今月のカメラ 2001年3月号   New FM2

ニコンFM3A発売記念として、ついにカタログから消える、New FM2です。
長年の現行機生活ご苦労様でした。

カタログに載っている現行機は、これだけでした。あと所有のカメラはすべて、生産終了した、過去のものです。
このNew FM2より後に発売したのに、カタログから消えたものもあります。1月のF50Dが良い例ですね。

17年間も現行機を続けたと言うのは、すごいことです。確かに、世の中は、AEでAFになってしまったため、各カメラメーカーとも、マニュアル機は開発しなくなっていましたが、後継機種が登場して、今から現行機を降りると言うのは、ニコンならではと言えますね。びっくりしました。New FM2が生産注しになると聞いたときは、信じられない気持ちでしたが、FM3Aが出てくれば、納得です。

New FM2を語るときには、ご先祖のFMについてから、はじめなくてはいけないのでしょう。もひとつ昔のご先祖さまは、Nikomat FTやFT2にさかのぼります。私が高校生の時、突如現れたオリンパスOM-1の米谷マジックの呪縛にかかった日本のカメラメーカーは、OM-1並の小型の一眼レフを開発しはじめました。ニコンもまさにそのとおりで、某雑誌の対談でも、ニコンの開発陣は、そのことを認めています。それで開発されたのが、FMでした。New FM2は、FMから2度の改良で、シャッタースピードでは、F3をしのぐすばらしいカメラとなりました。

この、New FM2は、酒田の叔父さんからいただいたものです。叔父さんは、写真が大好きで、ほかにも何台か所有していますが、マニュアル機は、私なら使いこなすだろうということで、プレゼントされました。
レンズは、叔父さんからいただいたものではないのですが、New FM2に似合うだろうということで、Ai 50mm F1.4を付けました。

50mm F1.4をつけて、ISO800のフィルムを入れると、ストロボ無しで、結構な写真がとれます。子供の写真を取るとき、お母さん方が何人かいらっしゃるところでは、ピカピカとストロボ光らせて、派手に撮影していますが、こちらは、コンパクトカメラより大きいのに、逆に目立たずに撮影してます。

ケースを付けるとこうなります。
ケースも叔父さんからいただいたのですが、NIKONの文字は、新しいロゴになっているケースですね。









ケースのフタにまで、JAPANと刻印が入って、日本で作っていることを誇っているようです。











この部分にNew FM2 のすべてが結晶しているように思われます。
マニュアル設定のみのシャッターダイアルはもちろんですが。最高速度は4000分の1秒で、シンクロスピードの250分の1秒は、赤く色がついています。F3ですら、80分の1秒ですよ。
シャッターダイアルの文字は、彫りこんであるところに、色を流し込んであります。F4で印刷になってしまったのですが、New FM2は、最後まで、頑固に彫りこみでした。こういうところに、魅力を感じるのですね。
ただ、残念なのは、巻上げが、分割巻き上げ不可ということで、分割巻き上げになれてしまうと、すこし違和感があります。それから、ニコンの得意な、巻き上げレバーの予備角分引き出して、露出計のONも、なれが必要です。
私は、左目で、ファインダーを覗くもので、どうしても、この予備角引き出しの状態では、レバーが顔に当たって、使いにくいのです。
左目で覗くことについては、ライカのように端っこにファインダーがあるカメラですら、左目で覗くプロカメラマンもいますので、いまさら直す気もありません。
なぜ、左目で覗くかと言うと、高校時代、ほとんど毎日のように、顕微鏡スケッチをしたため、左目で除く癖がついてしまったのです。顕微鏡は、右利きの人は、左目で覗かないと、スケッチできませんので。

底面を見て、中古カメラを買ったほうがいいよと聞いたことがあります。底面の接点は、モータードライブを使ったカメラか簡単にチェックできます。
室内撮影のプロが使ったものなら、外見はきれいでも、実は、使いこまれている場合があるから、モータードライブを付けていなかった中古を買ったほうがいいよと、言うのです。納得できる意見ではあります。
このNew FM2はあまり、モータードライブをつけた形跡はありません。叔父さんはサブカメラとして、大事に使ったのでしょう。しかもケースもかぶせていただけあって、塗装のはがれもわずかです。私が大学時代に使ったカメラは、塗装がはげたのは当然として、底面の角や、ペンタプリズム部がへこんでいるものもあります。

底面には、Made in Japanの刻印があります。

縦走りシャッターは、高校時代のあこがれでした。
高校時代に、コニカFSのボディーを友人からもらいました。レンズはついていませんでした。そのころとしては珍しい、金属幕の縦走りシャッターでした。レンズがないのないので、使用できず、いじくりまわしていたら、壊れてしまいました。分解してなんとかしようとしましたが、どうにもならず、がらくたとなってしまった覚えがあります。それから、縦走りのシャッターへの憧れは続きました。








スクリーンは、マイクロ・スプリットです。FM3A用の新規開発のスクリーンも互換性があるということなので、発売したら買ってみようかな。
ペンタ部に開いている窓は、Aiになったときに、レンズの絞り値を光学的にファインダー内で読み取れるようにしたもので、当時はミノルタでも採用していました。レンズにCPUを載せて、電気的に情報を取り出すなんてことは、考えられなかったことろのやりかたです。これでもかなり感動したものです。








取り扱い説明書もきちんとしています。
叔父さんの判子が押してあります。















取説
のなかは、ラインマーカーでチャックしてあっつたり、この写真のように、付箋をつけてまとめてあったりしています。叔父さんの真面目さが見えてきます。私は、取説はきちんと取っているほうですが、取説をあまり読まず、とにかくすぐ使いたいという、典型的な日本人ですから、まったくきれいな取説もおおいのです。。



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