富士山(吉田大沢)滑降 5月22日(木) 天気:晴れのち曇り

今シーズンのフィナーレは富士山吉田大沢の滑降に決める。フィナーレなので記録もしっかりとった。富士山はなんと言っても天候次第。特に吉田大沢は北斜面の為、残雪は多いが午後になると斜面が急速に氷化することもあり、注意が必要だ。よって、朝早く眠い目をこすって家を出ることにする(時間が許せば、前夜富士スバルラインのゲートが閉まる(PM7:00)前に5合目駐車場へ入り、前泊したいところ)。

午前2:45 
松本市の家を車で出発。

午前5:00 
富士スバルライン入り口(この季節は御来光ツアーの為に、午前3:00にゲートが開く。要確認::富士スバルライン0555−72−5244)。

午前5:20
富士スパルライン5合目駐車場着。朝食と、出発準備をゆっくりして高度順化の時間をとる。富士山山頂が朝日に照らされて美しい(下写真@)が、午後は天候が崩れる予報なので遅くならないうちに下山したいところだ。

午前6:00
駐車場発。シーズンも終わりに近づき、残雪も少ないだろうと思い、ジョギングシューズを履き、スキーと兼用靴は背負うことにした。登山道入り口に「富士山でのスキーやスノーボードは危険です」という遭対協の看板がある。もとより事故責任の領域だ。その先は平行移動の道が続き、途中で佐藤小屋への道を離れ6合目への登りになる。

午前6:30 
6合目通過。吉田大沢を見上げると山頂まで見渡せるが、残雪は予想より少ない(写真A)。7合目まではなんとか滑れるといいのだが・・・・。

午前7:00〜7:10
1時間歩いたので、7合目まで届かないが休憩(プロトレックの標高表示は2615mを示している)。すぐ先に熟年夫婦のパーティ、更に上に数名のパーティが見えるが、スキーをかついでいるのは私だけのようだ。

午前7:20
7合目(花小屋)通過。標高は2700mを表示。上の小屋に向けて雪渓が残っているが、ジョギングシューズのため巻道を進む。よって、赤い鳥居は通らずに東側を通過。

午前8:00
8合目(標高3000m、東洋館)通過。登山道にも積雪が出てくるが、雪もしまっておりまだジョギングシューズで登れる。雪の少ないのが気になり、吉田大沢をのぞき込むと、なんとか滑れそうな状態にホッとする。

午前8:30〜9:00
本8合手前、太子館で大休止(写真B)。ジョギングシューズを脱ぎ兼用靴に履き替える。少し前で追い越した大阪から来たという青年(ミニスキーを背負っていた)は、「(吉田大沢を見て)転んで岩に頭をぶつけそうだ。携帯で気象通報を聞いたら午後の降水確率が40%に上がったのでここで帰る」と言って引き返した。東側に積雲が見え始め不安になってきた。20分ほど様子を見たが雲高はあまり上がらないようだ。

午前10:05〜10:20
白い鳥居の前(9合目)で休憩(標高3550mを表示)。山頂はすぐそこに見えるが・・・・。ここからは登山道を離れ、山頂手前の白い鳥居目指して直登する。外国人ペアが登っているが、男性は女性を置き去りにして山頂を目指しているのが心配。山頂からはこの友人かどうか外国人が下りてくる。さすがフジヤマ、国際的だ。

午前10:50
山頂浅間神社着(写真C)。よく見ると右後ろに外国人が昼寝をしている。雲が上がってきつつあるが雲海の上は最高、ビールもうまい。久須志岳からはお鉢の向こうに剣が峰と旧富士山測候所が見える(写真D)。測候所から火口へ滑り込めそうな斜面が見えるが、そこまで行くと下り坂の天候が不安な為やめることにした。とは言え、1時間以上暇つぶしをしているうちにガスが上がってくる。「やばい」と思ったが、3〜5分おきに晴れ間がのぞくので、その間をねらえば滑降にも差し支えなさそうだ。

午後12:05
晴れ間を待って、白山岳とのコルから吉田大沢に滑り込む。9合目あたりの高度までは30°程度の斜面で、2日ほど前に降雪があったらしく、残雪の上に真っ白な新雪が10cmほどのっていて(下の残雪ともなじんでいる)、快適なシュプールを描けた(写真E)。9合目高度の下はやや斜度が増すが相変わらず柔らかい雪で不安はなく快適だ(但し、空気が薄いので息が切れるため、ちょくちょく立ち止まった)。なんて思っていると、8合目あたりでスキーが「ガリッ」と音を立てる。ストックで雪面を観察すると、なんと残雪がなく、露岩の上に新雪が載っているところがあるではないか。登る時に見た7合目あたりの雪は黒ずんでいて明らかに残雪だったので、うまく雪を拾えば行けるだろうと思ったが、今シーズン買ったスキーを傷つけたくなかったので滑るのを止めた(12:30頃)。スキーをかついで雪渓をトラバースし、登山道への岩場を駆け上がり、12:458合目太子館上に出た。ジョギングシューズに履き替え、再び兼用靴を背負う。

午後12:55
登山道を下山、途中の7合目あたりで吉田大沢をスキーで下る人影あり。山頂でゆっくり休んでいる間に登ってきた人であろうか、多少スキーを傷つけながらも下ったとみられる。多少うらやましくもあるが、やはりスキーの方が大切だと自分に言い聞かせた。

午後14:20
5合目駐車場着。既に富士山山頂は雲の中になってしまった。

滑降距離が短く、山スキーというより登山的な要素が多かったが、今シーズンのフィナーレを飾る富士山の滑降に満足満足。

@5合目駐車場より朝日に照らされた富士山(吉田大沢は左奧になる)A6合目の上から吉田大沢〜山頂を眺める。残雪が少ない。B8合目の上までスキーと兼用靴をかつぎ、ジョギングシューズで登る。C富士山頂上浅間大社の碑にてD山頂(久須志岳)より、後は剣が峰の旧富士山測候所E白山岳とのコルから吉田大沢に残したシュプール