比の今月のカメラ 2004年11月号   Canon FTb-N

キャノンカメラミュージアムを
2004年11月3日現在で確認すると。FTb-Nと表記していますので、今回は、FTb-Nと表記することにします。
比の今月のカメラでは、FTbについて、2002年6月号で、由美さんのオヤジさんからいただいたものをレストアして記載しました。今度は、FTb-Nです。
本当は、FTbの巻き上げレバーが使いにくく、FTb-Nのジャンク探して、プラスチックのついたレバーに交換したかったのですが、入手したFTb-Nは、あまりにもきれいなので、部品取りには使えませんでした。レストアして、使用することにしました。未保証の中古、つまりはジャンクレベルですが、FTb-NにFD50mm/F1.8SCのついたものを入手しました。レンズは、友人が別なFTb-Nのボディーを入手したので、そちらに差し上げました。
今回のFTb-Nの写真には、手持ちのFD28mm/F2.8をつけてみました。50mm/F1.4より迫力に欠けます。


キャノンカメラミュージアムでは
FTQL発売が、1966年3月で、FL50mm/F1.4付きで、54800円
FTb発売が、1971年3月で、FD50mm/F1.4付きで57000円
FTb-N発売が、1973年7月で、FD50mm/F1.4SSC付きで、64500円
ですが。ボディーだけでは、FTbから、FTb-Nへは、4000円アップです。
2年4ヶ月後に4000円の値上げは、実質では、価格は下がっているのかもしれません。
キヤノンカメラミュージアムの説明では、FTbから、FTb-Nへの変更点は
・シャッターボタン形状
・巻き上げレバーにプラスチック部品追加
・セルフタイマーレバー形状の変更
・ファインダー内にシャッタースピード表示
とされていますが、細かいところでは、シンクロ接点に、カバーがついた他もうちょっとあります。。


変更点のひとつのセルフタイマーレバー
ですが、よくF-1と「同じ形状の」と書かれているものをみますが、F-1とは同一のものではありません。形状がそっくりという意味です。でも、FTbとFTb-Nの見分けるポイントには使わないでください、FTbでも、リペアパーツの関係で、現在使われている状態で、FTbでもこのレバーがついているものがあります。
絞り込み、ミラーアップと、セルフタイマーレバーに機能を持たせたのは、なかなか良い発想と思います。
しかし、この写真のQLマークである、クイックローディング機構はなぜFTb-Nを最後に姿を消したのでしょうか。AE-1以降は使われていません。場所が取られるから、AE-1まで小型化するためには、使えなかったのでしょうか。昔も今も、初心者泣かせなのが、フィルム装てんだと思います。こんなに簡単なのは、ワインダー/モータードライブ内蔵カメラの時代にならないと出てきません。


これが、シンクロ接点のカバーです
矢印の方向にずらすと接点が出てきます。
キャップ式だと、キャップをなくせばおしまいですが、これだと、なくすことが無く便利です。今では、シンクロ接点が無いカメラがほとんどになつてしまいましたが。










レリースボタン形状に
ついては、2002年6月号と比較してください。友人で、FTb-N所有者は、FTb-Nの
ほうが押しやすいと言っていました。もちろん、FTb-Nのほうが改良タイプであるわけですから、押しやすくやらないといけません。
巻き上げレバーは、セルフタイマーレバーと同様に、FTb-Nの見分けるポイントにしてはいけません。これも、交換されている個体があります。
シャッターダイヤルのターレット形状も、手持ちのFTbとFTb-Nでは、違っています。それから、ホットシューは、FTb-Nに、ストロボの固定のためと思われる、ノッチがついていますが、当時のストロボを持っていませんので、性格にはなんのためのノッチかわかりません。たぶん内部の部品も結構変更されていると思いますが、ばらしてまで、比較していないので、調べていません。


バッテリーチェックボタンは
ASA100にして、1/1000秒に設定して、ファインダーの見て、右側にある線基準ですが、その設定を示すシールがまだ残っていました。

ここで、FTb-Nをほめちぎっても、中古価格への影響は無いだろうと思って書きます。露出計の電池は、本来は、水銀電池のHDですが、現在、そのものを入手することは、容易ではありません。輸入品でわずかに存在しているとのことですが。その代替として、バッテリーアダプターや、同一形状のアルカリ電池が存在して、それを使用すると、動作させることが出来ます。また、まわりにスペーサーを自作すれば、LR44でも動作させることは簡単です。カメラの中身は、メカで、しかも、大きいサイズのため、分解して、掃除やレストアすることは、一眼レフの中でも、簡単なほうです。もともと、頑丈に出来ていて、故障知らずのようなカメラですので、まだまた使用することは可能です。この当時のマニュアルフォーカスで、AE化されていないカメラを使えるものにとっては、なかなか使いやすいカメラといえます。FDレンズは中古でけっこう入手が容易です。まだまだ使えるFTbやFTb-Nが、ジャンク扱いで、ごろごろしているのは、さびしいことです。もっと使ってあげられないのかなあ。


ファインダーを見ると 
左下に表示するのは、シャッター速度です。透明な円盤が、シャッター速度ダイアルと連動して、回るだけの簡単な仕掛けです。
センターのマイクロプリズムの周りに見える長方形の部分が、ハーフミラーになっていて、そこの反射が露出計のCdSに導かれます。そのため、中央重点というべきか、ちょっと大きなスポット測光という感じです。ですから、今の分割された、評価測光というやつになれた方には、うっかりしやすいと思いますが、この範囲を外れたところに合わせたい場合は、まずそこで、測定してから、必要なアングルに持っていきます。スポット測光的に使えるので、慣れれば、使いやすい方法です。平均測光のものより、応用は利くと思います。




なんだか、休みのたびに、天気が悪い。紅葉の写真を撮らずに冬になりそうです。冬は、カラーでありなから、モノクロみたいな写真になりますので、だったら、はじめからモノクロかな。
(2004.11.3)


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