今月のカメラ 2001年5月号   FUJIFILM Epion RVX

このカメラは私のではありません
FUJIFILM Epion RVXは、1998年に、私の長男の誕生日に、私の父、つまり、長男からすれば、おじいさんがプレゼントしたものです。

結果的には、わが長男にはぴったりのカメラでした。
カモフラージュパターンに塗装してある、通常に市販されたカメラというのは、これ一機種しか見たことがありません。長男は、生まれてすぐから、わたしの趣味もあって、カモフラージュ柄のものをよく身につけていて、彼も好きなようでした。このカメラのもうひとつの特徴は、防水ということです。水遊びの好きな長男には、とても使いやすいことでした。






そのほかの仕様は
フィルムは、APSです。我が家初のAPSでした。うわさには聞いていましたが、このためにはじめて買いに行きました。35mmとまったく同じ銘柄のフィルムだろうこのと思ったら、そうとばかりは言えなかった。印画紙のサービスサイズ相当の、縦横比と、パノラマは予想していたが、ハイビジョンサイズの縦横比もあって、3種類とは知らなかった。その縦横比の切り替えレバー、背面の左上にありますが、簡単に切り替わるため、気がつかないうちに、気持ちとは違う、縦横比になっていて、プリントが仕上がってくると、アッと驚くわけです。
背面中央は、持ち主の名前などを書くためのスペースとのことで、書き込んでから、添付の透明シートを貼りつけます。
名前のスペースの上の赤いものは、電源スイッチです。

左上には、LCDと、セルフタイマー、ストロボのモード設定のボタンがあります。右上は、シャッターボタンと、途中巻き戻しスイッチがあります。

底面です。
左側は、フィルムを入れる部分のフタ。APSフィルムは、使用後も使用前も、フィルムの端っこが、跳び足すことが無い。
底面中央は、FUJI FHOTO FILM Co., Ltdと、書いてあり、Made in Indonesia と書いてあります。
その右は、三脚穴、そして、電池室です。
本体は、Made in Indonesia なのに、ストラップには、Japanと書いてあります。

そのストラップです。
色は本体にあわせて、オリーブ色です。ゴムのテープが縫い付けてあって、予備のフィルムなどをつけるようになっていますが、落ちそうでつけたことはありません。銃弾をつけられる、ガンベルトのイメージなのでしょう。











ファインダーは二つあります。
アクセサリーシューに取り付けるファインダーですが、もちろんパララックスの自動補正もなければ、縦横比の自動切換えもありません。ただのフレームです。ただ、アイポイントが長いため、比較的使いやすく、通常の撮影には、こちらを使っています。もうひとつは、本体に備え付けのファインダーです。それは、上から二枚目の写真で、外付けファインダーの下にある、四角窓の部分です。縦横比は、切り替えレバーと連動して、切りかえられるので、実はこちらを常用すれば、いつのまにか、切り替わっていた事件は無くなるのですが、このファインダーは、アイポイントが短いし、覗きにくいのです。そのため使う気になりません。
なお、アクセサリーシューは、外付けファインダー専用のようで、シンクロ接点は持っていません。


レンズは25mm固定で、ズームではありません。
防水だけあって、前玉として、保護ガラスが入っています。25mmにしても、口径がかなり小さい。
長男は、野外観察に持っていって、そこそこの写真を撮りましたから、思ったより最近接写距離は短いようです。











「今月のカメラ」では、カメラや、それを作った会社の悪口は、書かないつもりでいます。しかし、唯一このカメラについては、悪口を書かせていただきます。

1998年に長男が、このカメラをもらったので、1999年2月の、米沢での「雪灯篭まつり」の時に、雪が降っても使えるだろうと言うことで、このEpion RVX を持っていきました。はじめの一枚は撮れましたが、次の二枚目は、撮れないのです。シャッターボタン押しても、なんの反応もありません。LCD表示は、電源が入っている表示です。電源ボタンを押してみてびっくりしました。電源を切ることができません。あれっ、と思いすべてのボタンを押したら、やはり、どのボタンも反応無しでした。あまりの寒さに、フリーズしたというには、笑い話みたいです。
数日後、外気温0度程度の時に、また何枚か撮影しようとしたら、また3,4枚目で、すべてのボタンを認識しなくなりました。すぐに18度くらいの部屋に持ちこむと、数分で復活しました。どうも、低温で、CPUがまともに動作しなくなるようです。

こまってしまって、富士フィルムのインターネット、ホームページで、お客様用の、意見のメールを調べて、メールを出しました。内容としては、アウトドア用のようなデザインで、買わせておいて、本州の冬程度の温度で動作しなくなるのは問題があるのでは、というものです。たしかに、民生用の電子機器は、5度から55度程度の範囲で動作保証されていて、0度での動作は酷かもしれません。しかし、私が腹をたてたのは、メールに対する反応がなく、無視をしたということです。私も製造業に身を置くもので、ユーザーからの質問や苦情について、回答したこともあります。しかし、無視したことはありません。このように、悪い点を述べているのは、ユーザーからの苦情を無視したためで、もし、何らかの回答があれば、この場でこのような悪口を書くことはなかったと思います。
私は今後いっさい、富士フィルムのカメラを買う気になりません。富士フィルムのデジタルカメラは、結構いいものがでているし、一眼レフ型のデジタルカメラは、ニコンFマウントのものもありますが、絶対に買いません。絶対に人に勧めません。それは、企業としての、良心を感じないからです。

その後は、必ずジャケットの下で保温しながらの撮影をするようになりました。一応使ってはいます。おやじさんの、孫へのプレゼントですから。


(2001.5.2)


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