比の今月のカメラ 2004年12月号   Canon AV-1

今月のカメラは、思い出を
書くことにしていますが、残念ながら、このAV-1については、まったく思い出はないのです。それで、今月は、思い出話無しでいくしかありません。
このAV-1には、手持ちのNFD35mm/F2.8をつけてみました。さすがに、35mmで、F2.8だけあって、玉の口径は小さいです。でも、35-80mm/F3.5クラスのレンズの方が、前玉の直径は大きいみたいです。
AV-1は、キヤノンカメラミュージアムによると、1979年5月発売で、NFD50mm/F2付きで、57,000円となっています。
よく言われているのは、Canonが、カメラ事業での、起死回生ともいえる、AE-1を発売したとき、国内では、シャッター速度優先AEでも良かったものの、海外市場では、絞り優先のほうが人気があったため、海外の営業から、絞り優先のAE機の要求が強くて、AV-1となって発売されたというのです。
そのあたりの発売時期を見てみると、こんなぐあいです。
Minolta XE は、1974年11月発売
Olympus OM-2 は、1975年11月発売
Pentax ME は、1976年12月発売
Canon AE-1 は、1976年4月発売
Canon以外は、絞り優先AEです。Minolta XDが出てくるまでは、雑誌等で、どちらの優先が良いのかといような内容の記事がときどき出ていましたので、アマチュアにとっては、どちらが優先かといのは、大きな問題でした。でも、ずっと、いまでも、AE専用機じゃなければ、AEで撮らないのであまり深刻には考えません。でも、AE機でも、Pentax MV1みたいに、今のシャッタースピードがまったくわからないというのは、不安です。


AV-1は、単体で見ると
小さく見えますが、AE-1と比べると、ほとんど同一サイズです。
写真では、サイズの感覚はありませんが、実際に持ってみると、小さく感じます。わずかなデザインの違いで感じるのでしょうか。
このAV-1は、某カメラ店で、ジャンク扱いで、格安で購入しました。動作確認もせず、即断で決めました。Aシリーズでまだ無いのが、AV-1と、AL-1のため、欲しかったこともあります。
ああ、それで、色は考えなければ、国内販売分は、Aシリーズは、AL−1があれば、ラインナップ完成です。








ここらへんは
あっさりしています。絞り優先AEのみで、シンクロ用の60分の1秒と、バルブがあるだけで、マニュアル設定はそれ以外はできません。セルフタイマーは、電子式でその設定もシャッターダイヤルにあります。
赤い部分が、セルフタイマー動作の時点滅します。









ここらへんも
あっさりしています。ASA設定ダイヤルです。
ホットシューもFTbとかわらないのが驚きです。まだTTLが出来ない時代なのですね。









よく折れたAE-1の
電池のフタのロック爪ではなく、まったく新規のロック方式のため、壊れにくくなつているのが、改善された点であり、クリップ形状しているため、A-1のように、グリップをなくすこともありません。
電池は、いつものLR44x4のあやしいアダプターを入れています。
100円ショップでも、SR44を売るようになったため、SR44を入れてもよさそうです。













びっくりしました
AV-1は、ワインダーが、AE-1,A-1と共通というふうに覚えていました。それで、取り付けてみようとしたら、つかないのです。ワインダー側のある位置決めピンの入る部分がないのです。物理的につきません。なんかへんです。ピンの入るべきところにネジがついています。ですから、AE-1と比べると1本多いのです。なんかへんです。とりあえず、底を開けてみようと思いました。ネジが空回りします。なんだなんだ。のこりの2のネジは簡単に外れました。そのまま、底板をはずしてびっくり。ネジの入っていたところには、タップが切ってありません。AE-1のワインダーのピンが入る部分と同じです。つまり、間違って、ピンの穴にネジが入っていました。あまりにもぴったりなので、タップが切っていなくても、落ちません。はたして、いつの時点で、まちがって、ネジがついたのでしよう。分解された形跡はないので、修理、あるいは、オーバーホールされたこは無いと見ました。では、生産ラインで、まちがってネジを入れてしまった? ワインダー動作のテストはしていないの? 疑問はのこります。

結局ネジをとって 
ワインダーを付けられるようにして、ワインダーA2を取り付けてみました。ちゃんと動作しました。
なんて人騒がせなAV-1でしょう。まえのオーナーは、ワインダーを持っていなかったのでしょう。
なお、このAV−1は、ジャンクでしたが、動作はちゃんとしていたし、使い込まれた形跡はありませんでした。モルトプレーンの交換だけで、まともになりました。底板に深い傷があったくらいです。
マニュアル動作が出来ないので、どうもなじめないので、お飾り、コレクションとして、置いておくことにします。どうも、AE-1のほうがしつくりきます。

AL-1とAT-1が欲しいなあ。



暖冬かな。なかなか雪が降ってきません。1月になってからどっさり降った年もあったから、まだまだ油断はできません。
(2004.12.4)


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