしろ双発の<タイガー・モス> のようで、操縦が簡単で込み入っておらず、まったく飛行を楽しむことができる。
二日後にJu88で飛行した。面白い飛行機だ。夜間戦闘用にはMe110より高速で性能も良いが、それほど操縦の楽な飛行機ではない。


と書いています。とても興味深いです。
バトル・オブ・ブリテンの、低空を飛ぶ爆撃機の護衛という、この飛行機にあまり向いてない運用でケチが付いてしまったけれども、飛行機としては扱いやすい名機だったようです。上記の著者はMe410にも乗っていますが、「モスキートより遅い」としか触れていないので、Bf110の操縦はよっぽど楽しかったのでしょう。

今回は夜間戦闘機ではなく、イタリアで戦闘爆撃任務であったと思われるZG1のG-2型を作ってみました。エンジンがDB605になって、その割に荷物も増えてないので、かなり軽快な機体だったのではないでしょうか。
このキットは多分ピンバイスで買った。
各部可動で組んでいます。
スピナーの赤はタミヤラッカーのイタリアンレッド。タミヤのラッカーは筆塗りもやりやすく、隠蔽力も優秀なので驚きました。でもなぜか同じタミヤラッカーのつや消しクリアを上から塗ったら溶け出したw

エデュアルドのデカールは薄くて台紙離れも早い点はすばらしいのですが、貼るの難しい。
Bf109がF型で機首と主翼をリニューアルしたように、Bf110ではMe210でモデルチェンジをする予定だったのが、ご存知のように大ゴケしたので、Bf110のエンジン挿げ替えでお茶を濁したので、Bf110では主翼の形はずっと角ばったままです。あと意外とこの飛行機でかい。
でかいという点が、好評の秘密だったような気がします。
昔の、メッサーシュミット憎し評論では、Bf109がより高性能のHe112を不透明な理由で退けたみたいなことが書いてありますが、この飛行機も、Fw187と比べられて悪者扱いにされることが多いです。
でもね、要求に複座以上とあるのを無視したのは問題だし、長距離戦闘機なのにコクピットが窮屈とか、悪そうな視界とか、カタログデータに現れない、乗ってみないとわからない何かの理由があったのかもしれません。
可動部分を動画で上げてみました。
旋回機銃も動きます。撮り忘れたw
ユーチューブはドイツ軍のマークを何も考えず問答無用で削除してくることがあるので、もしかしたら消されるかも。
別にナチス礼賛とかしてねえんだけどな。歴史的に歴史上の飛行機についてたドイツのマークはヘイト扱いでだめなのに、交戦国が敵国に死んじまえっていうのはオーケーとか憎しみ煽ってんじゃねえかな。基準がよくわかんねえよなアメちゃん。
主脚柱は上半分は真鍮パイプで自作。
横に張られたアンテナみたいな棒は、主脚を出すときに脚庫扉を押し開くための部品で、固定です。脚扉はワイヤーで引っ張られていて、常に閉じようとしています。そこを力づくで押し開けるのです。
この飛行機の脚庫扉はヒンジが扉側にあるので、扉側がエンジンナセルに食い込む形で開きます。本当はヒンジは4個づつなんだけども、2個でいいや。
この飛行機のエンジンナセルは、タイヤをしまう関係でナセル下のラインが後ろに行くに連れ膨れて下がっていくのですが、このキットではそこの表現が不足していて、扉を閉めるのに曲げたり延長したりと苦労しました。
計器盤は印刷済エッチングとデカールが選べるのですが、デカールでいいや。
コックピットの床。操縦席の床は地上姿勢の時地面と平行になるようにしたかったのか、前下りなんですね。
四角の中に「V」字構造がある部分は、主翼の桁の貫通部分です。リアルな飛行機ではとても重要な部分です。
この飛行機には収納式のはしごが付いてるので、可動にチャレンジ!
まずかまぼこ板に踏面を刺す穴を開けて真鍮線を差し込んではんだ付け。
左上みたいな部品を作って、上端に抜けどめ兼ガイドになる帯金をはんだ付け。
機体側には縦長のレールになる帯金を接着して、そこにはしごの帯金を巻き付けます。
レール帯金の上部を折り曲げてストッパーにしてできあがり。
こんなかんじで動きますよ。
エルロンのマスバランスは折れるのがイヤで、おもり部分に穴を開けて真鍮線を通して線を潰してみたのですが、このキットのマスバランスのおもり、小さすぎる気がする。
そこで今更思い出したのが、十年以上昔、友達のつてで鉄道模型のお店でロストワックス鋳造してもらった真鍮製Bf109用マスバランス!
原型はぼくです。
妥当だと思うけど個人としてはすごい工賃だった。当時のぼくは経済力あったのだな。
この数、もう一生かけても使い切れねえよ。高かったんだからと言ってもったいながって使わないテはない。というわけで使いましたよ。言わないとわからんレベルだが、気がついたら紛失なんてことにはまずならないね。
このキット最後のあれが、主翼と一体、不透明プラ無垢の翼端灯です。
実機ではこのサブタイプの翼端灯は色付き電球を無色透明なカバーが覆っているのです。
なんで、前に買っておいた「マイクロクリスタルクリアー」の出番です。退けるので二度盛ったらちゃんと形になって透明度も十分。盛っただけで削ったりとか全くしてません。写真では透き通って見えませんが、これは台座の黒いろを通しちゃってるから。扱いやすくて失敗率も低くていいです。高いけども、その価値はある。
ところで、実はこのエデュアルドのキットを作る気はなくて、フジミのC/D型を作ろうと思ってたんですよ。参考にエデュアルドとイタレリを引っ張り出したら浮気してしまったのです。
不死身のキット、プロポーションとかデテールとか意外にいいんですよ。胴体後部のパネルラインを気にしなければイタレリよりいいです。っていうか、イタレリは・・・
ちなみに新しいエアフィックスは発掘できなかった。