今月のカメラ 2003年6月号   MINOLTA X-70

MINOLTA一眼レフに
ついては、別にSRシリーズについて、書く時に、いろいろ書いてみたいので、今月は、とりあえず、Xシリーズだけに限って書いてみたい。
Xシリーズと言うと、X−1を含めて良いのか、迷うところだが、どうもX−1とX−1モーターは、MINOLTAで、数少ない、プロ仕様の一眼レフということで、Xシリーズではあるかもしれないが、別扱いとしておこう。Xシリーズの歴史と、系列は、詳しくないし、友人で、新品のXシリーズを買ったのは、ただひとりという状態で、興味も抱いていなかった。
そんななか、ペンタから、Canon EOSユーザーとなった、ある友人が、X−7の話しをはじめた。なんのことはない、あの「今の君は、ピカピカに光って...」というコマーシャルについてだった。

X-70の話しでX-7の
話しになるのは、MINOLTAファンからすれば、「またか」という気持ちになるだろうけど、実際に、MINOLTAファン以外からすれば、あのコマーシャルは、あまりにも、衝撃だった。一眼レフのテレビコマーシャルで、覚えているのは、MINOLTAの「ピカピカに光って」と、OLYMPUSの、大場久美子しかないのだから。
それで、申し訳無いが、X-7は持っていないので、X-70の話しになるまでに、X-7の話題からスタートしなくてはいけない。
友人は、X-7が欲しいと言い出した。宮崎美子が、青春の思い出らしい。ある時、某カメラ屋さんに立ち寄った時、X-7のジャンクが転がっていた。ブラックだった。プリズムは、腐食して、ファインダー像の真中あたりに、横に見にくい模様が入っている。巻き戻しクランクの取り付け部分が、欠けていて、ブラブラしている。でも、その他の痛みは少なく、シャッターも、まともそうだった。さっそく、友人に電話すると、買ってきてくれという。とりあえず、別な店で、50mm/F1.7のカビ有り、ジャンクを見つけて、買って帰った。レンズのカビは、わずかなもので、分解掃除できれいになった。X-7に取りつけて、試し撮りすると、きれいにとれた。MINOLTAファンの、掲示板で、レンズの良さを誉めていたが、たしかに、この50mm/F1.7の写りは、対したものだった。比較に撮った、Canon FDよりも、良く撮れていて、びっくりした。


X-7は、良かったので
MINOLTAを見なおしてしまった。それで、Xシリーズが欲しくなってしまった。友人のX-7を完璧にするために、プリズムの良いものが欲しかったし、自分の分も欲しかった。そんな時、このX-70だ。金額は、言わないことにするが、動作しないジャンクと言うことで、入手した。外見は、ほこりが分厚く、こびりついていて、長く、棚の上に放置されていたように見えた。電池を入れてみたが、うんともすんとも言わない。さて、X−7と、プリズムの互換性があるのだとすると、このX-70は、プリズム腐食が無いので、ドナーとしては、申し分ない。手に持って、なんとなく、いじっているうちに、偶然一度、シャッターが動いた。ただし、偶然動いたというだけで、速度については、かなり怪しいものだった。125分の1に設定したのに、8分の1ぐらいで、切れたという感じだった。また、手に持って、触っていると、また、シャツターが切れた。なんか、生きそうな気配だ。分解するまえに、長い時間、やさしく触っていると、だんだんと、調子よく動くようになってきた。なんか、部品が劣化しているものの、そこそこ、動くようだ。
結局、低速シャッターは、表示より、50%くらいは、長い時間開いているようだということと、露出の表示は、低照度の時に、2EVくらいずれているということがわかった。高速シャッターの精度は、正確には、わからないが、仮に50%ずれても、プラス側だろうから、ネガフィルムで、遊ぶとしたら、問題無いだろうという気がした。
あとは、きれいに、汚れを落とすだけだ。
レンズは、ジャンクの状態で、シグマの古い、35-70mmがついていました。ファインダーで覗いただけで、ひどさが実感できるもので、昔は、こんなズームでも、ありがたがって使ったわけだ。私も、TAMRONの35-70mmを結構使ったので、それでも良いのかもしれないが、友人の、50mm/F1.7の写りを見たものだから、ぜひ欲しかった。
50mm/F1.7は、やがて、ジャンクとして、発見した。結構きれいなジャンクで、程度の悪い、中古で、売れるようなものだった。
これで、まとも?な、Xシリーズが、手元に来たわけだ。残念ながら、友人のX−7へ、プリズム提供は、できなくなった。

私のOLYMPUSには
この、フィルムポケットがついていなくて、一時憧れでした。今のカメラは、パトローネが直接見えるので、こんなもの必要無くなりましたが、MINOLTAは、ASAとDINの表がついていて、ドイツ人には、便利かもしれない。
50mm/F1.7、これは、絞り最小値の色が違うので、New MDという、時期のものらしい。これを、試し撮りして、またびっくりした。出来上がったものの、色と、ボケが、いままでに見たことの無い状態なのだ。Nikonと同一条件で、撮ったので、プリントでの、ばらつきではないと思った。好きな写りかと、聞かれれば、嫌いではないとは、答えることができるが、いままでに、経験したことの無い写りのため、びっくりしたと言ったほうがただしい。


電源スイッチは
だいたいの人は、発見できなかった。巻き上げレバーを引出さないと、見えない仕掛けになっている。そのために、スイッチ切り忘れが多くて、初めのうちは、電池をかなり浪費してしまった。2,3日で、なくなってしまった。

おもしろいことがわかった。これをぶら下げて、友人たちとの、飲み会にもっていって、シャッターを押させると、だいたいの、男は、うっとりとしてくる。いかにも、昔の一眼レフらしい音がするし、銀色でメカニカルなデザインは、私と近い世代の、男の、琴線に触れる部分があるようだ。「一眼レフ、買ってみようかな」と、言いだす男もいたが、やめるように言った。今の一眼レフの感触と言ったら、このX−70と、比較できるものではない、絶対に、そういう男の琴線に触れる仕上がりではないと思ったからだ。これは、今の一眼レフの悪口を言っているのではなく、私の世代の、道具というものに対する認識の問題だと思う。


内部もきれいでしたが
不思議なところが、やられています。スクリーンの前の、プラの板が、傷がついています。レンズを撮りつける時に、ついた傷のようにも見えましたが、こんなところに、傷をつけるレンズは、あるのでしょうか。不思議です。なお、ファインダーと、裏のフタの部分の、モルトプレーンは、交換しました。これで、なかなか、良い中古レベルに見えます。このジャンクを売っていた、某カメラ店の店長さんは、この復活をびっくりしていました。


5月と6月は、あまりにも、良い季節です。家庭の用事と、個人の遊びで、ホームページどころではないというところです。またもや、アップデートが遅れました。たぶん、遅さの記録でしょう。

(2003.6.22)


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