比の今月のカメラ | 2007年 9月号 | LOMOGRAPHY Fisheye |
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「トイカメラ」というものが 一部の方に、もてはやされているのは、以前から知っていました。それとは別に、LOMOという名前についても、ソ連、いまのロシアですね、そこのカメラ生産の組織であることも知っていました。ただ、ロシア(ややこしいので、過去の話で、ソ連時代のことであっても、ひとまとめにして、「ロシア」という書き方にさせていただきます)のカメラというと、戦後まもなくの東ドイツから技術を持ってきたのかはわからないけれど、戦前型のライカ、バルックのコピー、しかも粗悪なコピーカメラという程度のみかたしかできなかった。LOMOについては、数年前、インターネットで知った、LC-Aという機種が、コシナのカメラのそっくりさんであるが、コシナ製よりだいぶ作りが粗悪で、光れ漏れなども含めて、とても現代のカメラと呼べないような仕上がりであるということは知った。しかも、そのカメラまかせのひどい仕上がりが、芸術的だというにいたっては、「そんなのありか」と思いました。 今月号は、あえて、誤解を恐れずに、私の考えをストレートに書きます。いやみや皮肉ではなくて、考えを素直に書きます。 LOMOの、それもLC-A、つまりコシナのコピーものの写真をLOMOGRAPHYと称して、いわば偶然性で、できあがってしまう、まともに考えたらできの悪い、光漏れや、レンズの収差だらけや、内部反射だらけの写真を、芸術として、もてはやすのは、これはいったいなんなのだという気持ちでした。別に、LOMOのLC-Aであっても、スメナ8であっても、まったく興味がわきませんでした。しかし、あるとき、興味のあるカメラがでてきました。LOMOGRAPHYのFisheyeです。通販でいたるところで目にしました。作例も載っていたので、対角魚眼より、焦点距離がやや短くて、全円魚眼でもないことはわかりました。価格は、6千円程度だったので、ずいぶんと安いカメラなので、写りは、だいぶよくないだろうということは、想像できました。でも、魚眼専用のカメラなんて、観測機器しかないと思っていたのに、そんなのを商品化したのですね。驚きでした。 |
知り合いと二人で 二台をインターネット通販で頼みました。2005年10月でした。二台たのんだので、少し送料がおとくになりました。6千数百円かかりました。届いたのが、上の写真のものです。鮮やかな印刷の独特な箱であり、これは、ロシア製ではないなと、感じました。なにしろ、25年くらい前に、ロシア製の双眼鏡買ったときにロシアの梱包見ていますので。 中身は、右の写真で、ちいさな写真集のように冊子がついてきて、いかにもカメラでございますというより、やはりおもちゃ的だなと感じました。6千円というのも、おもちゃを買う感覚です。安いものではありますが、自分のために、新品のフィルムカメラを買うというのは、アメリカに長期間いたときに、1988年KONICA JUMPを買って以来のような気がします。 日本語の保証書もついています。見た目はおもちゃでも、やはりカメラの売り方ですね。 |
箱から出して うらぶたを開けたら、なかにシリカゲルが入っていました。こんなの見たこと無い。日本の常識は、ビニール袋に、カメラを入れて、そのビニールの中に、シリカゲルでしょ。 気になるのは、どこにも、原産国表示が無いことです。本体にも記載がありません。原産国どころか、シリアル番号もありません。梱包箱、取説にもPrinted in XXXX という表示がありません。この本体と、梱包箱、そして、入っている印刷物すべて、はたしてどこの国で作ったのやら、ヒントもありません。複数の国の言語で書いてあるものでも、その国のLOMOGRAPHYのURLが書いてあるのが基本です。もはや、LOMOというオリジナルのロシアの団体は、関係なくなったのでしょうか。まったく不思議な感じです。いろんなwebサイト見てみましたが、LOMOじゃなくて、LOMOGRAPHYなんですね。ということは、LOMO LC-Aとも無関係ですか? |
キャップは 白くてゴムのような素材。そして、注意書きのシールが貼り付けてある。ストラップもゴムのような白い素材で、キャップもストラップとつながっている。ボディーカラーは、黒と白。でも、そのあと、カラーバリエーションが追加されました。少なくとも、オーダーした時には、この色しかなかったはずですが、どうだったのかな。 レンズが、固定というのは、とくに珍しくも無いし、パンフォーカスで可能というのは、レンズの焦点距離で想像がつく。シャッター速度も絞りも固定というのは、レンズ付きフィルム並と考えれば、べつに珍しくも無い。しかし、いろいろと驚かされました。フラッシュは、撮影できる画角に対して、すべてカバーしいてないので、中心部しか照らせないという。きちんと取説に書いてあるので、「これは仕様です」と、居直っているのだろうけど、これもおもちゃ的。それともそれが、あやしい魅力を増すための作戦かな。ファインダーも魚眼ではないので、目安にもならない。ほぼ、ノーフレーミングと同じだ。これの二世代目は、外付けのカニの目みたいなファインダーがついているので、そいつは、魚眼に見えるのだろうか。フィルム装てんだが、その昔の手動巻き上げのカメラのようではまったくない。昔式の、巻き上げの軸にスリットがあって、そいつにフィルムの先を入れて、スプロケットの歯にパーフォレーションを入れてやるという、今となっては、職人芸を要求するしくみではなかった。最新の自動巻き上げ機のように、フィルム端をマークの位置にして、フタをすればよいだけ。ギコギコと、写るんですのように巻き上げればよい。それで、フィルム1本撮り終わった時、巻き戻しするわけだが、底に巻き戻しの時の押しボタンが無い。そのまま、巻き戻しクランクをまわすと、ギリギリと、ラチェット?の音がして、少し抵抗感はあるものの、巻き戻せる。これで、フィルムの装てんと、巻き戻しにトラブルがないのだから、昔のカメラは、いったいなんだったのだと、思える。シャッターは、1/100秒固定で、メカニカルのシャッターと思われる。絞りも固定なので、露出計もAEのしくも無い。電池が無くても、昼の屋外だったら、フィルムのラチチュードまかせで、それだけで撮っている。 仕様は レンズ焦点距離 10mm (パンフォーカスで、0.5m〜∞) (ガラスレンズで4枚構成との情報もある) レンズF値 f8 (絞りなし固定) シャッター速度 1/100秒 |
なんで魚なの この魚の模様を入れるセンスは、理解不能。Fisheyeだから、フィッシュ?。 フィルムカウンターは、写るんです風。小さい穴から見える。レリーズボタンのストロークは長く、昔のコンパクトカメラ的な感触で、なかなかよろしい。シャッター音は、「チッ」という感じの、メカのレンズシャッターのまともな音がする。 レンズの周りのギザギザは、単なる飾りでしょうか。レンズは固定なので、ヘリコイドではありません。 |
下はこんな感じ 三脚穴はありません。たとえあったとしたら、三脚が写りこむ可能性が大です。URLが記載されるのは、今のカメラのあかし???。 ほかのカメラでこんなのあったっけ? 単三が1本というのは、フラッシュ用であって、露出や巻き上げには使わない。このフタを空けることがなかなかたいへん無理に力入れると、壊しそうだし。 最後にこんなこと書いて、なんなのですが、結局魚眼は、酒田のおじさんからいただいた、Nikkorの16mm/F2.8を、FEにつけて撮っています。やはり、トイカメラは、私には使いこなせません。それで、以前興味を持っていたHOLGAを結局買いませんでした。たぶん、一本撮影したら、あきそうですから。 |
【雑談】 UPが遅れてしまいました。このカメラの写真は結構余裕で撮っていたのに、作成がついつい後にしてしまいました。ぐうたらしました。 DNPのフィルムを入手しました。友人のYさんにいただきました。やはり、フィルムマニアだけあります。市内のカメラやさんでは、まだ見たことありません。そのうち現像してみますが、現像液の汚れ方がちょっと楽しみ。汚れ方って書いて、わかってくれるのは、C-41現像したことある人だけね。 (2007. 9. 24) |