今月のカメラ 2003年5月号   Canon F-1 後期型

Canon の一眼レフは
もう、打ち止めだよと、AE-1 PROGRAMを入手した時思いました。使い勝手は、AE-1 PROGRAMは、充分でした。これ以上増やしたって、コレクターでもないので、使い切れないと思いました。そんなところに、ひょっこりF−1。知り合いの人から、電話が入って、「捨てても良いようなカメラがあるけど使う?」。もちろん引き取ります。やって来たのは、F−1後期型。外見はさびしいものでした。塗装ははげていて、モルトプレーンは、ボロボロ。もちろんそのままでは、使用できません。電池もHDは、予想の通りすっからかん。マンガンと違って、液漏れしないのが、メリットなだけ。
時代を合わせて、手持ちのFD28mm/F2.8を付けてみました。三角環が無かったので、Nikonのものを付けました。お許し下さい。


F−1の思い出は
大学時代に行った、日本カメラショーの会場にさかのぼります。Canonの一眼レフは、それまで、FTbが大きいというぐらいしか認識が無い状況だったのが、その場で、ペリクルミラーの機関銃に出くわしました。触らせてもらいました。びっくりです。Olympusの秒5コマは、おそく感じてしまいます。これが、Nikon F2に対抗している、プロ仕様かと、感動しました。Canonのブースで、社内用の写真を撮影している方と、お話しをする機会もありました。その方のお話しは、後で、私の写真の考え方のひとつの方向を決めたと言ってかまいません。F−1は、私の写真を考えるなかで、非常にキーポイントとなるカメラです。
でも、F−1自体は、使いたいという気持ちにはならず、Nikon F2も、同様に当時は、使いたいとは思わなかったので、それ以上の思い入れは、ないものでした。でも、こうやって手に取って見るとNikon F2とは、また違った魅力のあるカメラでした。
それでは、復活するかと、作業してみることにしました。


外観は、とりあえずこのままにしましょう
モルトプレーンを交換して、電池をマンガンで使用可能にすれば、なんとかいけるでしょう。
Nikonと同様に、古い時代のカメラは、遮光のモルトプレーンの幅が狭くて、貼り替えにくいのですが、なんとかやりました。ミラーボックスのモルトもミラーに注意しながら作業です。Nikomat ELみたいに、モルト貼りつける部品が簡単に外れると楽なのですが、F−1の場合は、はずれないようです。
電池は、LR44でいくつもりで、電池ボックスを見ましたが、FTbと、構造は異なるものの、接点のバネが、大きくて、薄い電池でも、対応可能な構造になっていたので、直径が足りない分のスペーサーだけで、行けました。FTbと同じ状況です。FTbでは、そのあと、1.5V動作に、合わせこんだのですが、このF−1は、この時点で、手持ちのカメラと比較して、表示がほとんど同じなので、調整不要と判断しました。これで、動作するはずです。一晩でやっつけてしまいました。外観をレストアしたら、これは大変そうですが、「貫禄」ということで、当分このまま使ってみましょう。


ファインダーは
プリズムにわずかに、カビがありましたが、フィルム上に影響は無いので、気にしません。それより、F−1の特徴である、コンデンサーレンズの中のハーフミラーに見入ってしまいました。これのおかげで、スクリーンが特殊で、今入手しようとすると、AE-1の中古より、高額になってしまいます。なんてこった。前面マットか、前面マットの方眼が欲しいと思っても、高値の花です。このまま使ってみましょう。







とにかく、全ての角は
塗装がはげていました。しかし、落下させたとか、いきなりぶつけたとかの痕がないので、丁寧に、酷使したと思われます。こういう使い方は、好きです。たいして、使いこんでいないのに、雑に扱ったような、傷やへこみがあるとがっかりします。このF−1は、愛情を持って、使われたと思ってみています。
お試し撮影は、New FD 35-105/F3.5 でやってみましたが、F−1の特徴の、中央(あたりの)測光にはじめは、なじめず、戸惑いましたが、F4のスポットと同じような感覚ということにして、撮影すると、なんとかなりました。ネガ使用での露出は、問題無いレベルに入っているように見えました。受光素子も動作して、1.5Vでの値も問題無いようです。Nikonに慣れたものには、どうも電源スイッチをON/OFFするという行為がなじめず、ほとんどONのままで使用してしまっています。電池は、LR44一個ですから、無くなっても、安いものですが。


ペンタの上は、アップにしたくないほど
さびしい、塗装のハゲですが、このF−1の文字あたりも、どうして、こんなハゲかたをしたのか不思議なハゲ方です。この下の、セルフタイマーの、部分は、真鍮がむき出しになるほど、ハゲています。
塗装の復旧は、そのうちの課題にします。ファインダーは、きれいなものを購入するのは、高くついて、できそうにないので、全て塗装することになりそうです。

これで、Canonに入れこみそうです。Nikon F2 photomicとF-1をいっしょにぶら下げているのは、犯罪でしょうか。へんなめぐり合わせになってきました。
なお、New F-1は、 今のところ興味ありません。あとは、マクロレンズが、あれば、楽しくやっていけるでしょう。ちょっと、幅の広いCanonのマーク入りのストラップも買ってきました。EOSと書いていないのを探してね。


ゴールデンウィークも結構仕事してしまいました。なんとか、ひねり出した時間は、写真撮影に割り当てました。桜が散って、新緑の季節を逃すことは、できません。それで、またもや、アップデートが遅れました。

(2003.5.10)


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