今月のカメラ 2001年7月号   OLYMPUS OM-1

カメラとは、道具です
を、実践したのは、この傷だらけのOM−1のブラックボディーです。
高校入学と同時に、先月に解説したM−1を買いました。高校時代は、M−1をメインにして、お遊びで、Canon Demi S を使っていました。でも、高校の3年間で、カラーネガを撮ったのは、5本程度だったはずです。おこづかいが少なくて、カラーで撮ることが難しかったのです。300円握って、写真屋さんに行って、富士のネオパンSSかSSSを2本買います。はじめは、写真屋さんに現像出して、べた焼きしてもらっていたのですが、それでも金額的にはきびしくて、そのうちに、フィルム現像とベタ焼きまでは、自分でやったほうが、安いということに気がつきました。それでも、高校3年間で使ったフィルムの本数は、たかが知れています。
大学に入ると、本気で写真を撮りはじめました。金額的には、モノクロの本数が多いのですが、カラーのリバーサルも時々撮りました。オリンパスM−1は、初期だけのもので、OM−1となっていました。まわりの人たちの中で、ブラックボディーを持っている人もいました。ブラックボディーは、5000円高いのが一般的だった時代です。大学2年の時点で、交換レンズは、50mmを含めて3本になっていましたので、いっぱしのアマチュアカメラマン気取りですから、もう一台、本体が欲しくなっていました。それは、M−1と見分けやすいし、高級感もあるブラックのOM−1です。
そんなわけで、大学2年のときに、このブラックのOM−1を買いました。それ以後メインのカメラは、このOM−1になりました。とにかく、使いまくった覚えがあります。まず、メーカー製のカメラケースを買うお金も惜しかったので、布の袋を自分で縫って、それに包んで持ち歩きました。その布も、やがて擦り切れました。カメラ自体も擦り切れ状態です。角は、塗装がはげて、真鍮色がでています。塗装がはげたというより、角がだいぶ削れたり、へこんだりしていますがね。
モータードライブ2
だいぶあとになって、就職してから、買いました。絶対に必要と言うわけではなかったのですが、友人に、バイクのきちがいがいて、「バイクに乗っているところの写真を撮ってくれ。年賀状に使うんだ」と、毎年頼まれるので、モータードライブがあれば、ひとつのコーナーで一気に何コマか撮れるので便利だろうなということで、購入しました。オリンパスのOMシステム用としては、二代目にあたる「モータードライブ2」でした。モーターを2台内蔵して、互いに逆回転にして、トルクによる、反動を打ち消すという、うたい文句でした。初代のモータードライブは、オリンパスの展示品で使わせてもらった経験がありますが、特に反動は無かったように思いますが、気にする人もいたのでしょうか。「モータードライブ2」は、OM−3、OM−4用に巻き戻し機能もついていますが、OM−1では、その機能を使えませんので、意味はないのです。
ストラップは、何でも良かったので、ニコンのものを付けています。縦下げ仕様にしています。
モードラを付けないときは、短めの、皮革製のものを使っています。

いちばん愛用したのは、85mm F2です。
当時のオリンパスには、マクロ50mm F3.5というものは、あったのですが、85〜100mmクラスのマクロとしては、ベローズ使用の85mmがあったのですが、通常の撮影には向きません。そのため、この、通常のレンズを買って、中間リングをつけて、マクロ撮影するしかありませんでした。そのため、この85mmをつけっぱなしで、いつも使っていました。オリンパスのファインダーは、ほぼ倍率が1なので、50mmを付けると、両目を開いても、そのまま見えるようでしたが、この85mmを付けた場合、私としては、一点を、見つめたときに、見やすい画角と近いようで、なかなか使いやすい焦点距離です。これが、ニコンだと、85mmという単レンズはもち合せていないのです。なにしろ、105mmマクロという、非常に使いやすい焦点距離のものがありますので。
マクロ撮影に関しては別な機会にまとめたいと考えています。

この85mmも今は、ぼろぼろです。幸いにも、カビは生えていませんが、ヘリコイドのゴムも変だし、後ダマのところに、結構ゴミがついているし。

モードラ2の接続部です。
まず、左の電気接点ですが、OM−1は、たった2つしか、使用していません。あとは、OM−3、OM−4用の接点です。OLYMPUSの文字の下のあたりに見える、二つの接点は、長尺フィルムケース用の接続信号です。これも用がありません。右側に見えるのが、巻き上げの接続部です。真中あたりに、窓が見えるのは、LCDの窓です。OM−3、OM−4は、これと、右の背面のリセット、セットボタンを使って、自動巻き戻しの設定をできました。まあ、今のカメラは、トルクを検知して、巻き戻したり、DX接点の情報で、撮影枚数の自動設定をするものもありますので、びっくりしないのですが、当時はこの機構を、「すごい」と思いました。右下のボタンは、レリーズボタンで、縦位置に構えたときに、使いやすくなっているはずですが、ほとんど使ったことはありません。
NiCd電池の劣化で、一度修理に出しましたが、今も現役で動けます。
歴戦の傷です。
モードラ購入前で、充分に使いこんでいますので、このような状態となります。べつに、雑に扱ったのではないのですが、使った時間が多いために、どうしても、こうなったのです。これで、いっぱしのアマチュアカメラマンとなったつもりです。











歴戦の傷その2です。
就職してすぐに、新大阪駅で、うっかりと落としてしまった、ペンタプリズム部のへこみですが、プリズムは無傷でした。外傷のあるときは、脳は大丈夫というところでしょうか。オーバーホールに出したときに、内側からたたいて、すこし戻してくれた、サービスの方には、感謝しています。使えればいいのですから。
愛着はありますが、道具として使いこんでいるので、満足しています。メカニカルなもので、故障もないので、いざと言うときのサブ機として、ニコンFEか、このOM−1を持ち歩くことが多くなっています
ちなみに、FEは、電子部品があるので、故障の可能性は高いのですが。

もっと、末永く使いたいと、部品取り用の中古を探していますが、これが、見つける中古は、これより程度がいいので、高くて買えないのが難点です。

(2001.7.1)


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