今月のカメラ 2004年4月号   Polaroid SUN650 and Spirit600

Polaroid の話は
たぶん、最初で最後でしょう。
だって、Polaroidのことなんか、ほんとに知らないのですから。
なぜ、「今月のカメラ」に出したからって言うと、ほんとは、次の月の前ふりですよ、なんちゃって。
でもね、すこし思い出もあるのです。
まず、この写真は、Sun650 です。もうそれしか言えない。何年発売で、当時価格いくらで、製品仕様はどうとか、いっさいわかりません。ほんとにわかりません。
わかるのは、600フィルムを使えるということ。それから、触るところが少ないので、使用するのに、マニュアル見なくても、ほとんど使えるということ。



縦位置で撮影するカメラは、
二眼レフと、このPolaroidくらいでしょうか。まあ、上の写真も縦にしようか、横にしようか迷ったのです。
これは、きちんと、LAND CAMERA と書いてあります。どうも、600シリーズの初期のモデルのように思います。

実は、Polaroid を買ったのは、使いたかったからというわけではなく、フィルムをいただいたからです。期限が切れたので、捨てるということで、いただきました。それを使ってみようと、ジャンク扱いのものを購入しました。もし、使えなかったら、べつに用途を考えていたので、なんとかなります。
このSun650は、きちんと、クローズアップ用に、赤いレバーがあって、それを動かすと、レンズの前に、凸レンズが出てきて、ファインダーもパララックス補正用のものが出てきます。

それで、数少ないPolaroid の思い出ですが。Polaroid というのは、撮影して、数十秒後に絵が見られるという夢のようなカメラですが、フィルムというべきか、フイルム兼印画紙というべきか、あれがやたら高くて、中学校、高校時代は、一枚あたり、70円くらいだったように覚えています。そんな高いものは、使えないと、はじめから、使おうとは思っていませんでしたが、高校1年のとき、同級生が、SX70を持ってきました。SX70のことは、覚えています。なにしろ、平べったいへんなやつが、上に引っ張りあげると、伸びてというか、立ち上がってというか、スプリングカメラとは、また別な様子で、立体的に広がったのです。あれは衝撃です。いままでは、ベス単でさえびっくりだったのに、それ以上です。その上、そいつが一眼レフだというのです。一眼レフというと、それまでは、35mm一眼レフとして、ペンタックスSPなどのような形しか知らなかったわけですから、びっくりです。

SX70はその上に
それまでの、引き剥がし方式ではなく、べろをベローッと出すようにして、引き剥がさず、そのまま絵が出てきたのです。インスタント写真の最終的な姿であると思いました。

この写真は、フィルムカートリッジを入れたところです。引き剥がしの場合は、35mmフィルムのように、後ろに取り付けるのですが、SX70以降は、下に取り付けるのが普通になりました。まあ、画像を左右逆にしないといけないので、この構造は、理解できます。その結果として、べろを出すように、フィルムーベローンと、出すわけです。



仕事ではじめて使ったのは
引き剥がし式でした。オシロスコープの波形を記録するのは、Polaroid カメラというのが、以前のスタンダードでした。Polaroid の引き剥がし式のモノクロフィルムは、ダンボールで、購入して、測定波形を撮影して、山のように引き剥がした紙がゴミ箱にありました。
600シリーズは、その後に使いました、測定しているときの状態を記録するために、使いました。いまだったら、デジカメで記録するところです。その時に、600シリーズが、フィルムのパックに、電池を入れていて、カメラ本体に電池を入れる場所がないということがわかりました。電池切れは、それで気にしなくて良いはずでした。使い終わったフィルムパックから、シート状の電池をはずして、面白がって遊びました。まだ、ゴミの分別なんて、とやかく言わなかった時代で、電池だろうが、なんだろうが、まぜてすてていた時代でした。

写真は、フィルムをローラーで、押し出しながら、現像液を一面に広げる機構の部分です。中に、フィルムパックの電池接点が見えます。この中の上に、反射鏡がついていて、下にあるフィルムに画像を結ぶようにしています。


もう一台入手しました
Spirit600というやつです。
これも、発売がいつとか、価格がどうのとかについては、さっぱりわかりません。
外形のデザインは、廉価版の600シリーズに共通のもので、スタンダードな形です。こいつも、ジャンク扱いで購入しました。動作しなくても、悔やまない価格です。

それで、この2台のPolariodで、いただいたフィルムを使おうとしたら、だめでした。カメラがだめだったわけではなく、フィルムパックに入っていた、電池がすでに、自然放電が進んでいたようで、フィルム排出が出来ません。内部接点のところに、外部から電源供給したらとか、考えてみましたが、そこまでやって使うものでもないと思い、やめました。
私にしては、あきらめが良いというには、理由があって、こいつの別な利用方法を考えていましたから。


Spirit 600のほうが
廉価モデルと見えて、クローズアップの設定レバーはついていません。
LAND CAMERAの文字もありません。それは、時代背景のせいかな。
でも、Polaroid らしい、虹色みたいな帯がついていて、なかなかきれいです。

そういえば、SX70の時代は、マジキューブという、フラッシュバルブの一種を使っていたため、フィルム代なみに、フラッシュ代がかかったのですが、600シリーズは、ストロボがついているので、便利です。これも、ピッカリコニカの影響でしょうか。










Sun 650と違います
ここらへんが、コストダウンの努力のあとなのでしょうか。

KODAKが、インスタントカメラをはじめたため、特許で、Polaroid に訴えられました。結果は、KODAKの負けでした。巨人KODAKといえども、Polaroidの牙城を崩せなかったといえました。しかし、今は、FUjifilmが、Polaroid の牙城を崩したし、デジカメの台頭で、Polaroid の「撮ってすぐに見られる」ということの一部の機能は、優位性がなくなってしまいました。
そんなためか、Polaroid の倒産騒ぎは、デマなのか、ほんとなのか、よく飛び出します。でも、いまもちゃんと、ありますね。




Spirit600には
三脚穴がありませんでした。ここにあるはずだという、モールドがあるのが、さびしいところです。

今は、デジカメに押されて、インスタントフィルムは、はやらなくなってしまいました。ジャンク扱いで、600シリーズなら、ほぼ、500円以下で購入できます。でも、フィルムは、10枚撮で、1700円くらいします。一枚170円につくのは、さすがにきびしいです。だって、デジカメデータをCD-Rに書き込んで配ったって、一枚50円くらいですから、やってられません。

これらのカメラは、残念ながら、本来の用途とは違う人生として、部品取りになっていただき、第二の人生を送ってもらいましょう。



春になって、気候もよくなったので、インターネットいじっているより、思わず撮影にでかけてしまいます。
またも遅くなってしまいました。

(2004.4.11)


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