ぼくがタミヤのブレンガンキャリアを作ったのは、小学生の時のことだったと思うので、もう40年前のことになるのですね。
おとなになって、もう一回作ってみようと思ったことはあるのですが、キャタピラがね、二号戦車みたいで嫌だなって気がついちゃったわけですよ。キャタピラは可動じゃないと嫌なので、可動のが出るのをじっと待ってたわけですよ。
そしたら、去年あたり、マスタークラブがやってくれましたわ!ユニバーサルキャリア用金属連結キャタピラ!たけえ!タミヤのキットほぼ4台分のお値段!
しかし出ればぼくは買うのです。5万とかだったら買わないけど。ありがとうマスタークラブ様!
タミヤのキットは基本はいいと思います。70年代のキットと思えないリサーチと芸の細かさです。
多分イギリス生産のマーク2をモデル化してんじゃないかな?
ユニバーサルキャリアはバベルの塔の労働者の言語のようにごちゃごちゃいろんなタイプのがあるので、完璧リサーチとかは諦めた。
イタリア戦線の第1機甲師団所属って設定にしてみました。
アフリカからやってきたんでこんな綺麗なわけないんだけど、新たに補充されたってことで。
ユニバーサルキャリアってのは、半個分隊が機動するための車両で、そう考えるとイギリス軍てのはドイツ軍に負けず劣らず贅沢な軍隊なんだなって思います。ドイツはハーフトラックでもっといっぱい運ぶから、イギリスのほうが贅沢ですわな。
分隊員の動くホテルみたいな。
アメリカはジープなのに(ソッチのほうが合理的だと思う)。
こじんまりした車両なんですが、細々したものを積むスペースはいっぱい。
キャタピラは片側およそ168枚!普通の戦車の倍のコマ数です。継ぎながら、これ足りるのかなって不安になりました。
ちなみに、起動輪はモデルカステンのホワイトメタルのやつ。いよいよとなったらあのキャタピラをドリルで穴開けて継ごうと思ってた・・・
キットにはない鎖とか追加した。
ところで、この小さい車両を作り始めたのは、なんと4月の中旬です。
いま10月になろうとしてます・・・製作期間約半年! リサーチも工作もめんどくさいとこ多すぎ!な地獄だったのです。でもキットのせいじゃないよ!?ぼくの妙かつはんぱな完璧主義のせいだよ。
というか、まだ作るべき部品とかあるんですけども、堪忍袋の緒が切れた!じゃないけど、やってられなくなったんで、いま時点でいちおう完成としておくのです。負けですorz
まず乗員の覗視孔は、回転するアームでスライドして開くのですが、それを再現したくて数週間無駄にしました。
でも動くと嬉しい。
ブレンガンポートは、マーク1ではおなじみの位置のみなのですが、どうも融通がきかなかったようで、マーク2からは上の蓋が開くようになりました。んで再現。
さらに、ブレンガンの取り外しは上の装甲板が邪魔なので、マーク1以来クルッと回すと上がオープンになるようになってますからそれも再現。
ブレンガンポートは取り外し式の装甲蓋で塞げるのでその部品も作ったんだけども、写真撮るの忘れた・・・
ブレンガンポートの蓋は使わない時は赤丸で囲ったとこのラックに刺さってます。
サスペンションをね、バネだったから可動にしたかったわけですよ。キットのサスアームを切り離して作ってみたけども、ぼくの工作精度が悪くて並びがガタガタになっちゃっわけですよ。なんでリッチモデルのユニバーサルキャリアーの別売り足回りを買ってきたわけですよ。いいね!リッチモデル!
おかげさまで硬いけど可動します。
挫折したタミヤオリジナル部品可動用に作ったサスペンションバネ。全部ゴミ箱に行きました・・・orz
本ちゃんではホームセンターで買ってきたバネを使った。
お払い箱になったタミヤパーツを使った可動足回り・・・
無線機は当時のタミヤのリサーチに感動です。
配線してコントローラーとかバリオメーターとか追加してあげました。でもアンテナはめんどくさくなっちゃったんで作ってない・・・orz
小銃X3、ステンガンx1、トミーガンx1、ブレンガンx2って乗員数より武器のほうが多い!更にこの「ヨーロッパ戦線」なるキットにはPIATもついてました。これは実物ではヴィカーズ水冷機銃のラックにうまく収まるのですが、今回は作ってない。はいはい、わたしの負けですよ。
ガナー席左の壁には、4インチ煙幕弾発射機が付いてる車両が多いのでつけてみた。エンフィールド小銃を切り詰めた機関部を流用するシステムですが、これって逆に高く付くんじゃね?
バイザー可動工作。
ドリルで装甲板をくり抜きます。
バイザーカバーのモールドはもちろん削り落とした。
バイザーのフタは透明プラバンで。盛り上がった部分は可動軸をはんだ付けした真鍮の薄板。
裏はこんな感じで可動処理っす。
テグスの焼き潰しピンは重宝します。
操縦手がまっすぐ車を走らせるためと思われるブレードを金麦缶で再現。キットのステアリングボックス収容部はちょっと背が高すぎな気がします。なんで削ってコンパクトにしました。
ブレンガンポート周りの可動工作はこんな感じで。
ヒンジは金麦缶。
ブレンガンのピントル銃架も真鍮板でスクラッチ。可動ですよ。取り外し自由。
実物も上からはめ込んで二脚の後ろにある出っ張りとピン結合って感じのようです。
ちなみに、対空銃架も同じとこでピン結合。
キット付属の対空銃架は、実は重機として使用するときの三脚架の部品です。
ガナー席前面のガナーの膝辺りには、4インチ煙幕弾の収容缶が付いてるので再現。蓋も可動にしたけど煙幕弾は作ってない。
あと、走行中つかまるためのハンドルが小銃ラックの右にあるんで再現。(ガナー席左にもあります。再現した。)
4インチ煙幕弾投射器。実物どおりエンフィールド小銃をぶった切って作りました。
でもこのとき使ったプラパイプは細い気がしたんで、後でひと回り太いのに換装した。
見えないからいいかって思ったんだけども、結局ペダルとかハンドブレーキも再現しました。
この車両の左右操向は、ブレーキのみで行うらしく、ハンドルを回すと回る側のブレーキドラムへのロッドを引っ張る構造なので、ブレーキペダルもそのロッドを左右同時に引っ張るようになってます。ハンドブレーキも同じことをする。シンプル。
クラッチ左の白い穴開き板は、小銃ラックに小銃を置いたとき筒先が収まる部分で、その手前の小さな立ち上がり部分はクラッチ操作しないときのフットレストらしい。
左右から出てる棒は誘導輪を可動にするためので、実車にはないです。
ギアチェンジレバーはキットのパーツがあるんだけど使わずに新造。
いろいろなラックをつけました。全部金麦缶。ラックにはめ込んだ小銃とかは全部取り外し可能です。消火器は固定。
このために小銃をいっぱい塗った。こういう手間でどんどん時間食っていったのです。
イタレリとドラゴンの武器セットと、タミヤの空挺スクーターセットの武器ランナーから持ってきましたですよ。
イタレリとドラゴンのセットのブレン軽機はマーク1で、ほぼ全数がダンケルクに置き去りにされたタイプです。2300丁しか持って帰れなかったってレアアイテム。極東のイギリス軍は持ってるかも。イタレリのは銃床に対空機銃として使用するためのハンドルがついててレア。
タミヤの空挺スクータセットのブレン軽機はポピュラーなマーク2。ユニバーサルキャリアーのキット自体に付属のはなんか64式小銃みたいで似てないんで使わなかったす。
ちなみに、リッチモデルのユニバーサルキャリアのブレン軽機もなんか間延びしてて駄目な気がするのはぼくだけでしょうか。
ユニバーサルキャリアーは、後ろに偽装網バッグを背負ってることが多くて、タミヤのキットでも再現されてますが、プラのムクは嫌だったんでニトリルゴムで作ってみた。
部品D17は、ドイツ戦車を作り慣れてると、「ああ、ジャッキベースか!」とか思っちゃうけど。2ガロン缶です。オイル入り。
なんでリッチモデル付属の2ガロン缶に置き換えます。
1ガロンはだいたい4リットルと覚えておきましょう。
2ガロン缶5本で20リッターのジェリカンが満タンになるらしい。ほんとかな?
2ガロン缶は自作もしてみた。
タミヤの2ガロン缶はリッチモデルのより一回り大きい。
右舷後部のフェンダーにも2ガロン缶ラックを付けてみました。これは水用。と言っても水冷機銃の冷却水用かも。
キットではやっつけモールドだった牽引用ピントルも可動にしてみましたよ。
パーツ番号D16「弾薬箱」は、実は実物は箱じゃなく革製のバッグのようです。裏側にユニバーサルキャリアの内壁についてる板金のレールに引っ掛けるフックがあるって知ってた?
ぼくは板金のレールも知りませんでした。
なもんでエッジを丸めて鉛板で蓋作って革製っぽく修正。めんどくさかった!フックもレールも作ったんで取り外しできます。 ちなみに、B26の「食器箱」は、どうも一日分のレーションが4人分入ってるらしい。
4人用のほかに5人用ってのもあるようです。
今回はこういう細かい属品がいっぱいで、やたら手間がかかりましたよ。それでも作りきれてないのです。そのうち作るよ・・・