今月のカメラ   2000年11月号   100円のジャンクカメラ

その昔から、写真にともに狂った親友Yくんに、「ホームページ作ったからさあ、見てくれよ」と、電話した。10月号のKONICAIIIを見て、「ああいうやり方だと、いくらでもいけるね」と、感想をいただいた。そうそう、「今月のカメラ」と平行して、「写真用品」もたくらんでいるし、ネタはたくさんあるから、2年以上は行けると踏んでいる。UP DATEしつづける根性続けばの話だけれど。それから、Yくんには「KONICAIIIきれいに撮ってあったね(実は、取ってあったね..かな?)」と言われて、少し気分が良くなりました。

まず、このページは、クラシックカメラのコレクションをひけらかす、わけでもないし、カメラの機構の講釈をしたいわけでもありません。だいいち、クラシックカメラとして、お宝のものは持っていないのだから、「ひけらかし」は無理なのですが。
なんとなく、カメラにちなんだ思い出とか、今の気持ちを少し書いて、あとは絵本的に画像をちらりと見てもらえればいいのです。絵本と言いながら、今回は、余計に文章を書いていますが。


某カメラ屋さんに時々ジャンクカメラが置いてあります。前の店長さんの時代に、上の子の幼稚園での父母同士での交流から、そのときの店長さんと親しくなる機会があり、通うようになったのですが、店長さんが転勤で替わっても、今でも行っているのです。
プリント頼みに行ったときに、ふと目が行きました。いつも気にしていない、ジャンクの中に、かなり気になるものが混じっていました。本来ならば、もはやカメラを増やしても、体はひとつしかないし、手は二本しかないので、ジャンクを何とかしようとは思わないし、ジャンクいじりの趣味でもないのですが、、その時だけは、吸い付けられました。なにしろ、70年代風の、ケースが一台だけ目立っていたのです。近づくと「YASHICA」の文字。これは、これは、おもしろそう。動かなくても、中身はメカに違いないから、遊べそう。価格は100円。即買いました。言ってみれば、この時代のコンパクトカメラになんとなく、ひかれるものがあると言うべきですね。
YASHICAを知らない若い世代の方に簡単に説明すれば、昭和20年代末からの二眼レフ時代から優秀なカメラを生産した歴史あるカメラメーカーです。昭和40年代、ヤシカエレクトロ35シリーズの、ローソク一本の灯りでも写せますのコピーで、ポピュラーなカメラを出しています。カールツァイスと組んで、いきなりCONTAX RTSを出して、ツァイスのレンズのコーティング以外をヤシカで生産した時代もあったのですが、現在は京セラに吸収されています。「ヤシカマット」、「ヤシカフレックス」あたりのキーワードでも、検索サイトで探してみてください。


YASHICA 35MFです。asahi.com のアサヒカメラ、ニューフェース診断室のデータを見たら、1977年5月号で取り上げられていました。残念ながら、ニューフェース診断室の総集編である「国産カメラの黄金時代」には、取り上げられていませんので、今見ることは難しそうです。母校Y大学Kキャンパスの写真部部室には、その当時は1977年のものなら、当時はあったでしょうが、今は捨てられて存在はしていないでしょうねえ。15年以上は部室に行っていないし。

ストロボ内蔵を標準化した、「ピッカリコニカ」は、1975年ですから、同じような仕様で2年後に出しているのは、YASHICAとしては、どうなんでしょうね。

ジャスピンコニカが1978年の1月ぐらいですから、AF時代の直前に小型ではあっても、AF以前の最終形なのでしようねえ。

ケースからとり出すと、酷使されている様子はありません。ボタン電池は、電圧がありませんから、相当使わずにいたようです。乾電池は入っていませんが、液漏れのあとがあります。まずは掃除です。乾電池はストロボ用で、ボタン電池は、オートの露出計用と見ました。幸いにも、水銀電池の仕様ではないので、LR44を入れて、巻き上げて、レリースボタンを押すと、「チッ」という、いかにもレンズシャッターという、懐かしい音がしました。メカは生きているようです。ストロボをポッフアップすると、キーンとチャージの音がして、光ります。裏蓋を開けてシャッターを切ると、確かにストロボとシンクロしています。レンズの汚れも、たいしてありません。気持ちが良くなって、もはや家族は寝静まっているので、ニヤニヤしながら、ウイスキーを取り出して、飲みながら、巻き上げの感触やら、シャッターの音を楽しみました。酒のつまみとしては、100円はかなり安い。すでに一晩で、100円の元をとりました。

仕様をながめると、写真のようにフォーカスは、距離アイコンで、目測であわせるものです。ファインダー内は黄色いフレームとパララックスの小さなマークがあり、ファインダー内情報は、絞り情報です。アナログの針が右横を上下します。2.8が下で16が上になってます。レンズは38mm F2.8で、当時の標準的なものです。ASA,DINの表示がなつかしいですね。常用フィルターをすると、いちいちはずさないと、感度変更ができない仕様は特に珍しいものではありませんでしたね。感度変更すると、レンズの上の測光窓の絞り?が変化するという、当時の標準的仕様で、フィルターの露出係数を考えなくとも良いと言う、賢い設計だったのでしょう。でも、このカメラの想定されたユーザー層はフィルターつけたかなあ。
ストロボをポッフアップすると、絞りは、距離の設定に応じて、開閉するもので、ストロボは常にフル発光しています。コントロールのいらない設計です。絞りは、2枚の羽根の開閉のため、下に少し伸びた、ひし形になるため、画像は、いまいちと予想できます。なにぶん、100円のカメラですから、ためし撮りのフィルムがもったいなくて、結局のところ、10ヶ月くらい経つけれど、フィルムを入れて実際に撮影できるか挑戦していません。シャッター音聞くためにあるのかな。

巻き戻しクランクは、底面にあります。ポップアップストロボと場所的にぶつかるので、苦し紛れでさけたのでしょうね。そのクランクの隣が単三の電池室です。
下から見ると、フォーカス目盛がメートルとフィートの数字で書いてあるのですね。
三脚穴はあるけれど、セルフタイマーが無いのは、外付けを別に買えということでしょうか。いつ頃まで外付けのセルフタイマーが売られていたのでしょう。今のコンパクトカメラはリモコンが一般的になったし、電子的に簡単にセルフタイマーつけられるので、外付けのセルフタイマーを取り付けられるレリースボタンのあるカメラもないですね。レンズ付きフィルム用のセルフタイマーは、昔風でたのしいのですが。



巻き上げレバーの下に見えるのが、露出用のコイン電池。水銀ではなく、LR44で動作するのがラッキー。
AEロックスイッチもありません。


気分を良くしたので、またも、ジャンクを買ってみることにしました。下の子が使ってるカメラは、お兄ちゃんの誕生日プレゼントの防水カメラのついでに、買ってもらった、安カメラです。たしかに、カメラとして売ってはいましたが、実際使ってみると、はっきり言って、「レンズ付きフィルム」より、写りが悪いのであきれました。周辺は虹がかかったように、にじみ、そしてゆがむ。解像度も「むしめがね」状況。どうにか、少しはまともなカメラが必要ということで、ジャンクあさりとなりました。巻き上げがモーター、デート付きというものが、たくさん転がっていました。ひとつにねらいをつけました。電池が液漏れして、そのまま、干からびたものがありました。FUJIFILMのものです。外見は液漏れ以外の問題は見当たらず、いけそうです。単焦点なのですが、なにしろ小学校1年生用と考えればこんなもんです。100円ですから、捨ててもそれまでです。
家に戻ると、ぼろぼろの電池を取り出して、ひたすら掃除です。以前サンパックのストロボで電池液漏れさせて、基板交換になったことがあるので、動作する確率は高くはないと考えていました。掃除して、電池を入れました。レンズのバリヤーを開くと、スイッチが入るはずです。レリースボタンを押すと、シャッターの音がして、巻き上げモーターの音もしました。シャッターと巻き上げの動きを見ると、動いています。送りのコマも、正しいようです。デートの日付は表示していますが、写しこめるかどうかは試し撮りは必要です。
弟くんに見せると、いままでの、ピングー模様と違って、いかにもカメラらしい形に、大喜びです。スーパーからもらって来た、ペットボトルをぶら下げるひもをストラップにしてみました。つまり、ストラップは、タダです。


ISO400で一番安いフィルムを買ってきました。それでも、100円のカメラでは、カメラより高いフィルムとなりました。最近のコンパクトカメラに無知なのでよくわからないのですが、元が安いカメラのためか、フィルムを装てんしても、1コマ目まで、自動で送ってはくれませんでした。その上に、最後のコマに行っても、自動で巻き戻しはしてくれず、マニュアルで、巻き戻しのスイッチを入れなければなりませんでした。これは、安カメラの仕様なのか、はたまた、この部分が液漏れで壊れているのか、判断できていません。しかし、ピングーよりは、かなりまともに撮れました。弟くんも満足です。写真を見るのも、撮るのも好きな弟くんは、チャンスがあれば、「僕のカメラ」を出してくれとせがむようになりました。
とりあえず、今度は実用に供するカメラが100円で増えたので、満足しています。


これが、それまでのピングーカメラです。これも、オリジナルは、水色のハンドストラップがついていたものを、弟くん仕様に合わせて、ペットボトル用ストラップで、ネックストラップとしています。
24枚撮り、3本撮りましたが、あまりにも、写りがひどいので、お蔵入りです。


ジャンクカメラのおまけのお話を。
我がルアーの師匠であるGさんに、「ニコンFマウントのカメラで、バルブが切れるカメラでいいから、安いのを探してくれ」と言われていて、東京に行ったときに中古を探しました。メーター故障ということで、安いのを見つけました。機種と価格はとりあえず伏せておきます。買って帰ると、外見はかなりきれいですが、確かに、メーターは、ゆっくりと不安定に動くあやしい状態です。もちろん値もでたらめです。シャッターは、精度はともかくとして、全速切れます。あとでGさんから電話が来てびっくりしました。感度合わせのダイヤルと同軸に、可変抵抗がついているタイプなのですが、その可変抵抗が、アマチュア無線用語でいうところの「ガリオーム」になってたというのです。接点を復活させるとちゃんと動いたのです。ラッキーだなあ。日ごろのおこないなのかなあ。親友の、Yくんは古くからのニコンユーザーなのですが、後で聞くと、ある時代のものは、確かに可変抵抗部分がやられやすいとのことでした。あらかじめそのことを聞いていれば、自分のものにしたのにと、ちょっとショックでした。あーあーっ、みごとにきれいなブラックボディーだったなあ。
(2000.11.2 オリジナル)

じつは、その後、ジャンクにはまってしまって、2003年末までには、レストアしたカメラもごろごろですが、まだレストアしていないものと、ニコイチ用のドナーと、どうしようもない、ジャンクが、ダンボールひと箱に入り切れず、だいたい、みかんの箱ふた箱くらいあります。安い楽しみと、現在のところ公認の趣味として、なりたっています。
(2004.1.3 一部修正)


[「由美と比の趣味の廊下」にもどる]