今月のカメラ 2002年9月号   Canon A-1

Canon A-1
Canon FTb、AE-1クローム、シルバーときて、A-1です。
今の目から見ればたいしたことの無い一眼レフかもしれません。しかし、出た当時は、あこがれの高級機でした。CanonのAEは、シャッタースピード優先できました。ただ、海外では、絞り優先のほうが、人気があるということで、絞り優先機として、AV-1を発売していますが、結局は、MINOLTAが、XDを発売すると、優先を変える事のできる機種へと、進んでいきました。Canonの答えは、A-1だったのです。
ボディーは、エンプラを使って、メッキと塗装を施していますので、エンプラのみの筐体のカメラよりは、見た目は、重厚に感じますが、塗装とメッキが剥がれてくると、さびしいことになります。

この写真は、New FD 35-105mm/F3.5を付けています。手持ちのFDのなかで、見た目が合いそうなもののつもりです。50mmでは、ちょっとさびしいでしょう。高級感のあるレンズにしました。あまり使わないレンズですけどね。

当時のCanonの
イメージは、ズーム、蛍石、非球面です。Canonは、ズームレンズ開発に力を入れていたように感じました。ただ、Tシリーズ用の廉価版が出てくるまでは、ズームは高いので、簡単に買うことができませんでした。この、35-105mmは、開放F3.5ですから、当時としては、ハイスペックな標準ズームでした。フィルター径72mmですから、前玉は、すばらしく大きなものです。これに、専用のフードをつけると、標準ズームにあるまじき外形となります。

さて、A−1を手に入れようとしたのは、FTbをレストアして、CanonのFDレンズを使えるカメラも使いたくなったためです。AE-1も、ほしかったのですが、まず、形優先で、カッコイイと思われるA-1を探しました。同僚は、Eさんが使っていたのを見たのも影響ありです。このA-1は、価格が安く保証無しの状態でした。モルトをはがして、毛糸状のものが貼りつけられていました。黒い毛糸をモルト代わりに貼りつけると良いという話もありますので、いちがいに間違いではありません。それと、特有の「シャッター鳴き」の症状ではありましたが、価格が価格のため、良しとしました。モルトは、いつものように、貼り替えましたが、シャッター鳴きは修理していません。

ところが
このA-1には、ふしぎな癖があったのです。
自動絞りがききません。マニュアルモードでしか、正常に絞りが動作せず、必ず、最小絞りとなります。まあ、この時代のAEは、信じていませんので、結局マニュアルで設定しますので、特に問題はありません。でもね、なんとなくさびしいですよ。両優先と、プログラムが機能すべき機種で、マニュアルしか動作しないというのは。

うしろに、物があたった痕がありますが、金属筐体ならば、へこむのですが、エンプラなので、ヒビが入るように、へこみがあります。
某サイトのシリアル番号調査に協力すると思ったのですが、内部の掃除のとき、つい手が滑って、フィルム室の番号を消してしまいました。ごめんね。


New FDになって
さびしいことに、数字は印刷になっています。そのため、使い込んで行くうちに消えて行きます。このレンズは、ズームの焦点距離の数字は、すべて消えています。ななめから見て、光の反射で、どうにか、痕跡は確認できます。距離の表示も一部消えかかっています。

このレンズの数字については、以前より、彫り込んで消えたものを復元したいなと思っていますが、ルーターも持っていないし、どうやって、彫り込むか、思いついていません。いつになることやら。

正面も独特ですが、上から見ても独特ですね。この、段のついてるところは、New F-1のデザインに、共通するところが、あります。ニコンでは、FGが、段付きですね。

単純じゃない操作系は
想像だけでは、だめでした。結局、リプリントのマニュアルを700円で買いました。Canonで販売している割に、某雑誌の付録の復刻版より、印刷のわるいものでちょっとがっかりです。

ここで、写真用語です。Av,Tvの表示は、EOSにもありますが、Canon用語では無く、写真用語の標準です。
Av : Aperture Value
Tv : Time Value

なお、写真用語の英語は、各カメラやフィルムメーカーの、USのサイトを覗くと、日本語との比較がしやすいので、覚えやすいと思います。お勧めは、Kodakと、Minoltaです。Kodakは、データシートが、Acrobat形式で、それぞれ、英語と日本語でダウンロードできます。Minoltaは、USのサイトで、旧型も含んで、US版のマニュアルをダウンロードできます。それを見ると、なるほどとわかります。便利な時代になりました。

これが、はげた部分です
当時は、黒いエンプラがなかったのでしょうか。技術的なことはわかりませんが、なぜか、透明感のあるグレーのエンプラに、銅色のメッキをほどこして、その上に黒の塗装をしています。ですから、まず、塗装がはげて、銅色がでてきます。金属筐体の場合、きれいな、「しんちゅう色」が出てきますが、この場合は、にぶい銅色ですから、ちょっと、情けない状況となります。その銅色の部分の「こすれ」が進むと、次は、グレーのエンプラが出てきます。これが、この角の部分の状態です。金属筐体の場合で、しんちゅう色が出てきたのは、使いこんだ、すごみも感じますが、このプラ筐体の場合は、やすっぽくなるばかりです。「塗装してやろうか」という気になります。




ここらへんも、スイッチが多くて
わけがわからなかった部分です。それとねえ、ASAの設定がなんで、12800まで、必要なのかなあって、いまでも思っていますよ。トライXだって、3200にも増感したら、ひどい粒子で、すごいコントラストになるので、こんな設定は、思いもよりませんし、別にこれだけの増感する人ならば、マニュアルでもとれますよ。









また、今月も遅れちゃったね。
(2002.9.8)


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