比の今月のカメラ 2004年10月号   YASHICA ELECTRO35 GSN

YASHICAブランドは、どうなるのでしょうか
気になります。
高校一年の時、入学祝いのお金をかき集めて、手持ちのお金も足して、なんとか、OLYMPUS M-1を買いました。これで本格的に写真をはじめたという気分になっていました。中学校時代からの友人に、久しぶりに街で会いました。彼は別な高校に入学していたので、ほんとに久しぶりで、偶然合いました。「カメラ買ったよ」と話しかけたら、彼も「カメラ買ってもらったよ」というのです。高校入学祝いにと、おやじさんに買ってもらったというのです。カメラは、YASHICA ELECTRO35だといいました。「ローソク一本のあかりでも撮れますというコマーシャルのやつだね」名前は知っていました。触ったことはありません。私は、OLUMPUSの一眼レフを買ったことを言うと、うらやましそうでした。どうも、おやじさんに、「高校生はこれでいい」と、一眼レフではなく、YASHICA ELECTRO35にさせられたようです。たしかに、当時の高校生の気持ちとしては、レンズを交換できる一眼レフがあこがれでした。
この写真は、YASHICA ELECTRO35 GSNです。友人のは、どのモデルだったかは、覚えていません。

このカメラに関しては
いろいろなwebサイトで説明してありますので、ここでは説明はしません。
しかもこのGSNの位置するところにもあまり興味はありません。ただ興味があるのは、「ローソクのあかりでも撮れます」というコマーシャルを見た記憶と、YASHICAというブランド、それに、レンズシャッター機であり、レンジファインダーの機構です。








このカメラはリサイクルショップの、
ジャンクコーナーに、ありました。厚手のピニールがかぶっていて、動作を見ることもできませんでしたが、本体もレンズも傷がほとんど無く、掃除すればきれいになるということを予想させました。実は、会社の同僚のYASHICA ELECTROをレストアした経験があり、このくらいきれいならなんとかレストア可能だろうとい気持ちもあって、購入しました。価格は、東京のジャンクカメラ価格を考えれば、安いものでした。
本体と、上の写真のキャップがついていただけです。できれば、ケースが欲しかったけど、ぼろぼろで捨てたのかなあ。



電池は、
HM-4Nという水銀電池。5.6Vの定格です。もちろん、国内では、水銀電池は、ほとんど入手できませんので、なんらかの代替が必要です。今回購入のカメラには、電池は入っていませんでした。もし、入っていたら、廃棄の場合は、有害ゴミとして、出してよいのかな。
代替電池は、以前、知人のをレストアしたときと同じ方法で、プラのパイプに、LR44を4個入れてHM-4Nと同一外形になるようにスペーサーを入れました。電池の電圧は、6.0Vになってしまいますが、LR44の内部抵抗が大きいため。実際の動作電流は6.0Vより幾分下がるということで逃げられるはずです。結果は知人のカメラで実証済みですので、問題ありません。
軽く掃除をするだけで、問題なく動作しました。

ASA感度あわせは、まわすと、受光部の絞り値が変化して、ひし形に開いた絞りが変わるというもので、良くある方式です。
機上げレバーが小さめでちょっと使いにくく感じました。

撮影には、Nikonの広角用の金属フードで、62ミリの取り付けのやつに、変換リングをつけて撮影しましたが、ボディーが大柄なためか、さほどファインダーでけられず使えました。YASHICAのさすがの写りでした。

ホットシューの
プラカバーもついていました。これがついているジャンクは珍しいかもしれません。。
レンジファインダーは、KONICA IIIでなれでいるので、ピント合わせに問題はありませんでした。YASHICA ELECTRO35は、当時の国産のファミリーカメラとしてのレンジファインダーの見易さは、中の上というところではないでしょうか。これでピント合わせられない人は、Olympus PEN EE のように、パンフォーカスのものを使うしかないでしょう。ジャスピンコニカが発売されて、オートフォーカスが普及するまで、写真を撮ることの壁のひとつじゃなかったかと思います。
今思えは、その昔の「写真を撮ることの壁」は
(1) カメラの価格が高い
(2) フィルムが入れられない
(3) 露出があわせられない
(4) ピントが合わせられない
だったと思います。「写るんです」のようなレンズ付きフィルムが登場してからは、すべての壁は取り除かれたかな。
YASHICA ELECTRO35 はAEということでは、便利になりましたが、まだピントあわせは難しかったと思います。写真屋さんで、フィルム入れてくださいと店員にお願いしている姿は、つい最近までは見られました。今は、見ることがありません。コンビニの店員はフィルム入れを断っていました。まあ、写真屋さんじゃないからしかたないと思いますし、古いカメラにフィルムを入れられるコンビニの店員は、希少でしょう。

バッテリーチェックボタンは
ファインダーのアイピースのそばの赤いボタンです。押すと、フィルムカウンターの照明ランプが緑色につきます。この写真では、緑というより、黄色がかって見えているのは、ランプの色温度のせいでしょう。5500Kくらいに合っている条件では、緑に写らないのでしょう。電球の色温度は、2000K台ですから。








レンズを上から見ると 
前のリングは、シャッター速度設定で、Bと自動と、フラッシュのシンクロ。
絞りリングの前にある絵は、今で言うアイコンですが、「屋外晴天」「屋外曇り」「屋内」で、絞りをこうしたほうが良いよという説明です。絞り優先だけあって、被写界深度目盛りがついているのは立派。赤外マークはさずにないけど、マニュアル露出が出来ないので、赤外フィルムは使えないから当然です。








シャッターは
COPALだったんですか。これまで、知りませんでした。
底面に電池室がありますが、単三くらいの電池が縦に入るのはびっくりです。レンズシャッター機だから、ボディー側に余裕があるんですね。
とうぜんながら、この時代は、金属ボディーが普通ですから、これも金属製で、これが傷が少ないもんで、なかなか良く見えます。三脚穴の周りにも傷がないので、前の使用者は、三脚での撮影はしなかったようです。セルフタイマーは、レンズの上部に赤いポッチでついています。しかにもレンズシャッター機という感じです。上の写真で絞りの16の場所についているレバーです。








知人のやつは
フィルムカウンターのバッテリーチェック兼用照明麦球が切れていました。
この写真は知人のものをレストアしたものです。
麦球を交換しただけでは、また切れるかもしれないので、ブルーLEDを付けてみました。駆動電圧が、LR44が4個で、6.0Vぐらいなので、電流制限抵抗として、抵抗を220Ωで入れてみました。赤い配線の途中で、クリアーの熱収縮チューブでカバーしてあるやつです。電流が少なくても、結構明るく光りました。写真の上のほうの、本来緑に光らせる緑のクリアー部品はそのままにしましたので、上がりは、ちょっと緑がかったブルーに光りました。
こんど、自分のやつか切れたら、自分のもLED変えてみよう。警告ランプもLEDにすれば、バッテリーが消耗しないかもしれないが、切れていないものをわざわざ交換する気にもならず、こんど切れたらねと思っているが、警告ランプが切れたかどうかどうやって判断するのかが難しいかもしれない。


夏は写真を撮るチャンスが少なかった。紅葉になったら写真撮ろうかと思っていたら、レストアするカメラがたまったので、そちらのわうに時間を使ってしまう最近です。
(2004.10.11)


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