巨大なファイルをお詫びします。

当時世界最高の大型飛行艇、新明和PS-1のメインビーチギアです。ビーチギアというからには水の中から滑りへ揚がる時か、その逆の時しか使いません。たぶん。

左は左脚柱を後ろから見たところ。進行方向は向こう→右下→真下と変化しています。

右は左脚柱を側面から見たところ。進行方向は左です。

この飛行艇は飛行艇としての性能は素晴らしいのですが、メインビーチギアの設計はかなりおばかさんです。

ビーチギアの収容のための回転軸はカルダンで、図の左(進行方向は左)で青で示した部分が機体側面にそって回転するメインの回転軸で、主脚柱はこの回転軸と直角な回転軸、(つまり足を外側に回す軸)で結合され、この回転軸は主脚と一体で回転します。この回転軸にはピニオンギアがついていて、主脚柱と一緒に回転します。

機体側面には青のメイン回転軸の回転方向にそってクラウンギアが1/4周、前方90度分だけ固定されています。手脚柱ノピニオンギアとのギア比は機体クラウン1;主脚柱軸2です。

メインの回転軸が機内にある、なんだか不明の動力で(世傑には書いてなくてがっかりだよーーー!)前方(左足の場合時計方向)に回転すると、蹴脚柱はなんと前方に回転を始めますが、機体側面の固定クラウンギアと噛み合ったピニオンが主脚を外翼側に回転させます。

メインの回転軸が前方に90度回転する間に、主脚柱はメイン回転軸から見て180度回転するので機体から見ると向きがひっくり返ることが上図の左でわかるでしょう。

結果として主脚柱は裏返って後方にたたまれます。

なんとも煮詰まった垢抜けない変なアイデアです。重くて手間のかかる歯車はあまりいいシステムとは思えません。動きは面白いけどさ。

機体に横から見て後ろ下がりに45度の回転軸一本で、同じ結果でしかも軽くてシンプルで移動量も少ない仕組みにできたのではないでしょうか。

US-1ではもうちょっとシンプルで頑丈な仕組みに改良されました。

前脚 US-1の主脚
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