ソ連軍はT-26に始まって、T-40、50、60,70,80といっぱい軽戦車を開発して持っていました。偵察に使うには無線とか持っていないので半端な感じがしますが、強力な45ミリ砲を持っているので、騎兵的な使い方をしたかったのでしょう。
T-70Mは、T-70の改良型で、ネットでググって調べたところによると、無印のT-70は、二基のガソリンエンジンでそれぞれ左右のキャタピラのトランスミッションをコントロールするという素敵なエンジン配置だったのを、T-70Mではこの二基のエンジンを繋いで双子エンジンにして、一つのギアボックスを回すという、比較的おとなしいシステムに改良したことが大きな違いのようです。
エンジン配置について、かば◎さんから、掲示板に以下のような情報をいただきました。引用させていただきます。

「>>二基のガソリンエンジンでそれぞれ左右のキャタピラのトランスミッションをコントロールするという素敵なエンジン配置はSU-76の話で、T-70の場合は最初から二基のエンジンを直列配置にして一つのギアボックスを回す形式だったそうです。
実際、SU-76の場合は操縦手ハッチが真ん中にあって点検パネルが左右にありますが、T-70~T-70Mは一貫してハッチが左に寄っていてパネルが右にあります。
どうも70と70Mの違いは単純にエンジン強化で、外見上は足回りの違いということのようです。」

フォローありがとうございました!訂正します。
ミニアートのT-70Mは、2006年発売だそうで、ちょうど10年目に作ったわけですが、当時のをストックしてたわけではなく、欲しかったわけでもなかったのですが、去年ネット検索してたらミニアートのT-70M用パチハメ可動キャタピラってのがえらく安く売ってたので衝動買してしまい、それが案外といい感じだったので、それを履かすためにあとから本体を買ったのでした・・・でも結局歩留まりが悪くてフリウルのキャタピラを買いましたよトホホ・・・ミニアートのキャタピラはフェンダー上のふたコマの予備キャタピラに使った・・・キットに付属の無可動キャタピラは、可動キャタピラより短いので、留め具が合わないからアルミ缶で新造しました。
パーツ状態ではのっぺりとあっさりと面白みがなく感じるのですが、完成すると意外とおもしろい感じになってちょっとうれしい。
キットには後期型と前期型が作り分けられるように防盾と操縦手ハッチが二種類入ってます。
車体前面に2つと後面に一つある牽引フック上部には、牽引ワイヤの外れ止め装置が再現されていて、デフォルトで可動なのは素敵です。
後ろから見ると斜めにスパッと切り落とされた車体後部がかっこいいんですが、ほぼ何にもないのは寂しいことです。
操縦手ハッチと車長ハッチ、それらのペリスコープと車長ハッチの信号拳銃ハッチとピストルポートの栓を可動にしました。信号拳銃ハッチはキットの軸を焼き潰しただけで可動になります。
機関室上部の排気管は二基あるエンジンからそれぞれでているようで、車体上に歩兵を跨乗させるときにやけどをさせないためか、夜間に熱で赤く光るのを隠すためか、石綿製と思われる布で巻いてあるのを再現してみました。ティッシュ巻いただけ。
サスペンション可動、ホイールを回転するようにしました。前からこだわっていた方法をやめた結果、工作は楽だし、今までで一番軽やかに動く気がして嬉しい。フリウルのキャタピラは、片側80枚で十分でした
真上から。ペリスコープが旋回しています。ところで、車長ハッチのペリスコープは、この初期型だとハッチに設けられた一枚のターレットに固定されてターレットごと回るわけですが、この方式だと、砲に仰角をかけないとペリスコープが砲尾に当たってしまって、右方向へ旋回させることができなくなるようです。なので後期型ではペリスコープがハッチのタレットから独立して、操縦手ハッチについているような旋回式になりました。
この戦車の機関室は、素敵なことに車体右舷全部です!乗員区画は左半分。しかも機関室と乗員区画を仕切る隔壁とかなし!むき出しのエンジンの横だとうるさかったでしょうな。冬は暖かかったかも。
キットには機関室上部のルーバー内の再現はなかったので、プラバンでこさえてみました。垂直方向の仕切りは二枚です。キットのエッチング網には3つついてて重ならないけどどうなんでしょうか。このキットの網は非常に破れやすいです。
ちなみに、この機関室上部のルーバーの、写真の赤で囲った部分は、車体側面の関節によってまるごと右側へパカっと開くことができます。びっくりです。中身作りたくないから可動にはしてない。
キットのルーバー上面の角度は浅い気がしたんで斜めに削りました。
車体右舷後部のグリルはラジエータの排気用です。寒さが半端ない国らしく、グリルは完全にシャッターで閉じることができるようなので可動で再現してみました。実は思い込みで実車じゃ動かなかったりしたら笑いものだな・・・
左舷側は多分燃料タンクがあると思う。
サスペンションは今回はエバーグリーンの1.6ミリのプラ棒を使ってみました。プラ用接着剤で付くんで楽ちん。車体へはゼリー状瞬間接着剤で固定。楽です。動きも柔らかくていい!
転輪は真鍮釘を使いました。これも非常に工作が楽で精度もいい。上部転輪は相変わらずステンレス線とビーズで処理。上部転輪は実車ではゴム無しのソリッドなのは先進的です。
操縦手ハッチは何故か前・後期二枚づつ四枚もついているので、片方はペリスコープ架をさらって、もう片方はペリスコープ架を切り抜いて贅沢なニコイチ!ペリスコープを軸にして、裏からペリスコープの形に四角く穴を開けた円形のプラバンで止めて可動に。
車長ハッチの旋回ターレットは、ハッチとターレットの触れ合う部分に一周細い溝を掘ってから、ターレットの方の溝に伸ばしランナーを巻きつけて接着。よく乾いたらハッチに圧入して出来上がりです。
車長ハッチのヒンジはキットのものに手を加えて可動に。
ソ連戦車のペリスコープは、イギリス製のNk.4とかいうモデルのコピーだそうで、戦後もソ連ではずっと現役です。どこかアメリカやドイツ用のみたいにペリスコープだけ別売りしてくれないかな。
主砲は防盾のとこで切り離されちゃってるので。防盾の後バメがやりにくいから、足りない分の砲身をプラ棒で補完。この状態で見ると何故かアーマードトルーパーを連想する・・・
ラジエータシャッターを連動させる仕組み。シャッターのブレードは幸いにも二つ折りの羽根型なんで、軸の部分に真鍮パイプを接着し、車体には写真のように軸が通る穴を開けておいて、シャッターのブレードをセットしてから軸にシャフトを通します。シャッター開口部わきには、シャッターの数だけシャフトを植えたプラバンをスライドできるようにセット。このシャフトがブレードに入り込んでブレードを立てたり倒したりするわけです。プラバンの先にはつまみを付けて、砲塔を外して指を突っ込んでこのツマミを押し引きしてシャッターを開閉させます。
似た時期に登場・・・ルクスの方は遅れちゃったんで結構あとかな・・・の軽戦車ルクスと。ルクスは二人乗り砲塔ですが、T-70の後釜のT-80も二人乗り砲塔になっていたので、じっさいはT-80と比べないといけないのかも。でもソ連軍はT-80とか無駄っていうことでやめちゃいました。たしかに、このジャンルに高級な車両を当てるのは無駄かもね・・・