部屋の隅にハドソンの金色の十四年式が転がっていました。
ぼくは重くてもガス抜けなしで金色のモデルガンはキライです。
ハドソンがいつの日か、黒いABSのモデルを出してくれるだろうと信じていたのに、ハドソンなくなっちゃった・・・
そこで、自分で作ることにしました。思い立ったのは2010年の4月ごろで、でき上がったのは8月半ばですから、けっこう早くできたね。わーい。

今回は樹脂多用です。
金属部はトリガー、セフティー、インサート、エジェクターとエキストラクター、ロッキングブロックとファイアリングピンのラッチと分解ラッチくらい?

インサートはきっちりと入れました。

シリアルナンバーにでき上がった年と月を紛れ込ませるので、昭和7年2月名古屋製の#7218にしました。
2010年月・・・苦しいかな?小倉のマガジンボトムはつくれましぇん・・・

さて、このモデルガンは発火ブローバック前提でつくりました。カートはハドソンのピストンをタナカのに替えて、さらに底上げするという…ストロークの少ないものになってしまいました。だって前撃針長いとつっかえるんだもん・・・

ここで問題が。

南部の銃はぜんぶディスコネクションを下図のように銃身の後退で行うので、反動の閉じているモデルガンではディスコネクトしません・・・ハドソンはどうやってるかというと、ガク引きトリガーで引鉄を退ききることで切れるようにしていました。

銃身と遊底は閂子で一体化されています。

弾丸が発射されるとその反動で銃身&遊底&閂子は後に蹴られ、閂子が下に落ちて、ロックを解くと、慣性で遊底がからになった薬莢を抽筒子をつかって引っ張り出し、蹴子がけり出します。
紫色の部分がディスコネクター兼トリガーバーです。水色がおっそろしく長いシアね。
紫色はトリガーを元の位置に押し戻す役目もしています。

で、どうするかというと、「閂子(ロッキングブロック)」に注目です。

この部品をロックじゃなくてリコイルアクセラレーターにしてしまえばいい。(用語あってんのかな?)

↓こんなかんじ。

ロッキングブロックの後部を別部品にして、首を振れるようにしてあげると、遊底(ボルト)に押しのけられて、バレルエクステンション側から見て、フレームを前方に蹴るようになります。ということは、バレル/ボルトはカートによって前後に引き離されながらもフレームから見て後退するということで、これでディスコネクトできます。

実物の十四年式のバレルを掴んでボルトを引っ張っても動かないでしょうが、ぼくの作ったこのモデルは、同じことをすると、ボルトは開きつつ、フレームは誰も触っていないのにバレルから見て前進するという面白いことになるのです。

おもしろいのがバレルエクステンションとの結合方法で、軸の、普段の位置では接触しない部分を削って、その角度では軸系が減るようにしてはめ込むという工夫です。

これはソ連の拳銃にも見られますね。

トリガーとかマガジンセフティとか。フロントサイトは軟鉄です。これがほんとのアイアンサイト・・・

部品がそろった記念撮影です。この後さらに小改良しました・・・

グリップはマルシンの木のやつを買ってきてたのに、割っちゃったので自作です。グルーブが曲がってるけど気にしないもンっ!

ハドソンのと記念撮影。ハドソンのはマガジンからダメダメで・・・でも基本的な寸法は全部ハドソンからとったので、感謝です。寸法があってるかどうかはし〜らない。

帝国陸軍拳銃コレクションがまた増えました。

ちなみに、まだ発火させてません・・・こわいもん・・・

参考資料
ハドソンのモデルガン
本:「小銃・拳銃・機関銃入門」(佐山二郎/光人社NF文庫)

「月刊GUN:84/5」(他の埋まっちゃったのでなしで済ませた・・・)

「別冊GUN PART5 1990/1」

「Japanese Military Cartridge Handguns 1893-1945」(Harry L. Derby III & James D. Brown /A SCHIFFER HISTORY BOOK)

「COLLECTOR'S GUIDE TO Imperial Japanese Handguns 1893-1945」(James D. Brown)

webサイト:「25番」(http://taka25ban.sakura.ne.jp/)  

「旧日本陸海軍個人装備ギャラリー」(http://rain.prohosting.com/~shunpart/) 

その他「nambu type 14」で検索して出てくるサイト

もどる
表紙へ