比の今月のカメラ 2007年 11月号
(改訂版)
OLYMPUS iZOOM 2000と
Fuji EPION270Z



オリンパスのiZOOMミューシリーズ

は、ミューのAPS判みたいなやつだけど、このiZOOM2000は、デザインとしては、ミューとはだいぶちがうな。
発売2000年3月
レンズ 25〜50mm F4.6〜8.7 7群7枚(すべてガラスレンズ)
シャッター 電子制御式レンズシャッター、シャッタースピード 1/500〜1.8秒
ファインダー C/H/Pプリントタイプ切替式、実像式ズームファインダー倍率0.31〜0.56
電源 3Vリチウム電池(CR-2) 1本
大きさ 幅89.5×高さ60.5×厚さ31mm(突起部含まず)
重さ 125g(電池なし)
価格 29,000円
だそうだ。
2000年3月は、デジタルカメラとしては、CAMEDIA C-3030(300万画素)やC-960が発売されて、いよいよフィルムカメラとデジタルカメラの世代交代が近づいた時期です。



大きさ比較のため、μ-U170VF
と重ねてみました。iZOOM2000は、だいぶ小柄です。しかも、かなり軽いのです。
上に、ULTRA COMPACT ZOOM と書いてあります。確かにコンパクトです。まあ、今では、もっと小さなデジタルカメラはありますが、135mmやAPSでは、トップクラスに小さいカメラでしょう。
APSについては、前に何度か書きましたが、KODAKの読み違いなのか、それとも日本のメーカーがだまされたのかはわかりませんが、フィルムもカメラも力を入れたのですが、短命に終わりました。皆様の手に残ったカメラは、もはや見向きもされなくなるのでしょうか。
127フィルムのベス単も4x4の二眼レフもまだ見捨てられずに使用者がいるし、820フィルムだって、ラピッドシステムだって、マニア向けで使用されているのですが、APSは、ディスクフィルム並に無くなる運命でしょうか。いまは、かろうじて、フィルムは売っているし、現像もプリントもしてもらえます。APSのフィルムは、引っ張り出して、自分で現像ができないみたいなので、現像してもらえなくなったときが、絶滅のときでしょうか。そのときは、フィルムも売っていないでしょうけれど。



電池は、CR2が1本です
小型化するには、1本にするしかないですからね。下の部分に入ります。下に電池入れたから、横幅狭くできたのですね。ミューのようなデザインのiZOOMは、横幅があります。
マクセルのド派手な色のリチウムを入れてみました。

ボケて、読みにくいけどMADE IN CHAINAです。










フィルム室はここです

なんと、フィルム室の扉に三脚穴がついています。ほかのカメラでは、あまり見ない構造です。フィルム室を開けるのは、ストラップ金具の根元のレバーです。小型化するように、なかなか考えて配置されています。たぶん、写真で見るより、実物が小さく感じると思います。中古市場にもでることはないと思いますので、実物を見たことが無い人が、今後目にするチャンスは、なかなか無いと思いますけどね。








レンズは25-50mm

でF4.6-8.7。これは、50mmまで伸ばした状態ですが、小型のカメラに対して、それ以上に細身の鏡胴です。天狗の鼻というべきでしょうか。それにしても、50mmで、開放F8.7というのは、曇りの日は、開放で撮られるということでしょうか。












なにげない会話で

APSカメラの話が職場でありました。写真にとくに興味のある相手ではありませんでした。そのときの話題をいくつか書きますと、ひとつは、もはやフィルムカメラを使う気持ちがなくなっているけど、いまだにAPSのカメラがあるが売るチャンスを逃してしまって、売ることもできないというのです。確かにもはや中古カメラ市場で、APSのコンパクト機は売れないと見えて、でていません。このまえ、CanonのAPS一眼レフの中古がありましたが、きれいなカメラだったのに 3,800円という価格でした。EOSシリーズのレンズがそのまま使用できるはずですが、デジタルカメラを使い始めたら、ランニングコストや画質を考えたらAPSは使えないのでしょうね。もちろん、私は買いませんよ。
それから、APSの特徴である途中でフィルムを入れ替える話がでてきました。その方は、どのAPSカメラでも、フィルムの途中入れ替えができると思っていました。APSの特徴のひとつである、途中まで撮影したフィルムを取り出して交換できる、交換したフィルムをまた戻しても、次のコマからちゃんと使えるという便利な機能、MRC(Mid Roll Change)と呼ばれる機能は、どのAPSカメラにもついているわけではありません。手持ちのカメラを探したら、この写真のFuji EPION 270Zには、MRC機能がついていました。ちゃんと、正面にMRCと書いてあります。この機能を必要とする人はどの程度いるのでしょうか。場面場面で、フィルムを入れ替えるということは、どの程度要求されるのでしょうか。



APSフィルムでも

富士フィルムは、リバーサルフィルムを販売していました。上の写真とこの写真にある箱のやつは、リバーサルです。私は、APSでリバーサルフィルムを使う気持ちはなかったので、こんなフィルムもあったという意味で一本保管してあるだけです。リバーサルと、ネガ。または、ISO感度の違うやつ。交換する意味はいくつかあると思いますが、どのていど活用されたのでしょうか。そこまで、APSカメラを使い込んだ人は、まわりにいなかったので、わかりません。期待された機能だったのでしょうね。
Fujiは、フィルム売上を期待したのかどうかわかりませんが、MRC機能を積極的に取り入れたように思います。APSの中級以上のカメラにはついていました。うちの下の子が、あるコンテストの景品でもらったFujiのカメラにもMRCはついていました。そのカメラは、もらっただけで、使われていません。すでに、Nikon EMわ持っていた彼としては、ランニングコストのかかるAPSに魅力を感じないようでした。いまとなっては、フィルムカメラ自体を使っていませんが。




フィルム室には

接点やセンサーが並んでいます。これで、データを書いたり読んだりして、MRCを実現しているのです。
私の記憶では、APSを提唱したKODAKのほか、FujiとKONICA(Konicaminolta)が、APSフィルムを製造販売していました。この写真には、その3社分あります。AGFAは、見た記憶がありません。ネット検索するとAGFA STAR 200というフィルムが存在しますが、中身もAGFAだったのでしょうか。日本で販売しなかったのでしょうか。それについて、詳しく記載のある日本のwebページは、まだ見つけていません。








MRCのボタンは

ふつうの途中巻き戻しボタンのような感じですが、赤い色で強調されています。このカメラは、ジャンクワゴンで買いましたが、もとの使用者は、はたして、MRCの機能を使うためにこのボタンを押したでしょうか。

APSがまだよく使われた時代、20世紀でしょうね、そのころは、レンズ付きフィルムですら、APSのものがありました。コンパクトであるというのが売りであったと思いますが、仕事でカリフォルニアに行ったとき、休日にサンフランシスコ市内見物してると、カメラ店でフィルムを買おうとしたとき、店員さんは、お客さんに、レンズ付きフィルムは、このAPSのを買うと、小型だし、あとでプリントするとき、APSだと、インデックスプリントもついくるし、便利だよと、積極的にすすめていたのを思い出します。話は、それますが、そのとき、アメリカ人の観光客は、NikonのN70などの一眼レフを首から下げて歩いているのを見かけました。彼らには、一眼レフは大きくて、重いカメラという気がしないのでしょう。たいしたもんです。私は、OM-2に35-70つけて、ほかに遊びでCASIOのQV-100を持っていました。まだデジタルカメラは、通常のスナップ撮影までには使用できていない時期の話です。




【雑談】
C-41現像液は、作ってしまったら、10日が保存期間となっています。二週間はもつと聞いたことがありますが、ためしに3週間経過したものを使ってどのような状態になるか試してました。温度はいつもの温度です。時間は、長めにしてみました。新しい液の倍の時間現像してみました。うっすらと像が出ただけで、現像されていませんでした。パトローネの外に出ていて、完全に感光している部分は、まあまあ色はついていますが、それ以外は、ほんとにうっすらです。コマとコマの境目も、やっと確認できる程度でした。フィルムの銘柄やコマ数などの上下の文字はほとんど読めません。やっぱり10日までしか現像だめなのねと確認しました。そこそこ現像できるんじゃないのと、たかをくくっていたので、ちょっとショックでした。大事な画像はなくて、お試し用なので問題はないのですが。
(2007. 11. 11)

12月号の機種を考えていて、過去のリストを眺めていたら気がつきました。OLYMPUS iZOOM 2000は、2005年11月号に、Canon IXY(APS)といっしょに載せていました。脇役扱いですが、すでに使っていたのです。まったく忘れていました。11月号というの因縁か。
改訂版として、Fuji EPION 270Z にまったく差し替えるのもなんなので、追加として二つ載せます。
(2007.12.24)


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