春から夏の空はツバメの季節です。
ぼく的には楽しそうにアクロバティックに飛ぶツバメたちを見て思い浮かぶと言ったら、三式戦の初期型を下から見たところと、この、Me163です。
とくに、Me163は、一回高度9000メートル以上に上がってしまえば、その位置エネルギーでできない機動はないという軽快さがユーチューブを見ても実感できる楽しそうな飛行機です。爆発さえしなければ。
最近手を付けたプラモのあまりの面倒くささに嫌気がさしてしまって、現実逃避に部屋の積みプラをあさっていたら、90年に買ってすぐ作り始めてすぐ投げ出したトライマスターのコメートが出てきました。
色々な思い出のある名作キット。もうちょっとで完成だったんで、30年間ためた可動ノウハウで完成させました。
トライマスターのキットは30年前の当時素晴らしい志の企画だったのと、ぼくが1/48というスケールにあまり拒否反応がなかった時期だったので、Me163のほかにTa152とかHe162とかも買ってチャレンジしてたのですが、あのエッチングをうまく作れなくて152ご162は捨ててしまいました。今なら作れるかも。でも、1/48は半端な大きさがイラッと来るので嫌いだから、もう作らない。
トライマスターの163は、デフォルトで着陸ソリが可動です!
素晴らしい!
当時興奮したの覚えてます。これを参考にエレールを作ろうと思ってました。未だに作れてないけども。
ゲーリングが、ロケット動力で飛ぶ飛行機について、「プロペラがない飛行機なんか胡散臭いよ!ボツ!」とか言ってたのを、実際に動力なしのA型が滑空してるところを見せて、「あの飛行機はなんの動力で飛んでるんだね?何、滑空だと!?なわけあるか!」
着陸した機体を見て「まじで滑空であれなんだ!これすげえじゃん!」って開発の優先順位上げた話好き。この未来的フォルムで軽快に飛ぶところは今見てもすごくワクワクします。
キットは捩り下げを素敵に再現してます。真横から見たとこは本当にツバメみたい。
でも卵っぽいので、敵味方から「パワーエッグ」とも呼ばれてました。
「地獄から来たコウモリ」ってのは新聞記事の一回だけかな?
Dr.スランプにも出てたけども、バンダイはP-40はキット化したけどコメートは出さなかった。
タマゴ飛行機で出てもいいと思うのですが。
ユーチューブで見れるガンカメラに捉えられたコメートも、滑空でそれ!?みたいなすごい機動を見せてくれます。このアングル好き。
非常に遺憾なのは、このキットの説明にも「滞空時間が7分しかない」っと勘違いされている点で、実際はエンジンの全力運転時間が」7〜8分なのです。
なので、三分で時速900キロ近くのまま高度10000メートルに上がったら、エンジンを切って、位置エネルギーと存速900キロによる滑空機動に入り、機動でエネルギーが無くなったらエンジンに再点火で上昇を繰り返すと三十分以上は滞空&戦闘できるのです。
問題は、敵機との速度差が後ろからでも500キロ近いので、照準してる時間がほぼないという痛快な逆説的なトホホで、実戦ではそれに業を煮やして射撃のために減速して目標の後ろを飛んで補足されて落とされてしまうという本末転倒な例が多かったようです。
ハンブロールのマットコートがうまく塗れなかったw
主翼の国籍マークが桁と直角っていう感性がちょっと俺と違うけど、でも飛行方向に直角だと違和感あるような気もします。
着陸ソリは前述したようにデフォルトでスムースに折り畳み可動です。
サスペンションはないので、落着するとパイロットが背骨を痛めるというので、B型では座席にトーションバーサスペンションが付いてます。
秋水にはない機首のプロペラ。4000w?の発電機を回すのだそうで、その発熱をコックピットの暖房に流用したって尊敬する先生から聞いた覚えがあります。
キットのはエッチングの羽根にプラのスピナーという構成。軸を太くしたら重くて回らなかった。0.3ミリのステンレスバネ線で軸作ったらよく回るようになった。うれしたのしい。
コメートはグライダーをロケット動力でまず高空へ持ち上げて、あとは運動エネルギーで機動させようって思想なんで、基本はグライダーです。当時のグライダーは着陸タイヤは中心に一個あるだけの一輪車ってのが主流・・・いまもそうか・・・なので、このソリという発想はべつに異常じゃないと思います。全翼機のHo229も基本グライダーなんで、あんな首脚がでかいっていうかあれが主脚。
コメートで面白いのは高速を追求してるはずなのに、この装甲車のみたいなぞんざいなキャノピの外付け開閉ヒンジです。緊急投棄機能優先で設計されています。日本人ならパイロットがどうなってもいいから空気抵抗を減らす設計にしたでしょう。
戦車キットと同じように金麦の缶で可動にしたw。
アップだと塗装きたねえなw 肉眼だと見えませんw
キャノピはメッサーシュミット伝統の横開きです。でも、開き止めは、109のワイヤ式じゃなくて、回転するロッドです。ユーチューブで見れます。
こんな感じ。
発掘時はここまで作ってほったらかしでした。 多分色とか、後ろ足の作動資料とかがなくてやる気なくした二十代の瑞々しい俺・・・ 重い話で申し訳ないんですが、当事会社を病欠してこのキット作ってたんですよ・・・そしたら近所の奥さんが玄関でうちのかあちゃんに「癌になっちゃった」って泣いてるのが聞こえちゃって・・・
ちょっとしたら亡くなってしまって・・・まだ三十半ばにもなってなかったと思うのに、小さいお子さんたちを残して気の毒でした。
そのお子さんももう四十代なのかな?お元気そうですよ。
このキットを見るたびに、その奥さんを思い出してしまう・・・
でも成仏させました。
ドリー。
落とすと恐ろしいほど弾みます。
有名な「溶けた」ペース中尉は、これを落とす高度が低すぎて、弾んだドリーが機体下面の燃料系統にあたって破壊したのでエンスト、破れた配管から吹き出した燃料をかぶって死んじゃったということらしいのですが、死体写真を見る限り溶けてなくて、全身火膨れのゼリー人間みたいになってますな・・・美青年だったのに酷いことでした・・・
このキットにはラダーから乗り込むパイロットのヒギャーがついてます。
ミポラム繊維(なんだそれ?)とアスベストのつなぎなんで無塗装感が半端なくなってしまった。実際はもっと着ぶくれ感があると思う。1/48のヒギャーとかもう作らないと思う。
尾輪も可動にしました。
初期には飛行時は引っ込めてカバーで整流してたようですが、エンジンパワーが大きくてカバとか引き込みとかなくても十分速いってんで骨組みむき出しの固定になったっぽい。
100円ライターのバネで自動展開にしたんだけども、何回か動かして遊んだだけで壊れたw・・・んで、シリンダーに塗料流し込んで摩擦で滑り止めって方式にしました。負けです・・・orz