六年ほど昔の話、ぼくは仕事でゲ−ムの画面写真を撮ろうと、ア−ケ−ドゲ−ムのモニタ−と格闘していました。家庭用ゲ−ムのNTSC出力を、変換器を通してRGBモニタ−に出力しようとしていたのです。モニタ−は納品したてで、なぜかブラウン管の上にある吸盤状のプラグが外れていました。これをはめないと、モニタが写りません。自動車のスパ−クプラグのコ−ドみたいなこの部品は、裏にふたつのせなか合わせのカギ状の端子がついていて、これを握力で押しつぶしながらブラウン管の上の穴に挿さなければいけないのですが、これがなかなか硬い。苦労するうちに、手が滑りました。

ばちっ!

青い光の線がブラウン管の上の穴からぼくの人挿し指に伸びたのが見えました。同時に手がはじき飛ばされて、上に持ち上がりました。

魚釣りのときの魚信の、もっと鋭い感覚がぼくの腕に流れます。

幸いなんともありませんでしたが、じつに、二度とごめんな体験だったのです。

死ぬかと思った。

で、右がその時の心象的イメ−ジ。

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