ミーティアの主脚は、全長が縮みながら折り畳まれるのですが、この機構がよくわかる資料が乏しく、以下は一部推定であることをお断りします。
さて、イギリスの長寿ジェット戦闘機、ミーティアの主脚は、機械的なリンクでもって主脚を縮めながら油圧ジャッキによって引き込まれます。

このリンクと油圧ジャッキは直接はリンクしていないようです。

作動図を見る前に、左の概念図をごらんください。

主脚は前方にストラットをもった、横から見ておよそ三角形をした構造で、中は中空になっていて、上部には機体のエンジンナセル側のフレームが回転軸の受として入り込み、下部の空洞にはスイングアーム式のタイヤフォークを支える緩衝シリンダーが入ります。

(緩衝機構は戦車のT-34とかと同じ用に見えるので、「クリスティー式」などと呼んでみたり・・・)

主脚内のこの機体フレームと緩衝シリンダーは、図柱紺色で表した鍛造金属製と思われる小さなリンクによって結合されているようで、これが主脚を縮めるカギの部品のようです。

このリンクの機体側との関節が主脚柱の回転軸とはずれていることにご注意ください。

図中、紫と黄色で表したダウンロックストラットのロックが外れ、油圧ジャッキがのびはじめると、主脚が機体側に引き込みはじめます。

すると、緩衝シリンダーと機体をリンクしている図中紺色のリンクは主脚柱から見て上部に取り残されてしまうので、結果として緩衝シリンダーが(主脚柱から見て)上に引っ張られ、タイヤフォーク(図では省略)を引っ張り、脚が縮みます。

世界の傑作機1978/4に掲載されている図では、この紺色のリンクと緩衝部の結合に関節が無いようなのですが、それだとうまく動かない気がするのでこういう解釈をしてみました。

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