1939〜40年におけるイギリス戦闘機コマンド最大の災難、ボールトンポール・ディファイアント複戦の主脚の仕組みは、まこと、この飛行機にあった愉快な構造です。

謎が多かったのですが、このたび、MILK32+さんに紹介していただいた海外のサイトの写真から、だいたいの推測をすることができました。

主脚折り畳みアクチュエータは、図中黄色と水色で表した上側に折れ曲がるメインストラットで構成されていますが、水色の上部メインストラットは、油圧ジャッキになっていて、折り畳み時、伸びます。

この仕組みだけでいいじゃんと思うのですが、これだけだと黄色のストラットが回るだけでストラットの「へ」の字は角度があまり深くならず、肝心の主脚があまり運動しない=ひっこみません。

そこで、水色の上部ストラットのピストンの先端に、図中赤で示した三角形の部品を関節結合し、一方の角をピンク色で表したロッドで下部ストラットに、残った角を図中紫で表したロッドで機体に関節結合することにします。

これで、上部ストラットの油圧ジャッキが伸びると、紫のロッドの先端を軸に赤い三角が反時計回りに回転し、ピンクのロッドを押し下げるのでメインストラットが「へ」の字に曲がりはじめ、水色のストラットは伸びながら上方に回転をはじめ、すると紫のロッドが赤い三角を反時計方向に引き戻し、回転した赤い三角形はピンクのロッドで黄色い下部ストラットを押しつけて、水色の上部ストラットに押しつけようとするので、メインストラットは鋭角に曲がろうとし、結果、主脚が畳まれるのです。

図では、各要素の比がいい加減なので、赤い三角形が主脚回転軸にかかっちゃってますが、本物はそんなことないので注意してください。

また、主脚は、前後桁の間に引き込むために、たぶん回転軸がカルダンになっていて、後ろにななめにつっぱったストラット(これも脚柱と翼桁にそれぞれカルダン結合?)の回転軸を主脚柱のそれよりも外翼側に設置することで、畳まれるうちに後ろに傾いてゆくようになっていますが、それにあわせて主脚収容部の脚カバー上部の切り欠きが前に向かって先すぼまり方向に切れるデザインになっているので、展開したときに進行方向に平行になるように、脚カバーの回転軸は前のヒンジが大きく、後ろのヒンジが小さくなっています。

図であらわしたヒンジは、前側の物です。

ううん・・・やっぱよくわかんねえ飛行機・・・

 

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