イギリス陸軍は偵察車両は装甲された、なるたけ小さいものを好むようです。
この、フェレット・スカウトカーは、第二次大戦当時英軍が愛していた「ダイムラースカウトカー『ディンゴ』」の進化形です。
フェレットの当初のタイプでは砲塔はなくて、「ディンゴ」と同じオープントップでした。 でも砲塔あったほうがかっこいいよね。
昔のパンツァー誌とか戦車マガジン誌にこの車両のリアルタイム現役の写真とか載ってることがあって、「ちいさいな!とか思ってて、ちょっとプラモ出たらほしいなとか思ってたのですが、今頃エアフィックスが出すとは!生きててよかった。
ディンゴと同じく二人乗りで、主武装は車載重機一丁のみ。
後ろ姿とかディンゴの面影があります。
たぶんディンゴに似せることで顧客である陸軍に安心感を与えたことでしょうw
偵察任務の他に、当時は警察任務でも見かける車両ですが、それは前世紀が今と違って牧歌的だったのだなと思わせてくれます。
今のキチガイみたいなハイテクノロジー嫌がらせ時代に、この手の薄い装甲車は生き延びられません。ていうか当時だって心細くなかったのかな・・・?
ハッチとバイザーフラップを可動にしてみました。
全部開くと風通しが良さそう。
当時英国はまだ南方に植民地や租借地があったので、エアコンない時代に風通しは大切です。
可動部分を動画で上げてみました。相変わらず手間取ってて笑えるw
っこのキットはせっかくエンジンハッチが別部品なのに、中が空っぽ。 さ、誘っているのか!?
エンジンを作りたくなるトラップに見事に引っかかった・・・1ヶ月はかかった・・・
赤いのはガソリンタンクのキャップ。
その右上の水色の膨らみは戦闘室内にあるエアフィルターからのダクトの端部で、その下にキャブレターがあります。
その脇の銀色の柱は車体フレーム。 その隣の銀色のモジャモジャ四本はオイルクーラー、
そのわきのパイプはラジエータへの戻り管で、青いのは冷却水補充キャップ。
赤いのはラジエータとそのファン。
黄色いのはエンジンオイル補充キャップです。
画面右の箱は救急箱?
全部開くと楽しいよ。
機関室後端のグリルは、キットのだと厚みがありすぎてほぼ開口してないので削って細くした。作り直す必要があるかと思ったくらいだったけども、削るだけで意外といい感じになりました。
なんか賑やかでいい感じ。
砲塔ハッチはフランス戦車みたいに後ろの板が真後ろに倒れるのに加えて、初期のT-34みたいに天板も前に持ち上がりますが、これは右側の金具にハッチについたカンヌキを差し込むことで4段階に開く位置を決めることができます。再現してみた・・・
砲塔に装備の車載重機は大戦中からおなじみのブローニングM1919で、
射手は機銃を手と肩(胸?)で上下させると砲塔上部のペリスコープも連動して照準できます。それを可動再現。
リンクのてこの関係でペリスコープ側からのほうが動きがいい・・・
ちなみに左右照準は左手で砲塔回転ロックレバーを解除して肩で押して回します。照準決まったらロックして射撃。
左舷のエンジンハッチ上には意味不明の首を振る短い棒がついてますが、これは砲塔のM1919機関銃用の三脚のピポット部分に差し込んで保持するための金具です。
撃つためじゃなく携行時の。脚はハッチ上に出てる金具に通したベルトで固縛。
三脚は前回スチュアートでつくったんでいいかなって。今回はパス。
ステアリング可動に。
この車のステアリング機構は変態的で、ハンドルがベベルギアで車体前面上部装甲直下に沿って前に伸びるステアリングシャフトを回し、その先のスクリュージャッキが車体前面上部装甲前方直下を左右に這っているタイロッドを左右に動かすと、車体側面についた垂直方向のレバーを左右に動かすのです。
頑張ったけどガタが多くて右側の車輪から動かしたときしかうまく動かないや・・・負けです・・・orz
ここからは工作記録・・・
このキットはタイヤを回す気が全く無いので、実物構造無視の裏側のホイールリムは切り取ってタミヤ式の回転可能ギミックを仕込んだんだけども、必死過ぎて写真撮ってねえやw
この車のホイール中央部には遊星歯車式の最終減速機が仕込まれていて、腰下重量問題を改善しています・・・って言うけども、4つのタイヤがそれぞれ気密されたオイルタンクになってて、そこに時計みたいな精密な遊星歯車機構がドブ漬けされてるって、整備はとっても面倒くさいのでは・・・
そしてエンジン。
プラバンとプラ棒でそれっぽく。
エンジン後部の3つの赤色付きプーリーは、一番下がエンジンと直結、中が発電機、上がラジエータフェン用です。
プーリーに溝が三本あるのは、溝の深さが三本全部異なっていて、溝三本ともに三本のベルトを掛ける必要はなくて、中央に一本と、前か後ろかどちらかに一本かけることで駆動スピードを変えることができるということらしいです。冷え過ぎたりするときはファンのスピードを整備が落とすという手動式可変スピードということらしい。
ファンとか付けたところ。
ラジエータカウルとオイルクーラー。
オイルクーラーのモジャモジャ再現は自動車キットのエンジン配線用編み線を銀色に塗った。気に入ってる。
たしかこれでエンジン完成体。
機銃とペリスコープの連動部記念撮影。
排気管網は、キットのモールドだけなのを切り抜いて正方形網をずらして二枚重ねにして貼ってみた。編み網っぽく見えてね?
操縦手バイザーフラップは、操縦手ハッチに付いてるのですが、バタンと前に倒れるだけの操縦手ハッチはあくまで脱出用のようです。
フラップを切り抜いて枠つけて可動にするのとってもめんどくさかったです。
リアのフラップはなんかバイザーというより換気用っぽい気がします。
操縦手側面のバイザーフラップもどちらかというと換気用なのかしら
キットの剣スコップはなんか違う・・・気がしてスチュアートのを切ったりしてでっち上げてみましたが、あとでネットでキットのまま作ってた人のを見て、塗れば問題ないんじゃね?的な気持ちになった・・・
ツルハシの頭も貧弱に見えますが、実物も結構細いので、そのままで問題ないですな。
車体全面のつるはしの柄ホルダーとスコップの頭が入るワイヤー製のラックを追加。
横に一本長いチューブは取り外したアンテナを入れるケース。