比の今月のカメラ 2005年10月号   Fujifilm Epion and Nexia

Fujifilm製のAPSフィルムカメラ
をこの「今月のカメラ」に登場させるのは、2001年5月のEpion RVX 以来です。2001年当時は、まだ、APSフィルムが一般的フィルムとして、認識されていて、コンビニでも普通に売られていました。以前はこのRVXも使用していました。しかし、APSはフィルム価格とDP費用が割高であり、Epion RVX が防水であるいうメリット以外に、このカメラを使用することはありませんでした。ですから、通常のズームレンズ付きのAPSフィルム用カメラは、使用する気持ちは当時もありませんでした。

APSフィルム用カメラのことは詳しくありません。Fujifilmの場合、少なくともEpionとNexiaという二つのブランド名を使うカメラを発売していました。もちろん「写るんです」のAPS版は含まないことにしてね。あれはレンズ付きフィルムということにて。




Fujifilm協賛の
あるコンテストにうちの子二人が何度か応募しました。毎回佳作以上をもらったもので、副賞にはカメラがつきました。以前はASPフィルム用カメラでした。最近は35mmフィルム用カメラになりました。そのせいかうちの子は、Fujifilm製カメラを数多く所有しています。今回のカメラはこども所有のものではありません。ですから、うちにはもっと、Fujifilmのカメラが存在します。人にあげたものもあるようなので、すべては手元に残してはいないようですが。

ごめんね。EpionとNexiaの違いがまったくわかりません。時期なのか価格なのか、それともユーザーターゲットなのか。

ここにあるEpion270i は、上位機種です。Nexia4100ixZは、中級機種のようです。





このニ機種は
しいてあげればレリースボタンの真中がブルーということが共通点?
それ以外は共通性が見つかりません。この時代のカメラの特徴でシルバーボディーです。これは、他社のカメラでも同様でした。

2001年当時は、私はひとつだけAPSフィルムに対して誤解がありました。フィルム1コマの面積が、35mmフィルムのフルサイズに対して、約半分ですので、いわゆるハーフサイズカメラと同じ程度の仕上がりと、考えていました。ところが、あとでわかったことは、APS専用のフィルムが開発されていて、それは、通常の35mmフィルムより粒状性もよく単純にハーフサイズだと考えてはいけないということです。
確かに、フィルムメーカーによっては、35mmフィルムに無い銘柄のものがありました。



KODAKは、
KODAKは、歴史的に何度か、自社のフィルム規格をゴリ押ししては、失敗しています。620フィルム、127フィルム、ディスクフィルムなどか、それにあたります。APSも、どちらかというと、それと同じと考えています。フィルムとカメラの明るい未来を約束したような推進の仕方でしたが、デジタルカメラの台頭があまりにも短時間であったがため、結局は、KODAKの悪あがきのようなけっかとなってしまいました。
さて、Fujifilmは、APSフィルム推進としては、加害者なのでしょうか、それとも被害者なのでしょうか。フィルム生産側でもあったし、カメラ製造側でもありました。KODAKのくちぐるまに載っちゃってフィルムまで生産、販売してしまったから、被害者側だったのでしょうか。まあ、被害だの、加害だのとわけることそのものに異論のある人はいるでしょうが、私の目からは、そういうふうに見えてしまうのです。
でも、ほんとうの被害者は、振り回された消費者、ユーザーです。高額な一眼レフと専用交換レンズをそろえた方もいらっしゃるわけですら。




APSフィルムのおかげで
よいものができました。インデックスプリントです。はじめはASPフィルムだけの特権のようでしたが、そのうちに35mmフィルムでもインデックスプリントをはじめてくれました。昔の「べた焼き」と同じ使い方ができます。同時プリントが一般的になり、べた焼きはすたれていきましたが、インデックスプリントはべた焼きと違って割安でありお手軽でした。あるカメラ店ではインデックスプリントを50円でやってくれますし、あるDP店では、同時プリント時であれば、無料でついてきます。インデックスプリントの一画面も、はじめは画質が悪かったのが、最近は、画質も良くなり、つまりドット/インチが大きくなって、しかも1コマの画面サイズも少し大きくなってきました。






Epionはフラッグシップ
モデルでしょうか、EBC FUJINONの名前をレンズに付けています。22.5-90mmということは、35mm換算で、35-135mmというところでしょうか。ちょっと広角側が足りないけれど、まあまあでしょう。













APSフィルムの
特徴のひとつにMRCという機能があります。途中でフィルムを簡単に交換できるということです。たとえば、ISO400のネガカラーで撮影していて、撮り終わる前に、ISO100のリバーサルに交換できるのです。そしてまた、途中まで撮ったISO400のネガカラーに戻すこともできます。

これは、Epionのフィルム室の中の様子です、MRCができるモデルの場合には、このような状態ですが、どのセンサーと接点が何を見ているのかわかりません。フィルムに、何枚まで撮影したかという情報を書き込んで、またそのあとで読み取っているのでしょうか。フィルム自体は電池バックアップがないので、フラッシュROMを搭載しているということでしょうか。もし、そうなら、APS価格が高いのもそのせいかもしれません。




先月からAPSフィルムカメラを連続することにしました。何台かAPSフィルムのカメラがたまったのですが、もはや時代が終わったように感じて、まとめて所有のものをあげておこうと考えました。APSの時代が終わったと感じたのは、各カメラメーカーのラインナップから、次々とAPSフィルム用カメラが消えていったためと、市内のカメラチェーン店のフィルム用保冷棚が、半減するにともない、APSの在庫が極端に少なくなったためです。フィルムカメラですらどんどん製品ラインナップから減っているのですから、APSばかり時代が終わったというのではなく、フィルムカメラ全体の動きが減ったということも言えます。
フィルムのコレクションとしては、APSはどうも興味が湧かなかったのですが、とりあえず、リバーサルも一本確保しましたし、空箱も未使用もいくつかそろえましたので、そのうちアップすることにします。そのうちですよ。APSは、モノクロフィルム、C-41処理のモノクロフィルムも含めて、無かったはずだなあと、今考えています。
(2005.10.10)




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