名前に「四式」って付くととっても強そうな気がするのは、松本零士漫画の四式戦で刷り込まれたせいです。四式戦大好きです。でも、今回作ったこの四式軽戦車は、九五式軽戦車の火力アップを目的として、新砲塔に換装されて行き場のなくなったチハ車の砲塔を乗っけてみました的な、やっつけ四式なのであります。(火力アップといっても自走擲弾筒レベルなんですが・・・)
キワモノって好きじゃないんだけど、この戦車は、キワモノ的でありながら、本土決戦用にある程度の数を生産されたというので、作りたくなりました・・・てのは嘘で、頭でっかちで可愛らしかったから作りたくなったんだよ〜・・・形から入りました!
出来上がるとものすごくかわいい!動物行動学の本に、「子どもは小さな体に、やや下側に大きな目を持った、大きな頭を持つことで親の愛情を視覚的に刺激する」とか書いてあるとおり、頭でっかちに大きいけど短い大砲・・・どこのデフォルメ萌戦車やねん!みたいな魅力に、ぼくもイチコロだったわけです。
キットは素晴らしく色々志あふれるもので、作るのが楽しかったっす。
足回りやハッチや武装は全部可動にしてみた。でもピストルポートはめんどくさかったのでキットデフォルト。負けた気がしますが悔しくないや・・・老いたわしゃ・・・
15年くらい前に作ったファインモールドのハ号と記念撮影。
ファインのキットもよくできてます。モデルカステンのキャタピラはセンターガイドの欠けが目立ってきたんで、お金持ちになったらフリウルのに履かせ直す予定です。
このキットについてくるチハの砲塔は、とてもいろいろな情報が盛り込まれていて、それを調べなおすことでいっぱい新発見がありました。個人的な新発見であって、真面目に研究してる人はみんな知ってることなんだろうけどさ。
迷彩は、後期の陸軍の色的なものを意識して、さらに、白黒写真じゃあまり色の差がわからないのを再現してみようと思ったのでこの配色。土草色はハンブロールの98、枯れ草色は同155、緑色は同116です。
最初に土草色一色で塗ってみたんだけど、ロボット三等兵みたいで超かっこいい!とおもいました。
マフラー塗装の記念撮影。質感とか気に入ってるです。
足回りは転輪も起動輪も誘導輪も可動だし、キャタピラはフリウル。モデルカステンのを組もうと思ったんだけどさ、無理!十五年前にはやれたけど今じゃ無理!すごいよ15年前の俺!
ボギーは可動にしたのは当然として、サスアームも可動にしました。この戦車のボギーの軸は、外側からボルトで押さえてるんで中心部は回らないのですが、キットではボギーにモールドしてあるのは残念・・・ボルトを自作しようと思ったけど無理なんで、真鍮釘のヘッドを六角形に削って、黒っぽく目立たなくしてゴマかした・・・(負けです・・・)
この戦車は、リング形のでかい57ミリ砲チハのリングを受け入れさせるために、車体上面の面積を増やそうと、前方銃室右側を増積するための板を貼って操縦手ハッチにかぶせたんで、操縦手ハッチはハメ殺しになって、可動させれるのは貼視孔のフタだけになってしまいました。
操縦手の貼視孔フタの可動工作。こんなかんじにやっつけました。
キットに入ってる防弾ガラスはとっても素敵です!
チハ砲塔の主砲は、カルダン砲架で左右に振ることができるのですが、キットではできないのでできるようにした。ハ号のキットではできるようになってたので、この部分だけは退行かな。
車長ハッチはヒンジを金麦の缶で作り直して可動に。子供の頃このヘンなハッチがかっこよかったんだよね!でもまあ、冷静に考えると使いづらそう・・・
右のハッチが全部開かないのは、アンテナに当たらないようにだと思う。
ハッチの中央にあるペリスコープは、なんとプリズムで映像をキューポラ内壁に投影するという素敵システムらしいのですが、これは内壁じゃなく、写真でグレイに見える部分を垂直に起こしたとこへ投影するんではないだろうか。
写真の位置だとハッチが開かなくなるんで、開位置だとスコープは常に右を向いているようです。
車長用パノラマ投影ペリスコープですが、カマドの日本戦車本に載ってる写真に取っ手らしきものがついてるので再現してみた。多分車内では、写真赤で示したような位置に展開してペリスコープを回すものとおもわれます。ガセの可能性は高いです。
上の「取っ手」はやはりガセで、じつは、これこそがあの、パノラマ投影ペリスコープ本体だったのでした。
このページをアップしたあとで出た研究誌「J-Tank 第25号」24ページに、ペリスコープ本体の写真が掲載されたのです。
その写真を見ると、ペリスコープは以下に図解するような構造になっているようです。

図A) 構成はこんな感じでしょう。
  1. ペリスコープの対物部
  2. ペリスコープの、ハッチのドーム内に収まっている上部
  3. 射影幕(外の景色を映すスクリーン)
  4. 普通のペリスコープとして使うときの下部
  5. 接眼部

図B 通常の潜望鏡として使う場合の外からの光線の経路です。
外の景色は4つのミラーかプリズムで、接眼部へ送られます。
射影幕は使用しないのでたたまれています。
引出線の「6」については後述します。
図C パノラマモードでの外からの光線の経路です。
図中、薄青で示した、「普通のペリスコープとして使うときの下部」を手前に折りたたみます。
「下部」が上部からの映像を遮らなくなったので、上部からの映像はそのまま射影幕に投影されます。
光線はなんの増幅もされないでしょうから、天気のいい、日差しの強い日以外はすごく頼りない映像が写ったんではないでしょうか。
また、「図B」の「6」の部分は、この折りたたみ機構のために、まったくオープンで、上部と下部の映像の連絡部はシールドがない、ただのスキマなので、ここに雪やホコリが入れば通常の潜望鏡としての機能もダメダメになってしまうでしょう。
部隊ではまったく使わなかったという証言は、この構造的欠陥にあると思われます。
パッと見は素敵なアイデアに振り回されて、どっちもダメという・・・
でもって、プラモにも反映♡
車長ハッチはこんなふうにやっつけた。
キットの57ミリ砲に対する愛情は素晴らしい!閉鎖機が自動開放するための部品までモールドされてます!
国元戦車塾の57ミリ砲の図面集に、砲の塗装は、内部に面する部分は白塗装。外部は茶褐色に染色。とあったのでその通りに。茶褐色の染色とは、ピストルや小銃などでおなじみの、薬品による黒染めの変形で、黒じゃなく茶褐色に染めてあるようです。今でも工作機械とかで茶褐色に染めた仕上げのものを見ることができます。なのでその色を目安に塗ってみた。
サスアームは1ミリのプラ棒でトーションバー。
日本戦車のシーソー型バネ引っ張りあいサスは、軽量な戦車向きで、すでにこの四式や、チハの重装甲型の一式中戦車で限界が見えてしまっているようです。この戦車の場合は、頭(巨大なチハの砲塔)が重いので前後方向に揺れて乗り心地が悪かったとかどこかの本に書いてあった。一式の場合は、サスにかなり手こずって開発が遅れたとどこかの本に・・・
フェンダー下にやわらか素材の布だれがあるなんてドラゴンのハ号が出た数年前まで知りませんでした。
エッチングパーツじゃあんまりなのでニトリル手袋から切り出した。
砲塔の機銃架を可動化!このあと車体銃の可動化をしようと思って気がついたんだけど、こんなことしなくてもキットの部品をうまく貼るだけで可動できました・・・orz
ちなみに、日本戦車の車内は、アルミ塗料と思われる銀色に、白っぽいベージュの石綿(アスベスト)の内張り(の上からまた銀塗装?)だとおもわれます。
にぎやかでたのしい!
ここでジャンクボックスから引っ張り出してきた、タミヤのチハ系列についてくる九七式車載重機。
マガジンがバナナで補強溝が凸なの以外は素晴らしい出来なので、マガジンを作り直して外付けすることにしました。ドラゴンに付属の重機も素晴らしいのですが、タミヤのもマガジンキャッチとか再現されてたりして捨てがたい。機銃架へ結合するための部品を追加。
車載重機かっこいい!これだけ別売りして欲しい!北満型についてる九一式もつけて・・・つーか帝国陸軍小火器セットってのはなんで出てないんだ!?
カマドの本の四式の対空機銃架は、キットでいう信号ポールの位置に、三式中戦車とかが付けてる二段曲がりのものが装備されてる。
機銃を対空機銃架にセットする方法の考察をしてみました。取付部のあなぼこは鍵穴型なので、機銃架にはそのカギを通すボッチがついててこんな風に回してつけるのかなと思ったんですが、数少ない写真を見るとテンション用ネジらしきものがついてたりで、こうではないようです。(負けた感じ)
ところで、現存する四式軽戦車の実車は、朝鮮で鹵獲されたらしく、ロシアに二台ほどあるようですが、このキットとは違って、ハ号の無改造の車体に、リングを付けたところにチハの砲塔を載せていて、そのせいで、ネットでググると「満州など現地で改造されたなんちゃってケヌ」とか書かれていますが、どうなのでしょう。
キットのチハ砲塔の写真で赤く塗った部分は、実は車内にある車体のリング部分で、じっさいには砲塔はここに食い込んで乗っかっています。ロシアのケヌのリングは、この部分をハ号の車体にそのまま乗っけているもののようです。
こうすることの利点は、車体の天井を無理にチハ砲塔のリング径に合わせて広げなくても、多少の不便を我慢すれば、じゅうぶん砲塔を回転させることができるということで、苦労してハ号の車体を改造ぜずに、目的の四式軽戦車を作ることができるのです。ということは、この、ロシアのケヌは、生産のために合理化を図った、ケヌの後期型ということができるのではないでしょうか。
キットのような、車体に改造を加えたケヌだと、手間がかかることもさりながら、乗員の出入り口が車長ハッチだけ(機関部のハッチは別として)になってしまいます。これは日常においては非常に不便であり、そういうクレームは実際あったでしょうし、なんとか操縦手ハッチの機能を残しつつ、生産性を向上した改良型を!というのが、ロシアに現存する車両なのかなと思います。ただし、ロシアの車体はシリンダヘッド整備ハッチが開かないぽいので、ぼくの説における弱点であります。
キットのシリンダヘッド整備ハッチは、まず「1」の後部ハッチをあけて、そこでできたスペースへ「2」の前部フタをスライドさせて抜き取るものと思われます。前部フタはフリーすぎてなくしそうだけど。
おまけ:チハのおまけの鉄兜をえぐって内装つけてみた・・・