イタレリのクルーセイダーMk.IIIはぼくが10歳の頃出たキットですが、素晴らしいキットです。
38年後になった今作ってみて、すげえなって思いました。パーツ状態じゃそんなにすごいなって気はしなかったんですが・・・ 今回作ったキットは写真箱のやつで90年代に買いました。ちょっと手を付けて20年ほどほったらかして、この間発掘して作る気になったのです。 この時期のイタラエレイのキットには、ランナーにパーツ番号がありません。説明書に書いてあるランナー表の番号と現物を見比べながら取り組むことになります。後のロットでは多分ランナーにも部品番号がモールドされたはず。 10歳の時買ってもらったパンツァー誌にこのキットのトミー版の広告が載ってた気がする。この頃のパンツァー誌を読むと、このキットからクロムウエルをスクラッチしてたりと、すごい記事があってびっくりすると同時に、何でもキットが揃ってる今の時代まで生きれたことに感謝します。 この戦車の名前は「Cruiser Tank Mk.VI Crusader Mk.III」と言うんだそうですが、訳すと「六号巡航戦車 三号十字軍」になるんでしょうか。おもしれえ〜! イギリスはこの戦車を5300両生産したそうですが、3型はそのうちの百六十何両分しか無いレアな車両で、登場もエル・アラメイン以後、チュニジアまでの半年という短い期間です。錆びる暇なんかねえ キットの指定では1942年11月のエル・アラメインの第1機甲師団 第2機甲旅団 第9女王王室槍騎兵連隊のA中隊なんですが、色気を出してC中隊にしてみました。合ってないかも。なんでこの部隊なのかと思って調べてみたら、エル・アラメインの時イタリア軍の正面にいたんですね。 写真見てもマーキングなんかない車両のほうが多いんでこのマーキングもインチキです。 ハッチを開いてアンテナ二本立ってる姿を見るとなぜか「バララ〜〜〜〜!!!」とか叫びたくなります。 本によるとこの3型は主砲を大きな6ポンド砲に換えたために砲塔に車長(兼装填手)と砲手しかいられなくなってしまったと書いてありますが、写真見ると砲塔の左側に車長が乗ってることが多いので、危険を承知で無理やり砲手を載せてそのうしろに車長が窮屈な姿勢で乗った戦車もあったんではないでしょうか。 操縦手ハッチ可動にしてみました。本国でダークグリーンで完成した車両をアフリカでサンド色をかけたという設定にしてみたので、中は地色のダークグリーンです。車内は白で塗っちゃいましたがアルミニウム塗料仕上げかもしれません。 イギリス戦車の特徴である操縦手用の扉も可動にしてみました。横のピストルポートも可動。 操縦手の扉のバイザーの蓋も可動にしました。ここが一番面倒だった。 こんな感じで・・・きたねえな・・・ピストルポートの蓋はなくしたんで自作しました。ここには写ってないけど、バイザーのカバーは削り落としたんでこれも自作しました。 ドアはこんな風に・・・きたねえな・・・横のヒンジは真鍮パイプを真鍮板にはんだづけしたのを、いらないとこだけモーターツールの円盤ヤスリで削ってなくします。 パーツオリジナルの鋳造所(?)の頭文字が素晴らしい! 砲塔は各ペリスコープ回転可動、ハッチ可動、視察バイザーの蓋可動です。車長ハッチのペリスコープは収容できるようにしてみました。 アンテナはキットのままでもいい感じだったんですが、案の定折れちゃったんで0.3ミリのステンレスバネ線に交換。 砲塔ハッチには開閉補助力用のシリンダー式のバネがついてるはずなんですが、キットにはなにもないので再現してみました。ハッチはこのバネと開き過ぎ防止の斜め帯状金具(布帯かも?)で開くとき制限されますが、当時の写真を見るとそれを嫌ってとっぱずして全部開けるようにしちゃった車両もありますね。 ハッチのヒンジはオスメスが現物と逆なので可動に組まない方もご注意を。 砲塔側面の覗き窓も可動にしましたが、アップにするときたねえな・・・中には薄い防弾ガラスが入ってるようです。 キット付属のデカールは誇らしげに印刷所の名前が書いてあるだけあってよく付くし、艶も良かったです。 左舷の砲手側のハッチは間にある板のせいで、右舷のハッチが開いたあとじゃないと開けません。おもしろい。 車長用のハッチのペリスコープは蓋と一体で、ペリスコープをスイングさせることで蓋が閉まるようです。 接着前に裏から記念撮影。この後バイザーのガラスもつけました。 シリンダーとか付ける前の記念写真。 これは発掘した時の20年くらい前に放り出した状態の写真。 イタレリの当時のキットの足回りは素晴らしいです。タミヤなんか及びもつかない精度です。 80年代終わりに出たM24くらいまでは素晴らしかった・・・ それからタミヤの悪い手抜き手法の影響を受けて、手すりは一体化するしタイヤとか回らなくなってしまった・・・悲しい。 キットはデフォルトでサスペンションが可動するはず・・・なんですがこの構造じゃちょっと無理があります。そこで・・・ 図の部分を切り離し、シリンダー部分をドリルで適当にえぐって真鍮線をガイドとして仕込んであげます。 するとこんなふうに弾性でいい感じにライブサスペンションが実現。ベルクランク式のサスアームを引張バネで制御してる実物とはちょっと違う仕組みですが・・・・ この戦車の足回りの色は黒が正解みたいよ。 全ホイールがデフォルトで回るのはこの当時のイタレリキットの美点です。でももう一手間かけるともっとよく回る。 外側の転輪の中をちょっとモーターツールなどで広げてあげるとそれはもう快適に回るようになります。 イタレリのキットはベルトキャタピラの精度もタミヤなんかは足元にも寄せ付けない素晴らしいもので、起動輪の歯と実に気持ち良く咬み合って、外れてばっかりのタミヤとは雲泥の差です。欠点は弛まないこと。しかしこのクリスティータイプの足回りなら上の写真に赤線で示したように、フェンダー裏に黒く塗った0.3ミリのステンレスバネ線を押し付けるように通してあげれば、高い別売りキャタピラなんか使わんでもこのキットのベルトキャタピラはいい感じにたるむし、快適に回るのです。 話変わって最後部の増槽からの燃料引き込みライン。鉛線大好き!このルーバーから排気もしてる? 牽引フックは真鍮線植えて可動です。 このキットのミス? 砲塔後部のスコップはなんか左右裏表逆なようです。そのままじゃうまく付けられません。スコップの頭と柄を切り取って左右ひっくり返して真鍮線でつないであげるといいようです。 塗る気力がわかなかった付属のお人形たち。パイプにステッキなどという粋な小物を持っているのはアオシマの300円重機動メカキットを彷彿とさせますがこっちのほうが古い。 イタレリのヒギャーは巨人揃いで、185センチ以上のひとばかりですね。
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