RIP大作戦

「うむう、フリ−ハンドの絵をもっときれいに出したい!」

「アルプスのプリンタ、ベジエ曲線は苦手そうだもんね。」

「ポストスクリプトをウチでも出したい!年賀状を!」

「ソフトウエアリップ買ったら?」

ぼくはプリンタを前に、アルプス電気からのDMを読みながら、トホホ妖精と会話しています。

ポストスクリプトとWYSWIGという概念は、コンピュ−タを「印刷に使える道具」に出世させました。マッキントッシュと印刷業界が切っても切れない間柄になった理由は、「クリエティブだから」とか、「おしゃれだから」とか、「CMにピカソを使ってるから」とか「値段が高いから」ではなく、「画面でみたままのものがおっそろしくきれいに印画紙出力できるソフトが揃っているから」だったのです。

大古の呪われた儀式、「ドスからプリンタ−」で、全角、半角、せいぜい4倍角の文字で、出してみないとわからないマ−ジン設定、さらにプリントしてみないとわからない手探り状態でカンプやら指定原稿なんか作らされていた人間が、初めてマックを見た時の衝撃といえば!あなた!

ポストスクリプトは、ポストスクリプトプリンタを働かせるためのプログラムです。コンピュ−タがよこした小さな数式によるデ−タをプリンタが自分で解析して展開して描画するのです。つまり、コンピュ−タからでたときよりも大きなデ−タをプリンタが作りだすわけですな。これがRIP(ラスタ−イメ−ジプロセッシング)で、これによりコンピュ−タは早めにプリント作業から解放されると。出力デ−タもそんなに大きくならない。なので転送時間も少なくて済む。これは便利。

昔はプリンタのポストスクリプト展開部分をハ−ドウエアで持っていたのですが、最近はマシンパワ−の向上もあって、プリンタはただの入れ物と化し、展開用にアプリケ−ションを持っていて、それをバ−ジョンアップすることで低コスト化をはかっています。入れものも、汎用のパソコンそのものを使って低コスト化をはかっています。

そして、本末転倒のようですが、パソコン上でポストスクリプトデ−タを任意の大きさのビットマップデ−タに展開して、普通のプリンタで出せるようにしようというのが、ソフトウエアリップなのです。

「でも、今まで買ったリップはT-SCRIPTにしろX-RESのRIPプラグインにしろ、いまいちだったよねえ。日本語フォント読めないし。バ−ジョン5.5になったらそうでもなくなったけど、フォトショップの解析エンジンとかもクオ−クのEPS保存ペ−ジとかに弱かったし。なにより一回フォトショップ通さないとダメってのがねえ。」

「アルプスからあのプリンタ用のが出た。高いけど。RIPとしちゃ安い。」

「買うの?」

「ネットワ−ク対応で、白リボン対応と聞いたら買うほかないよね。」

料金はコンビニ払い込みでした。4万円以上したので、コンビニの店員さんは値段を読み違えたと思ったらしく、バ−コ−ドを2回ほど読み込み直してから、店の奥へ店長を呼びにいったのでちょっと困った。

で、このソフト、ネットワ−ク越しにプリントしたほうがうまく動きます。やっぱりコンピュ−タは2台以上あったほうがいいね!

そのうちデカ−ルとか作りたいな。

「で、今回どこがおもしろいのよ?」

「おもしろくならなくって困ったとこかな?」

「ぎゃふん」

 

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