パーキング

まだ 走り出したばかり休憩には まだ早い
走りつづけるつもりだった・・・

「ちょっと 休もう?」
彼女から・・・予期せぬ言葉に 躊躇った自分

不安な気持ちを隠しながら パーキングへ
車を 入れる・・彼女を気遣いながら

どうしたの?気分が悪いの?
俺の気持ちを察したかのように そっと微笑む 彼女
「まだ 先が長いのよ〜♪ゆっくり 行きましょう〜」

車のドアを開け 外に出た君はゆっくり歩き出した。
「こっちよ♪」俺が後をついてくるのを確認した君は
小走りに見晴らし台に向かった。

パーキングへはあまり寄らず走り去る事が多い俺は
こんな場所があったことさえ気がつかなかった。

彼女の隣まで近づいた時
「綺麗でしょう?ここからの景色」
高地からの展望は 一面を見渡せ 遠く海原が見える。
夏の強めの日差しに緑が映え 澄んだ空気の中 青き海原が光る。
しばし 風景に見入るふたり

彼女に眼を向けると
日差しに髪が輝き そよ風になびく
自然の香りの中に彼女の香りが混じる

俺の視線を感じた君は
振り向き 微笑みを浮かべ
「前の彼と 来た事があるの」と
照れ隠しの 舌を出した。

過去の事には 触れようとしなかった彼女
今 躊躇いもなく 彼女は口にした。
信じあえる事への実感。
過去との決別はもう済んだ。

また 新たな君を見つけ
いつのまにか 張り詰めていた気持ちが
穏やかな気分に変わる

俺を愛し 俺を気遣い
そして俺を信じてくれた君

出会えてよかった・・・・・・・・・

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