今月のカメラ | 2001年2月号 | Yashica Flex |
さてさて今回はこの撮影のため久しぶりで引っ張り出してみました。 Yashica としては、2機種目の登場ですね。 |
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昨年10月号で書いていますが、おやじさんが二眼レフを避けていましたので、我が家には、二眼レフの「はやり」の時期にも二眼レフは存在しませんでした。 近所の、Nさんの家は、私にとって憧れの家でした。一年上のスポーツ万能のお姉ちゃんがいて、当時としては最新の、ケーブル式ではあるけれど、リモコンのついているテレビがあるし、お母さんは美人で、お父さんもかっこいい。そのお父さんが使っているのが二眼レフ。Nさんのお姉ちゃんのお誕生日会に呼ばれると、二眼レフでの記念撮影があります。二眼レフで写されるのは、たぶん一年でそのときだけです。それがとってもうれしいのです。家に無いものだから、うれしいのです。ただそれだけなのですが、こどもだから、うれしかったのです。 上は、Yashica Flex のケースをつけている状態です。皮ひもは「よれよれ」ですが、ケース自体はさほどひどくはありません。 |
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レンズは、ファインダーが80mm F2.8、撮影レンズは、80mm
F3.5 です。当時としては標準的な構成です。ファインダー用は、Tri-Lauser
と書いてありますので、3枚構成でしょうか。撮影レンズはYashikorと書いてあります。見ると3群構成です。 フィルターもフードもバヨネットでつくようになっています。フィルターがバヨネットなのは、当時の標準で、これにあうフィルターもたくさん出ていました。今は見ませんね。面白いことに、レンズは交換できないのに、ファインダー用と撮影レンズにそれぞれシリアル番号が別々についています。KONICA III もそうでしたが、レンズに本体のシリアル番号とちがう番号をつけるのは、いかにもレンズは高価なもので、重要かを示しています。 むかって右の赤い文字の3.5から22までが、絞り値の設定です。撮影レンズのみ絞りがあり、ファインダーで、被写界深度を確認することはできません。 左の黒い文字がシャッタースピードです。B、1、2、5、10、25、50、100までは当時の標準的なものですが、最高速は300となっていますので、無理してがんばったのでしょうか。ごらんの通りシャッターはCOPALです。Bの近くにあるレバーがシャッターチャージレバーで、COPALの文字のALの下にあるのがセルフタイマーのレバーです。レリースボタンは左下一ヶ所です。 |
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レンズ側から見て左側、操作していて右手方向です。 左のノブは、フィルム巻き上げノブで、真中を一度押すと、止まるまで巻き上げるという方式です。フィルム巻き上げとシャッターチャージは連動していませんので、シャッター切らずに巻き上げも可能ですし、二重露光もごく簡単です。あらかじめ巻き上げておいて、撮影する時にシャッターを切るか、何もしていなくて、撮影時に巻き上げとシャッターチャージを二つともするか、自分で決めておかないとひどいことになります。昔はこんなカメラが当然でしたが。 ASAと書いてあるのは、往年のAmercan Standard Authorization だったかな?で、フィルム感度ですが、これは、メモとしてあるだけで、露出計がついているだけではありません。10,16,25,32,50,100,200とあります。 フィルム巻き上げノブの下にあるのが、フィルムカウンターのリセットボタンです。フィルムカウンターは右の小さな丸い窓です。このカメラは120フィルム専用なので、12までしかありません。スタート位置は二重丸です。 右のノブは、距離合わせです。メーターのみの表示で最近距離は1メーターですから、優秀なほうでしょう。被写界深度の目盛もついています。感度のメモはDINがないし、距離はフィートもないので、輸出仕様は別に存在したのでしょうか、一度見てみたいと思っています。 |
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底面は、三脚穴と裏ブタの開閉のロックです。 文章ではあらわしにくいのですが、Oのほうに回すと、銀色のパーツがニューッと伸びて行って、ロックが外れて、裏ブタが開きます、下からL形の蓋なので、三脚に取りつけたままでは、フィルム装てんができません。 |
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ファインダーは、結構おそまつです。 比較対象に問題があるのかもしれませんが、ミノルタのオートコードは、大学の先輩のものを一度見せてもらったし、親友のYくんも持っています。ミノルタのオートコードはきちんとしたフレネルのついたスクリーンできれいに見えます。Yashica Flex は単純な「すりガラス」です。構図用の細い赤い線が入っているのが逆にわずらわしく感じます。 デジタルカメラでは、ファインダーの見えは、うまく撮影できませんでした。 |
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絞り羽根は10枚です。 さすがに、枚数が多いので、真円に近くなります。使いこんでいる様子が見えます。 |
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あっとおどろきました。 フタを開けたら、撮影済みのフィルム発見。ネオパン400です。いつ撮影したのか、さっぱり記憶がありません。大学卒業して、5年くらいは、まじめに写真とっていましたから、そのころだと思います。すると、10年以上前のことになります。中古カメラ買ったら、撮影済みのフィルムが入っていたという話は聞きますが、自分のカメラ10年以上ぶりで引っ張り出したら、撮影済みのフィルムが入っていたというのは、お恥ずかしい限りで。 さて、現像すれば、像が出るのでしょうか。カメラのKに聞いたら、現像料は400円とのことでした。薬品はいくらかなと見たら、ミクロファインの600ml用が130円、フジフイックスの1l用が、180円でしたから、自分でやれば、わずかに安く済みます。ミクロファインは、4本現像できますから、ついでに、何本か撮って現像するのも一興です。 カメラの話題に戻りますが、赤い三角にスタートマークを合わせる、立派な方式で、現代の120/220フィルムを使うカメラと同じですね。フィルムは下から上に送られます。90度曲がるところには、ローラーが入っています。まともな設計です。 |
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巻き上げが、裏窓ではないし、120フィルムだけ対応なので、アルミ板の単純な圧板です。 |
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なぞのMODEL C フタを開けた、底面です。 ほかに、MODELはあったのでしょうか。こんな中にMODEL Cとは、なぞです。 下に見えるノブを引っ張ってスプールを付けたりはずしたりします。 |
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フードです。 中古購入の時からついていました。Kenkoと書いてあるので、現在のケンコーとロゴが違うだけで、同じケンコーでしょうねえ。 はじめてケンコーの製品を買ったのは、1973年にクローズアップレンズが最初なのですが、その時は、このロゴではありません。 |
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フィルターは、あとで購入しました。 KONICA IIIのところで書いた、仁天堂写真部で、古い在庫見せていただいて、この二つを購入しました。二つともWalzです。 HAZE-CUT A.C. は、ヘーズカットフィルターと思いましたが、右のB.2 は、良くわかりません。ライトバランシングのブルー系の2番という意味でしょうか。コダック、ラッテンのNo.82相当なのかな。それとも単なるCCフィルターのB2なのかな。ガラスのCCフィルターは、無いと思うのですが。知っている人がいたら教えてください。当時のWalzのカタログお持ちの人がいたらコピーをいただきたいなあ。 |
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フードとフィルターのフル装備の姿です。 自分のものでも、我が家でも120フィルムを使えるカメラは、はじめてでしたので、面白がって使いました。露出計はついていませんが、KONICA IIIでおやじさんが使っていた反射式のセレン式のものを使っていました。モノクロはもちろん、カラーは、リバーサルも使いました。写りはともかくとして、「二眼レフ」だ、「120フィルム」だ、という意味だけで使いました。 引き伸ばし機のフィルムキャリアーも35mmしか大学の暗室には無かったので、個人で買いました。引き伸ばしレンズは、フジノン75mmが暗室にあったので、これは個人では購入の必要はありませんでした。 接写もしてみました。ものの本に書いてあった通り、三脚のエレベーター使って、クローズアップレンズ使って。なんとか成功しましたが、一眼レフから比べると、かなり疲れます。実用的ではないですね。 カラーのネガで、正方形のプリントも何度がしてもらいました。今は、正方形のプリントサイズはあるのでしょうか。成人式にもこれを持っていって、小学校や中学校の同級生の写真をこれで撮影しました。 あとで、120/220フィルムを使えるカメラをもう一台購入したので、メインでの出番は無くなりましたが、昔風の渋さを感じて、それなりに使っていました。10年以上前に、スローシャッターの調子が悪くなったため、使用をやめています。そのころは、修理できるとは考えていませんでした。メーカー修理の期間が終わると、もうそれでカメラの寿命は終わりと思っていました。このカメラもそのうち修理に出します。二眼レフの中古市場価格を見ると、Yashica Flex の価格に驚いてしまいました。 (2001.2.3) |
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