比の写真用品   第二話   光る

写真用品のおはなし、第二話のお題は、「光る」です。
今月のカメラに時間をとっているので、なかな思うように短期間で、アップできていません。ネタはあるのですが、画像データを作るのに時間がかかってしまうため、進まないのが悩みです。
さてさて、はじまります。
今月のカメラ10月号の、KONICA IIIといっしょにやってきたのは、右のフラッシュの傘です。
フラッシュと言うと、最近の皆様は、ストロボ(スピードライトともいいます)のことと思うでしょうが、以前は、ストロボとフラッシュは別物という扱いでした。
残念ながら、私は、ワンテン(110フィルムを使うカメラ)やポラロイドを買ったことが無いので、結構ポピュラーだった、「マジキューブ」というものを使ったことが無いのですが、あれも、フラッシュの仲間に入れて良いのではないでしょうか。使うたびに90度回転して、4回使えるマジキューブは、友人が使っているのを見て感動しました。

さて、右のフラッシュの傘ですが、「Rainbow」という謎のブランドです。おやじさんから譲り受けたときには、取扱説明書も梱包箱もなかったので、どこで作ったのかも不明です。

乳白色の本体がなぜか今風です。


傘を開くと、こうなります。
本来、電池を入れるところには、22.5Vの電池のほかに、チャージ用のコンデンサーが交換できるように入っているのが面白い設計ですね。それほど当時のコンデンサーは壊れやすかったのでしょうか。
コネクターがストレートのところは古さを感じさせてなかなかよろしいですね。
 

高校の1、2年の時に、一番使ったフラッシュの傘です。
ナショナルブランドです。当時の価格は覚えていません。カメラショーのパンフレットは残っていますが、用品ショーのパンフレットは残していなかったので、調べようもありません。松下電器産業、写真用品事業部というのは今もあるのでしょうか。ストロボを作っているからあるかなあ。
22.5Vの電池は東芝製ですが、大きなカメラ店では、まだ置いていますから、買ってきたら動作するはずですね。ただ、内部の回路で特にコンデンサーは容量ヌケしていないかは、問題ですが。
友人のマミヤ6を借りて、このフラッシュを使ったのは印象に強くのこっています。


東芝の、モノクロ用FP級バルブのベースタイプです。

フラッシュバルブには、光るタイミングで、M級とFP級があります。M級は、レンズシャッター機で使用して、FP級はフォーカルプレーンシャッターで使用します。ただ、フラッシュ自体が、金属を酸化させて、言ってみれば「燃やして」発光させるため、発光時間がストロボよりは、長いため、シャッタースピードと使用するカメラとの組み合わせによっては、スローシャッターを切ると、本来専用ではない組み合わせでも使用できます。

ニコンF2を例にとると、低速のストロボシンクロできるシャッタースピードの時は、X接点として動作して、それより高速にすると、FP接点になります。この場合は、M級は使用できないかもしれません。

一番左のバルブは使用後の燃えカスが内壁についた状態のバルブです。

わからない人のために書きますと、フラッシュは、ガラスの電球状のものの中に、燃えると強い光を出す金属の細い線を入れて、光らせるときは、それに電流を流して発火させます。そのため使い捨てとなります。電池は発火のエネルギーのために必要で、ストロボとは電池の減りがまるで違います。ガラスが割れて飛び散るのを防ぐため、外側を軟質のプラスチックでコーティングしてあります。

ナショナルブランドのFP級のバルブです。
モノクロ用は、バルブの色が透明でしたが、カラー用は色温度を、太陽光に合わせるためブルーの色がついています。
フィルムでタングステンタイプがありますが、あれは、写真電球に色温度とスペクトルを合わせてあるため、モノクロ用のフラッシュバルブには、正確にはあっていません。
もう、町の写真館でも、フラッシュバルブ使って撮影するところは無いと思いますが。







M級の東芝製です。
特に下の「閃光電球」と、書いてあるのは、おやじさんより譲り受けたときのもので、昭和30年代のものと思われます。
おやじさんは、昭和30年代の最後のほうで、ストロボを購入しましたので、40年代は、ストロボしか使っていないと思います。











上の昭和30年代と思われるものの箱には、このような早見表がついていました。

それから、この箱には、学生会館のシールが貼ってありましたが、当時の学生会館の売店で買ったのでしょうか。











M級のナショナルブランドのベースタイプです。
一番下の5Nだけカラー用です。
0は、どこかのカメラ屋さんの、「もってけどろぼう」ワゴンセールで買ったものですが、日の目を見ずに終わりそうです。














ベースタイプとAGタイプの比較です。
AGタイプは、真空管の、サブミニチュア管やエーコン管を思わせて、好きなバルブでした。そして、小さくて、持ち運びに便利で、安かったので、AGタイプを愛用していました。ただ、安いと言っても、1個で30円以上しましたので、たくさん使うことはできませんでした。


余談ですが、真空管の在庫もありますが、アマチュア無線の話題をはじめると、手を広げすぎになるので、やめておきます。
興味のある方は、メールください。









AGタイプの東芝です。
比較のためベースタイプを1個置きました。

この写真では見えませんが、箱には当時の東芝のキャラクターである、光速エスパーの絵も描いてあります。










モノクロで一番使った、ナショナルブランドのAG−6です。
新品の箱も残っていました。

高校生のころの私は、モノクロでさえも、フィルム代と現像料、そして、このフラッシュバルブを考えると、一こま撮影するにも、入念なピント合わせと、構図を考えて、大事に撮っていました。今では考えも及びませんね。

このころのナショナルブランドのバルブの箱は、赤がM級、緑がX級です。






ナショナルのバルブは、使用可能かどうかのインジケーターがついていました。AGタイプは、上のように、水色の点がありば、使用OKで、ピンクになると、使用できないと書いてありました。
ピンクのものを使おうとしたことはないので、本当に光らないのかはわかりません。今回ホームページのために、久しぶりで在庫を見たら、ピンクのがありました。









ストロボとしては、ほんとうの初代は、今はなき、「カコ」ブランドのものが一台あったのですが、残骸も見つけることができませんでした。カコで記憶にあるのは、AC入力のみのストロボで、やたらと長くて、5・6メーターあるACコードがついていました。電池動作の場合は外付けのパックに単三4本入れたものに、インバーターがついていて、100Vに持ち上げて動作させていました。おやじさんから引き継いだときは、電池パックが、電池の液漏れで壊れていて、ACでのみ使用しました。AC動作の場合でも、そのうちに光らなくなりました。クセノンチューブが死んだのでしょうか。

左は、今も現役で、たしか昭和56年ころに、新宿のYカメラで買ったものですから、19年ほど現役です。これはまだ、サンパックではカタログに載っているはずです。小型で使いやすいため、どこにでも持って行きます。山小屋での宴会撮影もこれです。
右側は、妹が使っていたもので、EOS初代を使い始めたときに、私に回ってきましたが、その時点でまったく同じガイドナンバーで左のAUTO20SRが使いやすかったので、使った記憶がありません。デザインも一時代前です。
高校から大学まで、愛用したナショナルブランドのグリップタイプです。自動調光の大光量はグリップタイプ゛中心でした。当時のいわゆるオートストロボで、反射した光を受光部で受けて、光の強弱を自動でコントロールするため、絞りを一定にしておいて、被写体までの距離は考えなくて良いというものです。芸術作品を作ろうと考えなければ、この仕掛けだけで、実用的には充分でした。左の写真では、ワイドパネルを付けています。28mmまで対応できたと記憶しています。
このグリップタイプの欠点は、通常の35mmカメラで、底面に三脚ネジ穴があるものしか使用できません。二眼レフとか、中型カメラには使用しにくい構造です。






最後に買った(現在の時点で)のは、サンパックの4205Gです。
(1) ガイドナンバー42(ISO100時)と言う大光量
(2) サンパックが好き
(3) バウンズが簡単にできた
(4) TTLストロボは、カメラメーカー純正品しかなかった(当時)
(5) ブラケットを交換すると、中型カメラにも取り付けられる
ということで、昭和60年ころに購入しました。

あまりの大きさに、使用する場面が制限されるため、そう何度も出番はありません。
一昨年、電池の液漏れのために故障したのを修理に出しましたが、基板交換で修理可能でした。まだまだ、使えそうです。クセノンの丈夫なサンパックの神話は今も健在でしたら。


おまけとして
Yくんの在庫の、大型のフラッシュバルブ。
通常の電球と同じスクリュータイプのバルブは業務用のものとしては一般的ですが、業務用は電球と同じ大きさなのですが、これは不思議な大きさです。メーカーも聞いたことの無い名前です。
ある写真屋さんが廃業するときに、在庫であったもののひとつだそうです。








こじつけで、もうひとつ。
高校時代に、モノクロのベタ焼きを自分の部屋の、押入れの中で作業したときに使用した、暗室電球です。結構お世話になりました。














小型のカメラと、普及版の一眼レフは、ストロボ内蔵の時代です。しかし、やっぱり外付けのストロボも良いなあ。
内蔵ストロボで、「赤目」を見たり、フードでのケラレを見ると、まだまだ外付けの生き残る道はありそうです。
TTLストロボの中古探し中の現在です。
(2000.12.30)


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