今月のカメラ 2001年4月号   Nikon FE

先月のNikon New FM2に引き続きNikon FEです。

シルバーボディーです。わざと、短めの茶色の皮ひもを付けています。
レンズは、大好きな、Ai マイクロニッコール 55mm F3.5を付けてみました。
1981年にF2.8が出てから、人気が落ちましたが、約ひと絞り分の違いですが、玉が小さい分、設計と、製造に無理が無く、できが良いレンズと思っています。今の中古相場を見ると、もう一本買うかという気がするほど安くなってしまったのは、いいのか、わるいのか。




1977年はわれわれの世代で、カメラに興味のある人のなかには、忘れられない年になったという場合もあるでしょう。
そう、あの「カニヅメ」に頼っていた、開放F値の情報を、カニヅメにも頼らずに伝えると言うことで、ニコンのレンズラインナップはもとより、カメラのラインナップも一斉に替わりました。
口の悪い人は、「もうほかのカメラは、ずっと前からやっていたのに、いまさらやって、たいそうに宣伝して」と、こきおろしたものでした。でも、何度も弁護されているように、「不変のFマウント」「上位コンパチ」という、原則を崩さずに変更したのは、立派なはずです。
このとき、Nikomat FT2は、Nikomat FT3になったのに、なぜか、Nikomat ELWは、Nikon EL2になってしまいました。
私には、「なってしまった」というのが、正直に感覚であり、フラッグシップである、プロ仕様のFやF2は、Nikonブランドで、それ以外の一眼レフは、Nikomatでしかないと感じていました。
Nikomatをバカにしていたわけではありません。それよりも大学の先輩の、Nikomat ELを使わせてもらったときのことは今も忘れられません。出来上がった写真は、私の予想以上の出来で、カメラに助けられたと感じるほどでした。Nikomat ELは、今も欲しいカメラなのですが、なかなか気に入った中古に出くわしていません。
それから、Nikon FEは、Nikomat EL2の後継機種とされています。

話をFEにもどしますと。
1977年にNikomat FT3の後継機としての位置付けで、Nikon FMが発売され、それを追いかけるように1978年にNikon FEが発売されました。当時の価格は、
Nikon FMは、57,000円 (ボディーのみ)
Nikon FEは、69,000円 (ボディーのみ)
ということで、FEのほうが断然高かったのに、今の中古価格は、MFカメラのトレンドを反映してと、FEの電子部品の修理不能がたたって、FMのほうが断然高くなっているのは面白いですね。

シャッターは、電子制御の最高速1000分の1秒で、シンクロ速度は125分の1秒。電池がなくても動作する、機械シャッターは90分の1秒が用意されています。なお、バルブも電池が無くとも動作します。私の友人の天体写真を撮る人は、夜露にぬれても、惜しくないということで、FEを使っていますが、電池がなくともバルブが切れるということで、電子回路が故障しても使いつづけられると喜んでいます。

シャッターダイヤルの文字は、掘りこみと高級感があるのですが、ブラックボディーと共用のため、黒いのが気になります。シルバーには、シルバーのダイヤルが欲しかったですね。
感度のダイヤルには、なつかしの「ASA」と書いてあります。

FEと書いてあるのはこのシリアル番号の部分だけです。Nikon FMも同様です。FE2とFM2は、正面から見て左にモデル名がつきましたので、FEとFMが、遠目に見分けるのが難しいですね。画面では、下3ケタをモザイクにしてありますが、本物には傷はありません。
なお、この巻き上げレバーですが、FM,FMのシリーズに共通で、分割巻き上げができません。







シャッターは縦走りであるのは、FM, FEシリーズの共通仕様ですが、最高速が1000分の1秒ですので、New FM2と、見た目も違いますね。
それでも、シンクロが125分の1秒なので、当時は、たいしたもんだと思いました。










底面はFMと同じですね。
モータードライブも共用できますが、このボディーにはつけたことはありません。接点は少し腐食しています。
どうです、まだきれいなほうでしょう。










スクリーンは標準では、スプリットですが、なにしろ、古い人間なもので、前面マットを使っています。FM,FEからは、ユーザー交換になったので、簡単に交換できて便利です。

スクリーンの左端にうっすらと、アナログメーターが見えます。今となっては、FEの「売り」は、このメーターくらいしかありませんね。New FM2のプラス・マイナス表示は、なじめますか。

右上の、Aiレンズの開放F値情報を受けるツメは、折りたためるので、Ai以前のレンズの使用も可能です。とは言っても、Ai以前のレンズは持っていても、使いにくいのですが。



スクリーンの箱です。これは、FA,FE2用と記載されていますが、同一のものが、今も、New FM2, FA,FE2用として販売されています。FEに取りつけた場合は、オリジナルよりスクリーンが明るいので、2分の1だけ、プラスに補正するように、説明書に書いてあります。
写真の箱に入っているのは、オリジナルのスクリーンです。








友人は昨年、FEのブラックボディーの中古を9000円で購入しました。
すばらしくきれいなボディーです。メーター不良ということで、9000円となっていました。初めは、メーターがまったく動作しませんでしたが、感度設定ダイヤルを回していると、動き出しました。しかし、値がまったく違います。やたらと、プラスに補正しないといけません。ISO100のフィルムで、ISO25くらいに合わせないといけないのです。FEは修理を受け付けてくれないということで、意を決して分解しました。そうしたら、すでに分解した形跡があって、感度設定ダイヤルと、可変抵抗の軸の位置設定がでたらめであったというのです。とりあえず、大体の位置で設定して、私のFEと、比較してみました。そしたら、大体の設定なのに、2分の1以下のズレ程度だし、私のFEも信じていいのやら。なにしろ、可変抵抗で設定しているのを見たら、そんなに正確ではないだろうということで、「ほぼ当たり」ということにしました。9000円で、FEの完動の美品を手に入れたことになります。めでたしめでたし。
私も、あやかりたいなあ。日頃のおこないですね。これからは、メーター不良の中古をチェックしましょう。

(2001.4.2)


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