一式陸攻より重いと評判の夜間戦闘機、ウーフーの前脚です。進行方向は左。

図中赤で示した油圧ジャッキが伸びることで、黄緑で示した脚柱上部と濃いピンクで示した上部ストラットを押し広げることで、ピンクのストラットが折れ曲がり、脚柱が畳まれます。

薄いピンクの下部ストラット内にはバネが仕込まれ、それが紫で示した小アームを常に時計回りに押しているので、紫のアームは白い小アームを押し、ピンクのストラットのレバーを押すのでストラットが伸びる方向に力が働いているようです。黄色のシリンダーはたぶん脚出し補助力のバネです。

この飛行機の前脚はトルクリンクより下のフォークから90度ねじれてタイヤが水平に機内に収まるのですが、その方法はけっこう強引で、上の図で水色で示したフックを機体側の、図示していないフックが捕まえて、油圧ジャッキが脚柱を持ち上げる力を使って捻るのですが、その行程は別に、下に図解してみました。

図はフォークより下を脚柱つけね側から見たものです。進行方向は下。

濃い緑の部分はフォーク、黄緑は上部脚柱の旋回制限リング、青い部分はフォー区側の旋回制限ラッチです。形はいいかげん。

地上(図で背景がグレイの時)ではフォークより下は自由にステアリングしますが、回転制限部品のために旋回角度は左右60度に限定されます。

離陸すると(図で背景が白くなったとき)、前に踏ん張った脚柱の角度によるキャスタ効果でタイヤはほぼ直進方向に安定し、(脚柱内にバネによる求心装置があるということですが、よくわかりませんでした。あるとしたらフォークつけねの内部でしょうか)脚がほとんど折り畳まれると、機体の脚収容部内にあるトンビのくちばし様のガイド(オレンジで表示、上からフレームイン)に、図中青で示した旋回制限ラッチの下に突きだしたレバーが引っ掛かり、タイヤは脚柱付け根から見て右に捻られますがラッチのせいで回転制限がかかろうとします。しかし脚柱は構わず上に畳まれ、ラッチのレバーがトンビのくちばしに引っ掛かってラッチを解放する方向へ回るのでフォークの回転制限が解け、完全に自由になったフォークは脚柱付け根から見て90度右へ捻られて収容されます。脚を出すときは、トンビのくちばしの下あごに回転制限ラッチのレバーがくわえられたままなので、レバーによってフォーク部分が左に捻られ、地上における回転制限域までフォークを戻します。くちばしとラッチにはかなり工夫があって、ちょっとしたフォークの傾きなら捕まえてしまえるようです。図ではうまくいきませんでしたが。

今回、世界の傑作機#119「ハインケルHe219"ウーフー"」が非常に役に立ちました。理解しやすい図解に感謝です。

主脚
ドルニエ335の前脚
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