信念でやったのか、ただ流されたのかは知らないけれど、ピエール・ルグロアンはフランスがドイツに負けてもフランス空軍に踏みとどまりました。

 ドイツが来ようがイタリアが来ようが米英軍が来ようがイデオロギーに関係なく空軍のために働く。日常を続ける。しかも負けない。プロだから。これが非常にかっこいい。

 あすからオレたちは連合軍だと言われれば連合軍として飛ぶ。それが軍隊だから。仕事だから。

 ある日突然天地がひっくりかえるような非日常がきても、人間に社会生活があるかぎり、だれかが地道に確実に日常を続けなければならないのです。

 彼を祖国への裏切り者とする見方があるようですが、それはあまりにも「軽い」考えなのではないでしょうか。

 こうして非日常的な日常を送るうちに戦争は終結に向かい、日常がふつうの日常になろうかというその時に、彼は着陸事故で悲劇的な最期を遂げるわけですが、そのようすを読むたびに、ぼくの頭の中にはゴダールの映画「気狂いピエロ」のラストシーンが浮かんでしまうのでした。岩と海と空のすばらしいコントラストの間の黒煙・・・非日常のイメージ。

うわ!にてね〜!ゴメンねルグロアン。ルグロアンて写真少ないんだもん。

ちょっと友人に似ちゃった。ゴメンね○○くん・・・

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