MUSIC COLUMN

其の2 アマチュアプレイヤーって?

 私も一時期ながら、演奏してお金を頂戴していたのですが、それよりも昔、大学生になる前に「プロとアマチュアってどういう違いがあるんだろう」って考えたことがありました。その頃は、プロは上手い人で、アマチュアはそこまでいってない人という、何ともわけが分からないアバウトな定義でしかありませんでした。(爆)私が音楽大学へ進学したのは、学校の教員になりたいという気持ちがあったためで、実際自分が一番得意な分野でと考えたとき、音楽学部しかないだろうと考えました。
 さて、音楽大学に入学してからは、周りの皆さんはプロのプレイヤーを目指し、日々研鑽を積まれていました。高校時代から自分はへたくそだという認識がありましたが、諸先輩方は皆さん上手で、自分は本当にへたくそなんだと再認識させられました。自分なりには努力をしてきたつもりなんですけど、そう簡単には上手になりませんね。
 そうこうしているうちに、先輩方は卒業されていきます。最初の頃、上手な先輩方は、皆さん当然プロとして巣立っていくものだと考えていたのですが、普通に企業に就職される卒業生も多く、結構驚いたものです。どうしてなんだろう。。。頭の良くない私でしたので、すぐには気づかなかったのですが、よくよく考えてみると、法学部を出た方が全て法律関係の仕事をするわけじゃないんですよね。医学部にいったからといって全員が医者になるわけじゃない。もちろん音楽学部を卒業したから全員が音楽家になるわけじゃないんですよ。ちょっと考えればわかりそうなことなんですけど、なかなか気づきませんでした。あぁ、なんてバカ。。。(爆)さらに、プロとアマチュアの差というのは、プロはその事に携わってギャランティをもらう人、アマチュアはギャランティをもらわない人という事なんですよね。それは当然ですよね。プロ野球選手は、野球をしてお金をもらう。アマチュアの野球選手は、野球以外の事でお金をもらい、野球ではお金をもらうことはない。自分が奉仕したことによって報酬をもらう、そういうことがプロということになるわけですよね。あぁ、やっぱし俺ってバカだ。。。(大爆)
 自分のバカさ加減はこの辺にしておき、アマチュアの音楽愛好家で、「それは違うだろ」と考えさせられる事があるというお話をここで一つ。前記のように、プロとアマチュアとの境は、ギャランティをもらうかもらわないかということになるわけなんですけど、演奏技術や音楽性についてはどうなんだろうということについて考えていることを書いてみたいと思います。
 当然、プロの音楽家は、与えられた仕事をきっちりこなすのが最低限の事だというのはお解りかと思います。これが出来なければ、次からはそこから仕事をもらえなくなるのが当たり前です。(私も苦い経験をいっぱいしました<爆>)アマチュアはどうでしょうか。本番失敗したとしても、ある程度なら許される所もあり、たとえ失敗したとしても、次の本番に出させてもらえるチャンスは残されていると思います。打ち上げ会場でお酒を飲みながら、「次頑張ろうよ!」でOKなんだと思います。
 しかし、そこに甘えてしまうアマチュアが多くいるというのも事実で、このような方々はアマチュアとしての精神からはずれているのではないかと考えるのです。
 この事は、決して上手でない方を批判しているのではなく、自発的な練習をたくさんしてこそ本番の価値があるという事を申し上げたいのです。同じ失敗をするのでも、練習を100回やって自分の思っているイメージに近い演奏になってきている人が、たまたま本番で練習のように演奏できなかったというのは、私自身も次頑張ろうねという気持ちになるのですが、何も練習しないで本番やっぱり失敗したというのは、フォローしようがありません。お前は自分から練習しないからそういうことになるんだ!としかいいようがないんですよね。アマチュアだから失敗しても許されるという考えは、努力したからこその言い訳であって、決して誰しもが使える言い訳ではないと私は思うんです。音楽的な追求は、アマチュアでも出来ることだし、それを表現するための技術力は、プロ以上であってもいいんですから。要はお金をもらうかもらわないかの差でしかないんですよ。しかしながら、プロと同じくらい技術力を持っている方は、そう多くはないのが現状ですから、少しでもいい音楽をしようという気持ちのもと、少しでも自ら時間を見つけ練習をたくさんして、理想に近づけるというのが本来のアマチュアの姿なのではないかと思います。プロでも、数回リハーサルをして本番に望むのが普通ですから、それに近づけるためには、数多くの中身の濃い練習を自発的に積み重ねてようやく近くなったかなというレベルになるんだと考えています。もし、練習方法がわからなかったりするならば、身近な方々に自分からアドバイスを求めればいいんですよ。アドバイスを受けたら、自分なりにかみ砕いて試してみる。そういう姿勢が大事なんだろうなと。誰かが教えてくれるだろうという「鳥の雛」状態では、一部のお節介さん以外は相手にしてくれなくなると思うんです。一緒にやっている仲間は、自分から音楽を楽しみに集っているわけで、決して教えに来ているわけではないのですから。
 特に、私が音楽をする場面では、大人数の場合が多いので、様々な考えの人間がいます。少人数であれ、大人数であれ、一人でもこういうアマチュアとしての姿勢がかみ合わない方がいると、概ねいい結果は出てくることはないと言えます。私くらいいやという考えが、本当に努力をしている方々にとってどれだけ不快な気持ちを抱かせるかは、言わずとお解りいただけますよね。一人で演奏しているならまだしも、特に団体で音楽をしようとしている場合、どんな状況になるかは。。。
 みんなでいい音楽をしたいと思うのであれば、その分個々が練習を積まなければ、何億人(?)に一人という天才でない限り無理なんだろうなと思います。練習をとおしてお互い高め合い、いい音楽をみんなで楽しくやっていきたいものですね。
この内容に関しては、個別のものを批判しようとかいう意図ではないので、軽く流していただけたら幸いです。長々と読んでいただき、ありがとうございました!!

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